2001年に香港で大ヒットしたタイムスリップ歴史ドラマ『尋秦記(タイムコップ)』が、現実になったかのような驚きのニュースが中国から飛び込んできました。なんと、秦の始皇帝陵兵馬俑博物館で、香港の人気俳優・林峯(レイモンド・ラム)さんに瓜二つの兵馬俑が発見され、SNSで瞬く間に拡散されたのです。顔の特徴だけでなく、その表情までそっくりな兵馬俑は、多くのネットユーザーを騒然とさせ、『これはまさに尋秦記の世界観だ!』と大きな話題を呼んでいます。この奇跡的な“そっくりさん”現象の真相に迫ります。
香港人気俳優・林峯と兵馬俑がまさかの“激似”!?
中国のSNSを賑わせているのは、一枚の写真です。9月5日、あるネットユーザーが秦始皇帝陵兵馬俑博物館で撮影したという写真には、一体の兵馬俑が写っていました。その陶俑の顔つきが、香港の人気俳優である林峯(レイモンド・ラム)さんに驚くほど似ていると瞬く間に拡散され、「兵馬俑に林峯が現れた!」と大きな話題となりました。
林峯さんは、2001年に古天楽(ルイス・クー)や宣萱(ジェシカ・シュー)らと共演したコスチューム・タイムスリップドラマ『尋秦記(タイムコップ)』で、若き日の嬴政(後の始皇帝)を演じ、一夜にしてブレイクした実力派俳優です。彼が一躍有名になったきっかけの作品が、まさに秦の時代を舞台にした物語だっただけに、今回の兵馬俑との“遭遇”は、ファンにとって感慨深いものだったに違いありません。
写真に写るその兵馬俑には、「T23G10 15」と書かれた青いラベルがかけられています。これは考古学上の整理番号と発見場所を示すもので、修復後に元の発見位置に戻すための目印となります。頭部には保護用のフィルムのようなものが被せられているものの、顔の鮮やかな色彩は保たれており、一目見ただけで林峯さんに瓜二つだと分かります。投稿したネットユーザーも「45度の横顔が林峯にそっくり」とコメントしています。
「尋秦記」が現実になった!?タイムスリップ気分を味わう人々
この写真が公開されるやいなや、ネット上では大きな反響が巻き起こりました。「『尋秦記』が現実になった!」と歓喜する声や、「兵馬俑博物館に、ドラマの主人公である項少龍(シアン・シャオロン)を探しに行かなきゃ!」といった、ドラマの世界観に浸るコメントが多数寄せられました。まるで本当に林峯さんがタイムスリップして兵馬俑になったかのような、ロマンとユーモアが混じり合った反応が広がっています。
この現象について、秦始皇帝陵兵馬俑博物館は9月5日、メディアの取材に対し、「確かに当博物館には、多くの陶俑が有名人に似ています」と認めました。担当者は「ええ、みんな大衆の顔ですよ!」と冗談めかしてコメント。兵馬俑は真人と同じ比率で造られているため、現代の人々と瓜二つの陶俑が存在するのはごく自然なことだと説明しました。
兵馬俑のリアルな魅力と保存技術
「世界第八の奇跡」とも称される兵馬俑は、秦始皇帝陵博物院の重要な一部であり、中国古代文明の輝かしい象徴です。その写実的な陶俑と厳格な軍陣は、古代東洋文化の壮麗な輝きを現代に伝えており、兵馬俑の彫刻芸術は中国古代彫刻芸術の集大成とも言えるでしょう。
兵馬俑の多くは、陶器を焼成する技法を用いて作られています。まず陶型で素地を作り、その上から細かい泥を被せて加工・彫刻・彩色が施されます。先に焼いてから結合するものもあれば、先に結合してから焼くものもあり、均一な火加減で単一の色合い、非常に高い硬度を誇ります。各工程には異なる分業があり、厳格な作業システムが確立されていたことが伺えます。
また、兵馬俑の頭部に被せられていた「保護フィルム」のようなものは、色彩層を保護し、生漆の層の下にある顔料層が剥落するのを防ぐためのものです。これらの厳重な保護措置によって、千年以上前の鮮やかな色彩が、現代にまで伝えられているのですね。
まとめ
香港の人気俳優・林峯さんに瓜二つの兵馬俑の発見は、単なるSNSの話題にとどまらず、兵馬俑が持つ歴史的な重みと、そこに込められた人々の息吹を改めて感じさせてくれる出来事でした。ドラマ『尋秦記』の世界観と現実が交錯するかのようなこのニュースは、中国の壮大な歴史と現代のエンターテインメントが融合した、ユニークな体験を私たちに提供してくれました。これを機に、秦の始皇帝陵兵馬俑博物館を訪れて、自分だけの“そっくりさん”兵馬俑を探してみるのも面白いかもしれませんね。
元記事: gamersky
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