NVIDIAが開発を中止したとされる幻のフラッグシップGPU「Titan Ada」のプロトタイプが、ついにその全貌を現しました。Ada Lovelace世代の最上位モデルとして計画されたこの怪物カードは、ゲーム向けのRTX 4090 Tiと共に、内密に開発が進められていたと噂されていました。今回、あるエンスージアストが実機写真と詳細なスペックを公開。48GBのGDDR6Xメモリ、PCIe 4スロットを占める巨大なボディ、そして最大900Wとも言われる消費電力など、その圧倒的な存在感が明らかになりました。
幻のGPU「Titan Ada」がベールを脱ぐ
Ada Lovelace世代において、NVIDIAは二種類のモンスター級フラッグシップグラフィックカードの開発を進めていました。一つはゲーム向けの「RTX 4090 Ti」、そしてもう一つがプロフェッショナル用途を想定した「Titan Ada」です。
しかし、様々な事情により、これらの計画は残念ながら「流産」となり、製品として世に出ることはありませんでした。これまでもインターネット上では、これらの幻のGPUに関するプロトタイプの情報が断片的に流れていましたが、今回、ある愛好家がTitan Adaプロトタイプの大量の実物写真(外観、内部構造、GPU-Zの識別スクリーンショットを含む)を公開し、その全貌が明らかになりました。このユーザーは2023年には既にこのカードを入手していたものの、これまで公開できなかったと語っています。
常識を覆す設計思想とスペック
圧巻のボディサイズと冷却機構
公開された写真を見てまず驚かされるのは、その途方もないサイズです。厚さはなんとPCIeスロット4つ分ものスペースを占有しています。全体のデザインは、次世代のRTX 50 FEシリーズに似たオープンエア冷却方式ですが、随所に違いが見られます。前後のファンがずれて配置されており、中央にはもう一つファンが搭載されているとのこと。冷却性を最大限に高めるため、カード全体がオープンなグリル構造になっており、堅牢な金属フレームがこれを支えています。フレーム上には「TITAN」のロゴがはっきりと刻まれており、その正当な出自を証明しています。
革新的な基板構造と電源供給
分解された内部を見ると、PCB(プリント基板)が90度回転し、バックプレートに対して垂直に、そして非常に細長く配置されているのが特徴的です。異常にコンパクトなレイアウトで、高度な実装技術が伺えます。PCIeスロットへの接続も特殊で、PCB上にある変換ポートとサブカードを介して行われます。
補助電源としては、2つの12VHPWR 16ピンコネクタが採用されています。これは、最大6つの8ピンPCIeコネクタに相当し、理論上の最大電力供給能力は1200Wに達するとされていますが、実際には900Wレベルに制限されていたと言われています。カード全体の実際の消費電力はそこまで高くはないでしょうが、それでも600Wを下回ることはないと考えられます。もし600W以下であれば、単一の16ピンコネクタで十分なはずだからです。
圧倒的なグラフィック性能の片鱗
GPU-Zの識別情報からは、このカードがフルスペック版のAD102チップを使用していることが確認できます。具体的には、18432個のCUDAコア、576個のテクスチャユニット、192個のROPユニットが全て有効化されています。また、両面に12個ずつ、合計24個のGDDR6Xメモリチップを搭載し、384ビット幅の48GBメモリを実現。その帯域幅は1TB/sを優に超えるモンスター級のスペックを誇っていました。
まとめ
このTitan Adaのプロトタイプが明らかになったことで、NVIDIAがAda Lovelace世代でどれほど野心的な計画を抱いていたかが見えてきます。もし実現していれば、ワークステーションやAI開発分野において、現在のGPU市場に大きな影響を与えていたことは想像に難くありません。この幻のカードは、技術的な限界を押し広げようとするNVIDIAの姿勢と、中止という決断の背景にある複雑な市場要因を物語る、まさに「生きた伝説」と言えるでしょう。日本の技術愛好家にとっても、その存在は夢のままであり続ける、興味深い一枚です。
元記事: mydrivers












