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二足・車輪型で複雑地形を攻略!ハルビン工大の新型ロボ

bipedal wheeled robot - 二足・車輪型で複雑地形を攻略!ハルビン工大の新型ロボ

中国のハルビン工業大学と校友企業である伯実股份(BoShi Co., Ltd.)がタッグを組み、ヒューマノイドロボット分野で画期的な成果を発表しました。特に注目すべきは、二足歩行型と車輪走行型の両方に対応する「双形態デザイン」です。これにより、ロボットは複雑な地形から平坦な屋内環境まで、さまざまなミッションに対応可能になります。高性能な関節モジュール、精巧なハンド、そしてAIによるインテリジェントな制御システムも開発され、次世代のロボット技術が現実のものとなりつつあります。この革新的な技術が、どのような未来を切り開くのか、詳細を見ていきましょう。

二足・車輪の「双形態デザイン」で多様なミッションに対応

今回の研究成果の核となるのは、ハルビン工業大学機械電気工学部の付宜利教授、倪風雷教授らのチームと伯実股份が共同開発した「双形態ヒューマノイドロボット」です。異なる二つの移動プラットフォームを持つことで、ロボットの活動範囲と応用シーンが飛躍的に広がります。

複雑な地形を攻略する二足歩行型と、効率性を追求する車輪型

開発されたヒューマノイドロボットは、大きく分けて二つのタイプがあります。

  • 二足歩行型:主に非構造化された複雑な地形や環境向けに設計されています。巡回や補助作業など、過酷な屋外環境でのミッションに適しています。
  • 車輪型:平坦な地面環境に焦点を当て、屋内サービス、物流搬送、精密作業などに特化しています。高速かつ安定した移動が可能です。

これら二つのモデルは、それぞれ7自由度の直列ハイブリッドメカニカルアームを搭載しており、全関節に力制御機能を持たせることで、安全なヒューマンインタラクションと繊細で滑らかな操作を実現しています。

安全で精密な作業を可能にするアームと全関節力制御

ロボットのアームは、人間との共同作業やデリケートな物体を扱う際に不可欠な「力制御」機能を備えています。これにより、アームが対象物にどれくらいの力を加えているかをリアルタイムで感知し、調整することが可能になります。例えば、人間と接触した際には自動的に力を弱め、怪我を防ぐことができます。また、ガラス製品のような壊れやすいものを持ち運ぶ際にも、最適な力加減で安全に操作することが可能です。

高性能コア部品とAI制御システム

ロボットの性能を支えるのは、独自開発されたコア部品と、最先端のAI制御システムです。

高負荷・高推力を実現する独自開発の関節モジュール

チームは、トルクセンサー内蔵スイングロータリー関節と純粋なロールタイプ高精度直動関節を独自に開発しました。これにより、メカニカルアーム関節は自重わずか5kgながら5kgの負荷能力を持ち、脚部関節の最大トルクは驚異の400Nmに達します。また、直動関節はセンサーとコントローラーが深度統合されており、最大推力は10000Nを実現。これは、ロボットが重いものを持ち上げたり、力強く押したりする能力を大幅に向上させます。

繊細な指先作業を可能にする多関節ハンド

ロボットの「手」にあたる器用なハンドも二種類開発されました。一つは20関節、15のアクティブ自由度を持つ高性能ハンド。もう一つは11関節、7のアクティブ自由度を持つ軽量化ハンドです。いずれも独自の剛性腱伝達システムを採用しており、一本の指で30N以上の動的な指先力を出力できます。全てのアクティブ関節にデュアルエンコーダーとトルクセンサーが統合されており、精密な動作と柔軟な力制御能力を兼ね備えています。

AI大規模モデルがロボットの「頭脳」に

今回の成果のもう一つのハイライトは、インテリジェント制御アルゴリズムです。ハルビン工業大学が独自開発した「活字 – 日新」大規模モデルがロボットのインテリジェントハブとして採用され、ロボットは音声対話、指示理解、タスク分解能力を身につけています。

さらに、自律航法と視覚能力も統合されており、制御戦略にはモデル予測制御、全身制御、強化学習という複数のアプローチを並行して採用。これにより、複雑な環境下でもロボットは安定した動きを実現し、自律的な判断と行動が可能になっています。

まとめ

ハルビン工業大学と伯実股份の協力は、ヒューマノイドロボットの可能性を大きく広げるものです。特に、二足歩行と車輪走行という異なる移動方式を状況に応じて使い分ける「双形態デザイン」は、これまでのロボットが抱えていた適用環境の制約を打破し、非構造化環境での点検・補助作業から、屋内物流、精密サービスまで、幅広い分野での活躍を予感させます。

これらの技術は、単に中国国内に留まらず、世界のロボット技術発展に貢献する可能性を秘めています。高性能な関節やAIによる高度な判断能力は、物流、災害救助、介護など、人手不足が深刻化する日本社会においても、新たなソリューションをもたらすかもしれません。中国の研究機関と企業の連携が生み出すこの革新が、今後のロボット社会にどのような影響を与えるのか、引き続き注目していく必要がありそうです。

元記事: pcd

Photo by Kindel Media on Pexels

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