北京術鍵機器人(術鍵ロボット)が、単孔手術ロボット分野で1億ドル(約150億円)のDラウンド資金調達を完了しました。この資金は、国内外での臨床応用と市場拡大、そして次世代製品の研究開発に充てられます。わずか1.8cmという微小な切開で高難度の精密手術を可能にする同社の「蛇型アーム単孔手術ロボット」は、中国発の革新的な技術として、世界の医療現場に新たな可能性をもたらすと期待されています。
革新的な単孔手術ロボットとは?
わずか1.8cmの切開で精密手術を実現
術鍵ロボットの核となる技術は、上海交通大学の徐凱(Xu Kai)教授が開発した「対偶連続体機構」という革新的な設計にあります。この設計は、従来の連続体機構が抱えていた信頼性や荷重能力の限界を効果的に解決しました。この技術から生まれたのが、わずか1.8cmの単一の微小切開から高難度の精密手術操作を可能にする「蛇型アーム単孔手術ロボット」です。
今回のラウンドのリードインベスターである正心谷資本の副総裁、張泰豪氏は次のように述べています。「外科手術の過去は単一の大切開による開腹手術であり、現在は微小侵襲の多孔手術が主流です。しかし、術鍵ロボットの『対偶連続体機構蛇型手術アーム』という世界で唯一の特許技術の登場により、従来の硬性多関節単孔手術ロボットの操作限界が打破され、外科手術はさらなる微小侵襲化へと進化を遂げます。」これにより、患者の身体的負担を大幅に軽減しながら、複雑な手術も安全かつ正確に行えるようになります。
グローバル展開と将来への展望
世界市場を視野に入れた戦略と欧州での提携
術鍵ロボットは、すでにグローバル市場を見据えた戦略を加速させています。2025年には、世界的に著名な外科医養成機関であるIRCAD(Research Institute against Digestive Cancer)と協力し、欧州臨床卓越センターを設立。これにより、世界中の外科医向けの標準化されたトレーニングシステムを構築します。
同社の単孔ロボットは、EUのCEマーク認証を「全科室・全人種群対応の単孔ロボットとして唯一」取得しており、この強みを活かしてハイエンド市場で国際的なリーディングカンパニーと競争しています。今回の資金調達の完了により、術鍵ロボットのグローバル化戦略はさらに加速し、中国発のオリジナル技術が世界中の患者に貢献することを目指します。
次世代技術への投資と患者への貢献
新たな資金は、製品の臨床応用の精密な拡張、世界初の先進的なエネルギー機器のブレークスルー、より多くの手術術式や複雑な症例における単孔ロボットの治療価値の深化に投入されます。これにより、先進技術を核とした「破壊的」な体系的ソリューションを構築し、より広範な患者への恩恵をもたらそうとしています。小児科、胸部外科、消化器外科、婦人科、頭頸部外科など、中国の主要な病院で幅広い診療科での適用が進んでおり、その可能性は今後さらに広がっていくでしょう。
まとめ
術鍵ロボットは、単孔手術という革新的なアプローチで、外科手術の未来を大きく変えようとしています。低侵襲性だけでなく、精密性と汎用性を兼ね備えたこの技術は、患者の負担を減らし、より安全で効果的な治療を提供します。今回の大型資金調達は、同社がグローバル市場でダヴィンチのような既存の多孔式ロボットと競い合い、外科手術の新たなスタンダードを確立するための強力な推進力となるでしょう。日本をはじめとする世界の医療現場にとっても、このような画期的な技術の登場は、今後の医療技術革新の方向性を示す重要な指標となるに違いありません。
元記事: pedaily
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