毎年、中国のEC業界を熱狂させる一大イベント「双11(独身の日)」セール。各ECプラットフォームが熾烈なプロモーション合戦を繰り広げる中、今年は天猫(Tmall)が打ち出した新しいコンセプト「脱水割引」が大きな注目を集めています。これは、従来の複雑怪奇な割引体系を一掃し、消費者に透明で分かりやすい「本当にお得な価格」を提供する試みです。そして、このユーザーファーストなアプローチに対し、中国ECライブコマース界の重鎮、羅永浩(ルオ・ヨンハオ)氏が公に称賛の意を表明しました。日本のECユーザーも共感するであろう、情報格差をなくし、真の利便性を追求する中国ECの最新トレンドとその詳細をご紹介します。
「脱水割引」とは?複雑なセールからの脱却
今年の双11セールでは、天猫が「開売即低价(販売開始と同時に最低価格)」「所見即所得(見たものがそのまま得られる)」という明確な方針を掲げ、「脱水割引」という概念を導入しました。これは、かつてのECセールで見られた、クーポン、ポイント、期間割引、特定条件割引などが複雑に絡み合い、最終的な割引額が分かりにくいといった問題へのアンチテーゼです。
羅永浩氏が評価する透明性の高い価格戦略
10月15日、中国ECライブコマース界のベテランである羅永浩氏は、今年の天猫双11の「脱水割引」の概念を高く評価するコメントを発表しました。彼は自身のSNSで、「今回の天猫双11の『脱水乾貨価格』(水増しをなくした本当の価格)は非常に現実的だ。一枚の図でユーザーの割引を明確に説明し、情報格差をなくし、どこでクーポンを取り忘れたかいつでも確認できる」と述べ、その透明性の高さを絶賛しました。羅永浩氏のように長年ECに携わる人物から見ても、消費者が情報に惑わされることなく、純粋にお得な買い物ができる環境が整ったことは画期的だと言えるでしょう。
EC業界全体への波及を期待
羅永浩氏は、5年間のECライブコマースの経験を踏まえ、中国国内の全てのECプラットフォームが割引の「水増し」をなくし、消費者にとって明確でお得な商品購入体験を提供することを強く望んでいます。彼は「消費者が明確に理解して本当にお得なものを買えるように、もっと回り道を減らしてほしい」と語り、業界全体での「脱水化」の推進を呼びかけました。これは、ECプラットフォーム間の競争が激化する中で、最終的には顧客体験の質が勝敗を分けるという認識の表れでもあります。
天猫「脱水割引」の具体的な内容
今年の天猫双11では、「開売即低价」という戦略により、全ての優待が透明化されました。プラットフォーム上の全ての商品に「手元価格」と「実際の割引額」が明確に表示されます。具体的には、以下の9種類の割引が組み合わせ可能でありながら、その合計割引額が分かりやすく提示されます。
- 定金紅包(手付金クーポン)
- 店舗優待券
- 公式割引(15%OFF~)
- カテゴリークーポン
- ライブ配信者クーポン
- 88VIP 9折券(88VIP会員向け10%OFFクーポン)
- 尾款紅包(残金クーポン)
- 買い物金
- 淘金幣(タオバオコイン)
これらの多岐にわたる割引が複雑になるのではなく、最終的な「手元価格」としてシンプルに提示されることで、割引が完全に「脱水」されるのです。多くのネットユーザーからも「価格がオープンになるのが本当の節約だ!」といった声が聞かれ、この新しい試みに対する高い評価がうかがえます。
まとめ
中国EC業界の「双11」セールにおける天猫の「脱水割引」は、消費者のEC体験を大きく向上させる画期的な取り組みです。情報格差をなくし、透明性の高い価格設定を追求するこの動きは、複雑な割引制度に辟易していた消費者からの支持を大きく集めています。
日本でも、ECサイトのセール時に複数のクーポンやポイント制度が併用され、最終的な価格が分かりにくいという声が聞かれることがあります。中国EC市場で始まったこの「脱水割引」のトレンドは、日本のEC業界にとっても示唆に富むものでしょう。ユーザーファーストなEC体験の追求は、グローバルなトレンドとして今後さらに加速していくことが予想されます。
元記事: gamersky
Photo by Nataliya Vaitkevich on Pexels












