中国の高速道路で「5月1日からETCが不要になり、ナンバープレートだけで通行可能になる」という驚きのニュースが、インターネット上で大きな話題となっています。中にはETC車載器を取り外そうと準備するドライバーも現れるなど、その波紋は広がるばかり。しかし、これは専門家によって明確に否定されています。実は、交通運輸部が一部地域で試験導入を進めている「スマホ+」を活用した新たな通行技術に対する誤解が、このデマの背景にありました。既存のETCを置き換えるものではなく、利用者の利便性を高める補完的なシステムとして、どのような進化を遂げようとしているのでしょうか。
高速道路通行の新常識?中国で広まるデマの真相
最近、中国のSNSで急速に拡散されたのが、「2026年5月1日より全国の高速道路でETCが不要になり、ナンバープレートだけで無料通行できる」という情報です。この真偽不明な情報に対し、多くのドライバーが困惑し、実際にETC機器の取り外しを検討する動きまで見られました。しかし、交通運輸部の専門家は、この情報が「スマホ+無カード簡易通行技術」に関する一部の不正確な解釈に基づいたものであると明言しています。
現在、交通運輸部は江蘇省をはじめとする一部の省で「スマホ+無カード簡易通行」の試験的導入を進めており、「試行先行、着実な普及」という原則に基づいています。決して2026年5月1日に全国で一斉に導入されるものではありません。
「スマホ+」で変わる高速道路体験:カードレス通行のメリット
交通運輸部が推進するこの「スマホ+無カード簡易通行」は、高速道路の利用をよりスムーズにするための先進技術です。従来の料金所では、停車して通行券を受け取り、降りる際には再び停車して通行券を渡し、料金を支払う必要がありました。しかし、この新方式では、携帯電話のサービスとナンバープレート認識技術を組み合わせることで、これらの手間が不要になります。
具体的には、「カードなしで受け取り、カードなしで返却」という形で高速道路の通行が実現します。これにより、利用者は停車することなく料金所を通過できるようになり、通行時間の短縮と効率の大幅な向上が期待されています。
ETCはなくなる?新システム「e路暢通」が描く未来の交通網
では、「スマホ+無カード簡易通行」は既存のETCシステムを完全に置き換えるのでしょうか?交通運輸部の関係者によると、そうではありません。「スマホ+無カード簡易通行」は、現在のETCや有人料金所といった徴収方式を置き換えるものではなく、あくまでも有益な補完システムとして、長期的に併存し、共に発展していく方針です。利用者は自身のニーズに応じて、最適な徴収方式を選択できるようになります。
また、技術の推進にあたっては「三先三後」という慎重な原則が厳格に守られます。これは、「まず有人料金所、次にETC料金所」「まず乗用車、次に貨物車」「まず出口、次に入口」という順序で、技術の成熟と安定運用が確認されてから段階的に拡大していくことを意味します。最終的には、多様な料金サービスが提供される新しい交通サービス体制の構築を目指しています。
さらに、交通運輸部は全国統一の「e路暢通(e-Road Pass)」サービスポータルを加速して構築しています。これは全国のサービス総ハブとして機能し、各省のプラットフォームとのユーザーシステム連携や業務データ接続を実現します。未登録のユーザーはQRコードスキャンで料金所での通行と支払いを完了でき、登録ユーザーは「入口での自動ナンバー認識によるバー昇降、出口でのQRコード支払い」という、より高度なサービスを享受できます。「e路暢通」プラットフォームは、近く内部テストを完了し、全国のユーザーに開放される予定です。
まとめ
中国の高速道路における「ETC不要化」のデマは、新しい交通技術への期待と誤解が入り混じったものでしたが、専門家の解説によってその真相が明らかになりました。交通運輸部が推進する「スマホ+無カード簡易通行」や「e路暢通」は、既存のETCを補完しつつ、ナンバープレート認識技術とモバイル決済を融合させることで、よりスマートで効率的、そして多様な選択肢を提供する未来の高速道路システムを構築しようとしています。これは、中国が目指すスマートシティ・スマート交通社会の一端を示すものであり、今後の日本の交通システムにも示唆を与える可能性を秘めているでしょう。中国のこの先進的な取り組みから目が離せません。
元記事: gamersky
Photo by Pexels User on Pexels












