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中国白酒が若者争奪戦!4000億元市場をリードする山西汾酒のデジタル戦略

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中国の伝統的な蒸留酒「白酒(バイジュウ)」業界が、今、大きな変革期を迎えています。かつてはビジネスシーンや年配層の飲み物というイメージが強かった白酒が、4000億元(約8兆円)規模とも言われる若年層市場をターゲットに、大手メーカーがこぞって戦略を調整。製品革新、体験型マーケティング、そしてデジタルプラットフォームを駆使し、若者の心をつかもうと奮闘しています。特に注目されているのが、伝統的なイメージを打ち破り、若年層からの圧倒的な支持を得ている山西汾酒の成功事例です。

中国白酒業界、4000億元市場で若者争奪戦!

中国の白酒業界は、近年、若年層消費者を巡る「包囲戦」を展開しています。かつては政務やビジネスの場で消費されることが多かった白酒ですが、4000億元(約8兆円)という巨大な若年層向け酒類市場の台頭により、その戦略を大きく転換しています。

貴州茅台(Kweichow Moutai)、五糧液(Wuliangye)、そして山西汾酒(Shanxi Fenjiu)といった業界大手は、製品イノベーション、消費シーンの再構築、文化的な結びつきの強化といった手法を通じて、若者の心に根付く伝統的な白酒のイメージを打ち破ろうとしています。特に2025年上半期には、白酒業界の若年化製品への投資比率が21.1%に達し、各企業の動きが活発化しています。

大手各社の若年化戦略とは

貴州茅台は、茅台鎮で没入型の文化体験イベントを開催し、製造工程の説明や白酒文化の観光を通じて若年層の関心を引きつけています。これは、単なる製品販売に留まらず、ブランドの世界観を体験させることで、より深いエンゲージメントを狙う戦略です。

五糧液は、29度の低アルコール戦略製品「一見傾心(Yi Jian Qing Xin)」を投入。発売からわずか60日で売上高が1億元(約20億円)を突破し、若年層のアルコール離れやライトな飲酒傾向に対応した製品が市場に受け入れられたことを示しています。

そして山西汾酒は、2026年に感情消費を支援する専門ファンドを設立すると発表し、若年化への変革に資金面から資源を注入する姿勢を見せています。これらの動きは、白酒業界がこれまでの「他者に迎合する」ビジネス主導の飲酒シーンから、「自分も他人も楽しむ」という両輪駆動モデルへの転換を深く洞察していることを物語っています。

若年化戦略の旗手「山西汾酒」の挑戦

山西汾酒の若年化戦略は、2024年に打ち出された「若年化1.0」戦略に端を発します。同社の年次報告書では、若年層消費者を「業界の未来」と明確に位置づけています。

デジタルを駆使したオンライン戦略

オンラインでは、動画共有プラットフォーム「抖音(Douyin/TikTok)」で「みんな汾酒が大好き」というハッシュタグチャレンジを展開。2025年には「若者がどうやって汾酒を楽しむか」をテーマに、わずか10日間で関連動画の再生回数が14.1億回を突破する驚異的な成果を記録しました。これにより、「ジャスミン汾酒」や「ブドウ汾酒」といった数十種類の特調ドリンクが誕生し、若者の間で話題となりました。

現在、山西汾酒の抖音公式旗艦店フォロワー数は189.3万人に達し、貴州茅台(44.3万)や五糧液(153.7万)を大きく引き離しています。

オフラインでの新たな体験提供

オフラインでは、「汾・動24H」というデイカフェとナイトバーを組み合わせたポップアップストアをオープン。白酒とコーヒー、カクテルを融合させた軽やかなドリンクを提供し、伝統的な白酒のイメージを刷新する試みを行っています。

こうした一連の若年化施策は、既に具体的な成果を生み出しています。華浪研究所の「2024年若年層飲酒レポート」によると、山西汾酒は「90年代生まれが最も好む白酒ブランド」のトップに輝き、さらに「00年代生まれ」のランキングでもトップ20に入り、唯一の伝統白酒ブランドとして選出されました。また、「00年代生まれが最も好きなネット人気酒」のランキングでは、RTDカクテルの「Rio」に次ぐ2位となるなど、その影響力の大きさが伺えます。

この成果は、業界全体の状況と対照的です。2024年第3四半期には、上場白酒企業20社のうち多くの企業が減収となる中、貴州茅台と山西汾酒のみが売上高・純利益ともに前年同期比増を維持しており、山西汾酒の戦略が企業業績にも好影響を与えていることが分かります。

巨大市場での競争と未来への課題

若年層向け酒類市場の潜在力は絶大ですが、競争もまた激化しています。リースコンサルティングの報告によると、中国の潜在的な若年層飲酒人口は4.9億人に達し、市場規模は4000億元に上ります。特に社会人の若者は、毎月1,000元以上を酒類に費やしているとされています。

しかし、白酒はその多くの選択肢の一つに過ぎません。「2024年若年層飲酒レポート」によれば、若年層に最も好まれる三大ベーススピリッツはウィスキー、ジン、ラムであり、Rioカクテル、梅見(梅酒)、コロナビールなどのブランドも重要なシェアを占めています。伝統的な白酒が若年層にアピールし続けるためには、製品革新、体験の提供、そして文化的な共感の創出を継続的に行う必要があります。

現在、白酒企業の若年化への取り組みは、オンライン・オフラインの全チャネルを網羅しています。SNSでのインタラクティブな話題作り、ポップアップストアやテーマバーといった消費シーンの創出、さらにはトレンドブランドや音楽フェスとの異業種コラボレーションなど、多角的なアプローチが試みられています。

まとめ

中国白酒業界の若年化戦略は、伝統産業が新しい時代と消費者の変化にどう適応していくかを示す好事例と言えるでしょう。特に山西汾酒のデジタルマーケティングと異業種融合は、日本においても、伝統文化や製品が若年層市場を開拓する上での重要なヒントとなるはずです。単に新しい製品を出すだけでなく、若者のライフスタイルや価値観に寄り添った体験を提供し、デジタルネイティブ世代との接点を増やすことが、未来の市場を掴む鍵となります。

元記事: pcd

Photo by cottonbro studio on Pexels

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