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中国家電業界、2025年Q3決算が示す二極化と成長戦略の行方

Chinese smart home appliances Business strategy meeting - 中国家電業界、2025年Q3決算が示す二極化と成長戦略の行方

中国のA株市場に上場する家電企業102社の2025年第3四半期決算が発表され、業界全体の売上高は1.3兆元(約27.3兆円)を突破、純利益は1,018.14億元(約2.1兆円)に達し、それぞれ前年同期比7.33%増、10.17%増と堅調な成長を見せました。しかし、この好調な数字の裏側では、企業間の二極化が鮮明になっています。美的集団、ハイアール智家、格力電器といった大手企業が引き続き業界を牽引する一方で、中小企業は原材料費の高騰と消費需要の多様化という二重のプレッシャーに直面し、収益性が圧迫されています。本記事では、中国家電業界の最新動向を深掘りし、成長の光と影、そして今後の展望を日本の読者の皆様にお届けします。

中国家電業界、堅調な全体成長と鮮明な二極化

2025年第3四半期、中国のA株市場に上場する家電企業102社の財務データが明らかになりました。業界全体では、売上高が1.3兆元(約27.3兆円)、純利益は1,018.14億元(約2.1兆円)を記録し、それぞれ前年同期比7.33%増、10.17%増と堅調な成長を維持しています。しかし、その内実を見ると、企業間の業績格差が顕著になっています。

大手企業が市場を牽引

売上高の面では、美的集団(Midea Group)ハイアール智家(Haier Smart Home)格力電器(Gree Electric Appliances)の3社が引き続き業界トップ3の座を占め、第3四半期までの累計売上高はそれぞれ3,647.16億元(約7.6兆円)、2,340.54億元(約4.9兆円)、1,376.54億元(約2.8兆円)に達しました。これに続き、四川長虹(Sichuan Changhong)やハイセンス家電(Hisense Home Appliances)も500億元(約1兆円)を超える売上規模を誇ります。

成長率で見ると、同洲電子(Tongzhou Electronics)が売上高前年同期比176.75%増を達成し、業界をリードしました。石動科技(Roborock)、三星新材(Samsung Advanced Materials)など6社も売上高50%以上の高い成長を記録しています。

第3四半期単体で見ても、美的集団の売上高は1,100億元(約2.3兆円)を突破。ハイアール智家、格力電器、四川長虹もそれぞれ300億元(約6,300億円)を超える売上を上げており、主要企業の勢いは衰えていません。

利益構造の明暗と粗利率の圧力

利益面でも、業界内の二極化は明確です。一部の企業が莫大な利益を上げる一方で、赤字に転落する企業も少なくありません。

利益の二極化

第3四半期までの累計純利益では、美的集団、格力電器、ハイアール智家の3社がいずれも100億元(約2,100億円)を超える純利益を計上し、「第一梯団(トップ層)」を形成しています。しかし、その一方で深康佳A(Shenzhen Konka Group A)、火星人(Mars Kitchen)など12社が赤字に陥り、うち3社は1.5億元(約31.5億円)以上の大幅な赤字を計上しました。

利益成長率では、同洲電子、恵而浦(Whirlpool China)が前年同期比400%を超える驚異的な伸びを見せました。しかし、立達信(Leetac)や徳昌股份(Dechang Co., Ltd.)など10社は利益が20%以上減少しており、厳しい状況に直面しています。第3四半期単体では、科沃斯(Ecovacs Robotics)や四川長虹などが利益成長率500%を突破する目覚ましい活躍を見せた一方、深康佳Aは5億元(約105億円)を超える赤字を計上しています。

業界全体の粗利率低下

粗利率の指標は、業界全体がプレッシャーにさらされていることを示しています。102社全体の第3四半期までの平均粗利率は24.51%で、前年同期比1.16ポイント低下しました。中央値も21.55%と1.35ポイントの低下です。第3四半期単体ではさらに平均粗利率が23.73%、中央値が20.47%へと下がっており、競争激化と原材料コストの上昇が収益性を圧迫している実態が浮き彫りになっています。

個別企業では、倍軽松(Bei Qingsong)が62.1%の粗利率でトップを維持し、海洋王(Ocean King)、飛科電器(Flyco)も57%を超える高い粗利率を誇ります。しかし、40社以上の企業の粗利率が30%未満にとどまっています。粗利率の変動を見ると、同洲電子、融捷健康(Rongjie Health)など4社が前年同期比4ポイント以上の改善を見せた一方で、億田智能(Yitian Intelligent)、宝海科技(Bao Hai Technology)など4社は10ポイント以上も粗利率を落としています。

業界の課題と今後の展望:競争激化への対応

業界アナリストは、中国家電業界において「ヘッドエフェクト(上位集中効果)」が今後も強化され続けると指摘しています。大手企業は、その規模の優位性と継続的な技術革新によって市場での地位をさらに強固なものにしていくでしょう。一方、中小企業は原材料コストの変動と消費需要の多様化という二重のプレッシャーに挟まれ、収益空間が圧迫される状況が続くと見られています。

粗利率の全体的な低下は、業界全体の競争が激化していることを如実に物語っています。企業は、製品のアップグレードと運営効率の向上を通じて、これらの課題に対応していく必要があります。具体的には、高付加価値製品へのシフトや、サプライチェーンの最適化、スマート化・IoT技術の導入などが挙げられます。

中国家電市場のダイナミズムは、日本のメーカーにとっても競争環境の変化や新たなビジネスチャンスを考える上で重要な参考となります。特に、デジタル家電・IoT分野では、中国市場での激しい競争が、今後のグローバルなトレンドを形成する可能性を秘めているため、引き続きその動向を注視していくことが重要です。

元記事: pcd

Photo by Tima Miroshnichenko on Pexels

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