ゲームのトロフィー(実績)といえば、腕試しややり込みの証として多くのプレイヤーを熱中させます。しかし中には「こんなのどうやって取るんだ!?」と思わず叫びたくなるような奇妙な条件のものも存在します。今回ご紹介するのは、中国のゲームメディア「触楽(Chuapp)」のコラムで語られた、PS版『The Stanley Parable: Ultra Deluxe(スタンリーのパラブル:ウルトラデラックス)』にまつわる、まさに“怪談”とも言えるトロフィーの物語です。
「火曜日に丸一日プレイ」!?迷惑すぎるトロフィーの真実
筆者のトロフィー仲間の友人が、PS版『スタンリーのパラブル』で遭遇したのは、プレイヤーを文字通り“困惑”させるトロフィーでした。その名は「Commitment」。説明文には「Play The Stanley Parable for the entire duration of a Tuesday」(火曜日に『スタンリーのパラブル』を丸一日プレイする)とあります。たった数分の短いゲームプレイを考慮すると、これは24時間、ゲームを起動し続けることを意味します。
過去にも「放置系トロフィー」は存在しましたが、そのほとんどは数分から数十分程度。まさか24時間連続とは前代未聞です。しかも、システム時間を変更しても取得できないという情報もあり、ひたすら待ち続けるしかありません。さらに友人を追い詰めたのは、PS Plusのサブスクリプションがその火曜日で期限切れになること、そして旧正月で実家に帰省するため、PS5をつけっぱなしにできないという絶体絶命の状況でした。
ゲームが仕掛ける“解体と風刺”の哲学
この一見無意味で迷惑なトロフィーについて、筆者は「なぜこんなデザインが?」と疑問を呈します。確かに24時間もの放置は電力の無駄であり、エコの観点からも推奨されるものではありません。しかし、物語の語り手とプレイヤーの関係性を問い直すメタフィクションゲームである『スタンリーのパラブル』の文脈で考えると、このトロフィーデザインはまさに「解体(デコンストラクション)」であり、「風刺」であると解釈できます。
「Commitment(コミットメント)」というトロフィー名自体も、「責任」「義務」「献身」といった意味を持ち、プレイヤーのゲームに対する「コミットメント」を皮肉っているかのようです。ゲームシステムそのものを問い直すこのデザインは、ゲームがプレイヤーに何を求めるのか、そしてプレイヤーは何を期待するのかという根源的な問いを投げかけます。一方で、『スタンリーのパラブル』には「10年間ゲームを起動しない」という別のトロフィーもあり、こちらはシステム時間を変更して取得可能です。開発者側も、プレイヤーの忍耐の限界を無制限に試すわけではない、という一定の配慮が見え隠れします。
まさかの真相、そしてゲーマーの機転
この奇妙なトロフィーを巡る議論が白熱する中、衝撃の事実が判明します。なんと、この「火曜日に丸一日プレイ」というトロフィー、実際には「火曜日の合計プレイ時間が24時間に達すれば良い」というもので、連続である必要はなかったのです。友人からの報告に、筆者は「そんなバカな!」と憤慨しますが、友人は「開発者が意図的に誤解を招く記述をした可能性もある」と冷静に答えます。
結局、友人はPS5と連動するテレビの自動シャットダウン機能を利用し、テレビを24時間後に自動オフにする設定で、無事トロフィーを取得しました。意図せぬ形で、奇妙なトロフィーを巡る哲学的な議論は、意外な結末を迎え、最後はゲーマーの機転が勝利を収める形となりました。
まとめ
『The Stanley Parable』の「Commitment」トロフィーを巡るこのエピソードは、単なるゲームのバグや理不尽な条件の話に留まりません。ゲームデザインの意図、プレイヤーの体験、そしてゲームというメディアが問いかける哲学的な深淵を垣間見せてくれます。日本のゲーマーにとっても、このような奇妙なトロフィーは、時に困惑させながらも、忘れられないユニークな体験となることでしょう。ゲームが持つ多様な側面を改めて考えさせられる、興味深い話題でした。
元記事: chuapp
Photo by Mikhail Nilov on Pexels






