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中国版Googleマップ「高徳地図」が飲食店出店料を無料化!美団の牙城を崩せるか?

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中国の巨大テック企業アリババ傘下の地図アプリ「高徳地図(Gaode Map)」が、飲食店のプラットフォーム出店料を全国で無料化すると発表し、大きな波紋を呼んでいます。これは、これまで同市場で圧倒的な地位を築いてきた美団(Meituan)の主要な収益源を直接的に狙い撃ちする戦略であり、中国のローカルサービス市場の競争が一気に激化する兆しを見せています。高徳地図は、無料化に加え、トラフィック補助、専用カスタマーサービス、スマート決済システムなど、多岐にわたるサポートを提供し、事業者の獲得に本腰を入れています。地図・ナビゲーションアプリという強みを持つ高徳地図が、いかにして美団の牙城を崩そうとしているのか、その戦略と市場への影響を探ります。

高徳地図が仕掛ける“無料化”戦略の全貌

中国版Googleマップともいえる「高徳地図」が、全国の飲食店を対象にプラットフォームへの出店料を1年間免除すると発表しました。さらに、トラフィック補助(顧客誘導支援)、専用カスタマーサービス、スマート決済システムといった一連のサポートサービスも提供し、飲食店のビジネスチャンス拡大を積極的に支援する構えです。これは単なる無料化に留まらず、高徳地図がこれまで美団が築いてきたローカルサービス市場のビジネスモデルを根本から覆そうとする試みと言えるでしょう。

美団とは異なる独自のビジネスモデル

高徳地図は、当初から美団が構築した「店舗内サービス(to-store)」モデルを追従するつもりはありませんでした。彼らは、高徳地図独自の「ストリートスキャンランキング」という仕組みを通じて、オフラインサービスの実績に基づく信用システムを再構築し、事業者とプラットフォーム間の協力モデルを再定義しました。ランキングが純粋にオフラインサービス品質によって決まるのであれば、事業者がプラットフォームへの「入場料」として支払う付加価値サービスの役割はほとんど意味をなさなくなります。

高徳地図自体は、月間アクティブユーザー数が8億人を超える国民的アプリであり、自然なトラフィックと強力な地図・ナビゲーション機能を持ち合わせています。この先天的な優位性は、店舗内サービス事業を展開する上で大きな強みとなります。今回の無料化戦略は、事業者の支持を獲得しつつ、美団の主要な収益源に直接的な打撃を与えることを狙っています。

美団の苦境と収益構造

高徳地図の「無料化」は、美団を非常に困難な状況に追い込んでいます。美団はデリバリーと店舗内サービスの2つのコア事業を展開していますが、高徳地図の挑戦は特に店舗内サービス、中でも美団傘下の口コミサイト「大衆点評(Dianping)」に大きな影響を与えそうです。

美団の財務報告を見ると、2025年第2四半期の純利益は3億6,500万元で、前年同期比で96.8%もの大幅な減少を記録しています。以前、アリババ傘下のデリバリーサービス「餓了么(Ele.me)」が美団のデリバリー市場を脅かした際、美団は利益を犠牲にして市場シェアを守ることを余儀なくされましたが、今回はそのデリバリー以上に利益率の高い「店舗内サービス」が狙われています。

美団の生命線「店舗内サービス」

美団にとって、大衆点評を中心とする店舗内サービスは「金のなる木」であり、その利益率はデリバリー事業をはるかに上回ります。美団の財務データによると、飲食デリバリーの利益率はわずか6.4%であるのに対し、店舗内サービスおよびホテル・旅行事業の営業利益率は43.3%と、約7倍もの開きがあります。

2024年の同事業の売上は2,502億元で前年比20.9%増、営業利益は524億元で同35.4%増と、成長を牽引する重要な部門です。美団CEOの王興氏もかつて、デリバリー事業は1件あたりわずか1元の利益(利益率3%)しかないと公言しており、店舗内サービスの重要性は言うまでもありません。全国には数千万の飲食店が存在し、大衆点評の付加価値サービスは年間3,000元から15,800元かかることを考えると、これは数百億元、ひいては千億元規模の巨大市場なのです。

今後の展望と日本への示唆

美団にとって、高徳地図の無料化戦略に追随すれば、年間で莫大な収益を失うことになります。しかし、追随しなければ、多数の飲食店が流出し、結果的にさらに大きな損失を被る可能性があります。まさに「進退窮まる」状況です。

この中国市場での激しい競争は、最終的に消費者にメリットをもたらすでしょう。プラットフォーム間の競争が激化することで、より質の高いサービスが提供され、手数料の引き下げによって飲食店の負担も軽減される可能性があります。

日本においても、食べログやRetty、ぐるなびといった飲食店予約・情報サイトが存在し、プラットフォーム手数料の問題は常に議論の的となっています。中国のこの動きは、日本のローカルサービス市場にも示唆を与えるかもしれません。手数料モデルに固執することなく、いかにして事業者と消費者の双方に価値を提供し続けるか、プラットフォーム各社に新たなビジネスモデルの構築を促す契機となるかもしれません。

元記事: pedaily

Photo by Ketut Subiyanto on Pexels

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