1996年、香港TVBが制作した大ヒットドラマ「西遊記」。その名作の裏側で、主演を務めたディッキー・チョン(張衛健)が、作品への並々ならぬ情熱を見せ、撮影クルーを感動させたエピソードが明かされました。過酷な「花果山」のシーン撮影中、疲弊しきったエキストラたちが撮影続行を断念しかけた時、彼はある行動に出ます。それは、まさに俳優の鑑とも言える一幕でした。
過酷を極めた「花果山」撮影現場
今からおよそ30年近く前、香港のテレビ局TVBが手掛けたドラマ版「西遊記」は、その革新的な演出とキャストの熱演でアジア全域に旋風を巻き起こしました。特に、孫悟空を演じたディッキー・チョンは、そのコミカルで人間味あふれる演技で絶大な人気を獲得しました。しかし、その輝かしい作品の裏側には、想像を絶するような過酷な撮影現場があったのです。
先日、新浪娯楽のインタビューでディッキー・チョンが明かしたところによると、1996年版「西遊記」の「花果山」のシーン撮影時、朝早くから翌日の午前3時まで、徹夜に近い長時間の撮影が続いていたといいます。特に、多くの「小猿」を演じるエキストラたちは極度の疲労に襲われ、次々と地面に倒れ込んでしまいました。その結果、撮影は中断を余儀なくされてしまいます。
主演俳優の「土下座」が現場を動かす
撮影の続行が危ぶまれ、現場に重い空気が漂う中、ディッキー・チョンは焦燥感を募らせていました。彼にとって、何よりも作品を完成させることが最優先事項だったのです。そして、彼は信じられない行動に出ました。居合わせた全てのエキストラの前で、ひざまずき、両手を合わせて深々と頭を下げたのです。「どうか、あと少しだけ持ちこたえてください。残りはあとたった一段落なんです。ここで終えれば、全体の進行に大きな影響が出てしまいます」と、彼は懇願しました。
ディッキー・チョン自身も、エキストラと同じく長時間働き、ギャラも決して高くない状況でした。しかし、彼は「俳優の基本的なプロ意識」として、目の前のシーンを完璧に撮り終えることだけを考えていたといいます。彼の真摯で誠実な姿、そして作品に対する純粋な情熱は、疲労困憊していたエキストラたちの心を強く揺さぶりました。彼らはその誠意に感動し、再び奮起して撮影を再開。見事に最後のシーンを撮り終えることができたのです。
まとめ
ディッキー・チョンのこのエピソードは、単なる撮影秘話に留まらず、プロフェッショナルとしての彼の姿勢と、作品にかける並々ならぬ情熱を浮き彫りにします。過酷な状況下でも、妥協せずに最高のものを追求するその精神は、現代のクリエイターやエンターテイナーにとっても、色褪せることのない大切なメッセージを与えてくれるでしょう。一本のドラマが多くの人々に感動を届けた裏側には、こうした熱い思いがあったことを、私たちは改めて知ることができます。
元記事: gamersky
Photo by Diego Milano on Pexels












