調査会社TrendForce(集邦諮詢)の最新レポートによると、2025年第3四半期(Q3)のグローバルスマートフォン市場は、伝統的な販売旺盛期と多数の新製品発売に後押しされ、力強い成長を遂げました。総生産量は前四半期比9%増、前年同期比7%増の3.28億台に達し、市場の活況を呈しています。特にサムスンとアップルがその成長を牽引しましたが、その好調の裏には、ストレージ部品の供給逼迫と価格上昇という課題が潜んでいます。本記事では、この市場レポートの詳細と、今後の展望について深く掘り下げていきます。
2025年Q3、グローバルスマートフォン市場が大きく拡大
TrendForceの報告では、2025年Q3のグローバルスマートフォン生産量が3.28億台に達し、前四半期から9%増加、前年同期からは7%増加と、目覚ましい成長を記録しました。この成長は、毎年恒例の商戦期であることと、多くの新モデルが市場に投入されたことが主な要因とされています。しかしながら、第4四半期には各ブランドからフラッグシップモデルが続々と発表され、グローバルなEコマース販促活動に向けた在庫確保の需要が高まる見込みです。
一方で、スマートフォンの中核部品であるストレージ(記憶装置)の供給が逼迫し、価格が上昇していることが懸念されています。これは、特に中低価格帯のモデルにおいて利益率を圧迫し、成長の勢いを一部相殺する可能性があります。通年の予測では、2025年全体のグローバルスマートフォン生産量は前年比1.6%増と見込まれていますが、ストレージ市場の不確実性を考慮すると、この数字はさらに下方修正される可能性も指摘されています。
主要ブランドの躍進:サムスン・アップルが市場を牽引
トップを走るサムスンとアップル
ブランド別の競争状況を見ると、サムスンが市場シェア19%を維持し、引き続きグローバル市場をリードしています。Q3のスマートフォン生産量は約6,300万台に迫り、前四半期比で約8%増加しました。特に、高いコストパフォーマンスで人気のGalaxy Aシリーズが堅調な売れ行きを見せ、折りたたみスマートフォンの新世代モデルも市場から高い評価を得て、ハイエンドモデルの販売増に貢献しました。
アップルはサムスンに次ぐ位置をキープしており、Q3の生産量は約5,700万台と、過去最高の同期生産量を記録しました。iPhone 17の基本モデルは「価格据え置き、容量アップ」という戦略で消費者の関心を集め、Proシリーズは外観デザインの大幅な刷新により買い替え需要をさらに刺激しました。これらの要因が相まって、アップルはグローバル第2位のスマートフォンメーカーとしての地位を確固たるものにしています。
中国メーカーも存在感を増す
シャオミ(Xiaomi、Redmi、POCOを含む)は、新機種の発表とホリデーシーズン向けの在庫確保が相乗効果を生み、Q3の生産量は約4,500万台に迫り、前四半期比で約6%増加し、第3位にランクインしました。
OPPO(OnePlus、realmeを含む)は、インド、東南アジア、ラテンアメリカ市場での販売回復の恩恵を受け、Q3の生産量は約4,000万台、前四半期比8%増で第4位となりました。
Transsion(TECNO、Infinix、itelを含む)は、アフリカやアジアなどの新興市場で特に目覚ましい実績を上げ、Q3の生産量は2,900万台を突破、前四半期比9%増で第5位に浮上しました。
vivo(iQOOを含む)はTranssionと市場シェアで0.5%未満の僅差に迫っています。iQOOシリーズがミッドレンジからハイエンドモデルの販売を牽引し、ホリデーシーズン需要に対応するための積極的な在庫確保も行い、Q3の生産量は前四半期比で8%以上増加し、約2,800万台となりました。
まとめ:好調の裏に潜む課題と今後の展望
2025年Q3のグローバルスマートフォン市場は、主要メーカーの戦略的な製品投入と伝統的な商戦期の到来により、力強い成長を見せました。サムスン、アップルが市場を牽引し、中国の主要メーカーも新興市場での強みを発揮し、その存在感を増しています。しかし、この好調なトレンドを持続させる上での最大の課題は、ストレージ部品の供給不足とその価格高騰です。
特に低価格帯モデルでは利益が圧迫され、メーカーは難しい舵取りを迫られることになります。この影響は、部品調達価格の上昇という形で、間接的に日本の消費者にも波及し、一部のスマートフォン価格に影響を与える可能性も否定できません。TrendForceは、2025年通年の生産量予測がさらに下方修正される可能性を示唆しており、今後のストレージ市場の動向が、グローバルスマートフォン市場全体の成長を大きく左右する重要な要素となるでしょう。
元記事: pcd
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