CES 2026で、ノートPC業界に大きな変革の兆しが見えました。グラフィックやAI性能、バッテリー持続時間の進化に加え、多くのメーカーが「モジュール化設計」を競争戦略の核として採用し始めています。これは、デバイスの修理コストを抑え、製品寿命を延ばしたいという消費者の切実なニーズに応えるものです。Dell、HP、Lenovoといった主要ブランドが、これまで主流だった全溶接構造から、部品を簡単に交換・アップグレードできる設計へと舵を切ることで、持続可能で経済的なPC利用の未来が現実味を帯びてきました。一体どのような変化が起きているのでしょうか?
ノートPCに「モジュール化」の波が到来
近年、スマートフォンや家電製品の多くが、故障すると修理が困難であったり、高額な修理費用がかかったりすることで、製品寿命が短くなる傾向にありました。しかし、CES 2026で明らかになったのは、この状況を大きく変えようとするノートPC業界の動きです。かつて一部のPCに見られた「モジュール化設計」が、現代の技術と結びつき、新たな形で復活を遂げようとしています。
この背景には、70%以上のユーザーが「部品の老朽化や性能不足の際に、新しいPCを購入するのではなく、部品交換で使い続けたい」と考えているというメーカー調査の結果があります。消費者からの「修理コストを抑えたい」「製品を長く使いたい」という強い要望に応える形で、主要メーカーが製品設計戦略の見直しを進めています。
主要メーカーの取り組みと具体的な事例
Lenovo ThinkPad X1 Carbon Gen 14に「スペースフレーム」技術
Lenovoの最新モデル「ThinkPad X1 Carbon Gen 14」は、このモジュール化設計の象徴とも言える存在です。同製品に採用された「スペースフレーム」技術により、ユーザーは底板やキーボードを簡単に取り外すことができ、バッテリーの交換、冷却ファンのメンテナンス、さらにはUSBポートのアップグレードまで、自分で行うことが可能になります。もちろん、メモリは依然として溶接されていますが、主要部品へのアクセスが格段に向上したことは大きな進歩と言えるでしょう。これにより、薄型軽量ボディを維持しつつ、デバイスのメンテナンス性が飛躍的に向上しています。
MSIのゲーミングノートPCも追随
ゲーミングノートPCの分野でも、画期的な動きが見られます。MSIが発表した新型モデルは、業界の慣例を打ち破り、ユーザーが自らメモリとストレージをアップグレードできる設計を採用しました。これにより、性能の陳腐化が早いゲーミングPCにおいても、一部の部品を交換するだけで長く使い続けることが可能になります。これは、「一部が故障すると全体が使えなくなる」という現在の多くの電子製品が抱える課題に対する、有効な解決策となります。
持続可能性と市場の選択
モジュール化設計は、消費者にとって長期的な使用コストの削減だけでなく、環境保護という現代の重要なテーマにも貢献します。製品寿命を延ばすことで、電子廃棄物の発生を抑制し、持続可能な社会の実現に寄与するのです。実用性とサステナビリティが融合したこのトレンドは、ノートPC業界の競争環境を大きく変えつつあります。
修理のしやすさが重要な購入基準となるにつれて、メーカーの製品設計の方向性も必然的に変化していくでしょう。最終的には、どの技術路線が市場に受け入れられるか、その成功は消費者の選択によって決まります。この新たな動きは、私たちのPCとの付き合い方を根本から変える可能性を秘めています。
まとめ
ノートPCのモジュール化設計は、単なる技術トレンドに留まらず、私たちの消費行動や環境意識にも影響を与える大きな変革です。日本市場においても、修理のしやすさや製品の長寿命化は、ユーザーにとって非常に魅力的な要素となるでしょう。メーカーは、この新しい価値観にどう応えるか、そして消費者は、これまで以上に「長く使える」製品を選ぶようになるかもしれません。今後の動向に注目が集まります。
元記事: pcd
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