2026年の「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」が「頂上対決・伝説のレースデュエル」をテーマに華やかに開幕しました。この世界的な自動車の祭典に、中国EVメーカーBYD(比亜迪)が過去最大規模のブースで登場し、大きな注目を集めています。傘下のプレミアムブランド「デンツァ(腾势)」からは、待望の新型EVスーパーカー「デンツァZ」が世界初公開。さらに、「ヤンワン(仰望)」を加えた3ブランドが一堂に会し、中国自動車産業の技術力とグローバル戦略の加速を鮮烈に印象付けました。世界中の自動車愛好家や業界関係者が集まるこの舞台で、BYDは何を世界に示したのでしょうか。その詳細に迫ります。
BYD、グッドウッド史上最大のブースで存在感を誇示
2026年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードは、自動車業界の最先端技術と究極のパフォーマンスが競演する場として、毎年世界中からトップブランドや愛好家が集まります。BYDは、この由緒あるイベントに3年連続で参加。今年は、傘下のプレミアムブランドである「デンツァ(腾势)」、そして超高級EVブランド「ヤンワン(仰望)」を含む3つのコアブランドを携え、その存在感をかつてない規模で示しました。
今回のBYDブースは、なんと総面積2016平方メートル。これはグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの33年の歴史の中で、単一ブランドとしては過去最大の展示面積を記録する快挙です。フェスティバル創設者のリッチモンド公爵も、BYDの革新的なブースデザインと規模を高く評価し、「イベントが追求する究極性、革新性、突破性という核となる理念に完璧に合致している」とコメントしています。BYDは、この巨大な舞台を通じて、中国自動車ブランドの揺るぎない実力と、グローバル市場でのハイエンド戦略を鮮やかに世界へアピールしました。
デンツァZ、欧州市場へ本格参入!驚異の性能と革新
新型EVスーパーカー「デンツァZ」が世界初公開
今回のイベントの最大の目玉の一つは、デンツァブランドの新型EVスーパーカー「デンツァZ」のグローバル初公開です。BYDの李柯(リ・コー)執行副総裁と、元F1世界チャンピオンのジェンソン・バトン氏が共にアンベールを行い、会場を大いに沸かせました。デンツァZは、ハードトップ版、コンバーチブル版、そしてサーキットに特化したトラック版の3つのバージョンが発表され、その価格はそれぞれ142,900ポンド、159,900ポンド、172,900ポンド(日本円で約2,850万円〜3,450万円、1ポンド=200円換算)から設定されています。
特に注目すべきは、トラック版が今秋、ニュルブルクリンク北コースでの量産車単独ラップレコード更新に挑む計画があることです。これは、デンツァブランドが英国市場への本格的な参入を果たし、欧州のハイエンド市場を戦略的に開拓していく強い意志を示すものです。北京モーターショーで先行公開されたコンバーチブル版も、その極めてシンプルで流麗なスーパーカーのボディラインが「卓越したテクノロジーが牽引する豪華さ」というデンツァのブランドコンセプトを体現しています。エレガントな曲線美と機能的な空力設計が融合し、視覚的な美しさとレーシングカーの情熱が見事に交錯しています。
実用性とカスタマイズ性を兼ね備えた革新的デザイン
デンツァZは、スーパーカーの常識を覆す革新的な設計も特徴です。2+2の特別なシートレイアウトと広々としたトランクスペースを備え、究極のパフォーマンスと日常生活での多様なシーンでの使用を両立させました。これにより、スポーツ走行だけでなく、長距離ドライブやレジャーにも対応可能な「マルチユース」スーパーカーとしての可能性を提示しています。さらに、内外装合わせて10種類以上の豊富なカラーリングオプションが用意されており、世界中のオーナーが自身の個性に合わせてカスタマイズできる自由度の高さも魅力です。
圧倒的なパフォーマンスを支える最新技術
パフォーマンス面では、デンツァZはブランド専用に開発された「易三方」(Yi San Fang)レーシングプラットフォームを搭載しています。このプラットフォームは3モーター構成で、驚異的な最高出力1605馬力、最大トルク1260N·mを誇ります。さらに、BYD独自のインテリジェントボディコントロールシステムである「雲軒-M」(Yun Nian-M)技術が初めて搭載され、これまでの常識を打ち破る走行安定性と乗り心地を実現しています。
加速性能はまさに圧巻で、ハードトップ版は0-100km/h加速わずか2.25秒、最高速度は300km/hに達します。そして、トラック版に至っては、0-100km/h加速1.96秒、最高速度350km/hと、ハイエンドなピュアEVとしてのBYDの技術力を存分に示しています。また、デンツァZシリーズには、BYDの第二世代ブレードバッテリーが搭載されており、展示会場では「5分でバッテリーを10%から70%まで充電可能」という、極めて効率的な充電性能の技術デモンストレーションも行われ、その実力の高さがアピールされました。
まとめ
BYDがグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで示した、過去最大規模のブース展開と、デンツァZの衝撃的な世界初公開は、中国自動車メーカーが単なる「EV大国」から「高級EV市場のグローバルプレイヤー」へと進化していることを明確に物語っています。特に、欧州の高級車市場に本格参入し、ニュルブルクリンクでのレコード挑戦を表明するなど、その挑戦的な姿勢は世界の自動車業界に大きなインパクトを与えるでしょう。
BYDの「易三方」プラットフォームや第二世代ブレードバッテリーといった基盤技術の進化は、高性能EVの可能性をさらに広げます。日本市場でもBYDブランドは着実に浸透しつつあり、今後デンツァやヤンワンといったハイエンドブランドが導入される可能性も十分に考えられます。中国発の革新的なEV技術が、世界の自動車産業の未来をどう形作っていくのか、今後の動向から目が離せません。
元記事: pcd












