中国で、人気ファッションブロガーの夫が手掛けた貴重な作品が展示中に破損するというショッキングな出来事がありました。約2.4kgもの重厚な「金の鳳冠」が、無料展示会で子供の不注意により落下し、損壊。この事件は瞬く間にSNSで拡散され、展示品の保護責任や観客のマナー、そして損害賠償のあり方について、大きな議論を巻き起こしています。当事者は保険での対応を望んでいますが、一体誰が、どのように責任を負うべきなのでしょうか。中国の民法典も交え、この異例のケースに迫ります。
中国で発生した「金の鳳冠」破損事件の経緯
最近、人気ファッションブロガーの@我是张凯毅(「私こそ張凱毅」)が動画を投稿し、彼女の夫である張煜東(チャン・ユードン)氏が自ら制作した重さ4斤(約2.4kg)の「金の鳳冠」が展示中に破損したことを明らかにしました。この鳳冠は、展示ケース内に保護カバーを装着した状態で展示されていましたが、ある家族が鑑賞中に、小さなお子さんが保護カバーに触れたことでカバーが落下。それに巻き込まれる形で鳳冠も地面に落ち、損壊してしまいました。
被害者と作品の背景
張凱毅氏は動画の中で、この鳳冠が彼女にとって特別な意味を持つ非常に大切な作品であることを強調しています。しかし、現在のところ、破損させてしまった子供の家族には賠償請求はしておらず、保険に加入しているため、まずはどのように損害額を査定するべきかを知りたいと述べています。
SNSでの激論と法的責任の考察
この事件は中国のインターネット上で瞬く間に大きな話題となり、激しい議論を呼んでいます。一部のネットユーザーは「展示品に触れるべきではないのは観覧の基本マナーであり、レッドラインだ」と観客側の責任を強く指摘しています。その一方で、「保護カバーが触れただけで簡単に落ちてしまうのは、展示側の固定が不十分だったのではないか。形ばかりの保護だった」と、展示主催者側の不備を指摘する声も上がっています。
弁護士が語る損害賠償と責任の所在
この状況に対し、中国のメディア「中新網」の記者は、上海中聯(重慶)弁護士事務所の曾惜(ゼン・シー)弁護士に取材を行いました。曾弁護士は、まず損害を確定し、責任主体を明確にした上で、もし展示品に保険がかけられていれば、まず保険会社が補償を行い、その後保険会社が責任者に対し求償する流れになると説明しています。
また、中国民法典第1184条の規定に基づき、「他人の財産を侵害した場合、損害は損害発生時の市場価格、またはその他の合理的な方法で計算される」と述べています。具体的には、被害者である張凱毅夫妻の損害は、修復費用や減損額、または全損額で計算される物的損害と、作品が持つ特別な意味合いに対する精神的損害賠償が含まれる可能性があるとのことです。賠償を請求する際には、金の購入証明、純度検査証明、手作り工賃の記録、破損前の状態を示す証拠、第三者機関(資産評価会社など)による修復費用または再制作費用の評価報告書、そして鳳冠が持つ特殊な意味を示す関連証拠などが必要になるとのことです。
動画から判断する限り、お子さんの保護者が主な責任を負う可能性が高く、展示主催者側は、証拠次第で二次的な責任を負う可能性があると、曾弁護士は分析しています。
まとめ:問われる展示会のあり方と賠償の行方
今回の「金の鳳冠」破損事件は、無料展示という形態における展示物の保護と観覧者のマナー、そして予期せぬ事故に対する法的・倫理的な責任の所在という、多くの課題を浮き彫りにしました。特に、観覧者が増え、展示形式が多様化する現代において、主催者側にはより強固な保護対策が求められ、観覧者側には展示品への敬意と注意深い行動が不可欠であることを改めて示唆しています。
当事者が保険適用を希望していることから、まずは損害額の確定が焦点となります。中国の法律専門家による見解は、今後の同様のケースにおける判断基準ともなり得るでしょう。日本でも展示会でのトラブルは発生しますが、この事例は、貴重な作品を展示する際の課題と、万が一の事態に備える重要性を私たちに問いかけています。
元記事: gamersky
Photo by Korean Buddhist.한국불교.진성 진성 on Pexels












