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中国IPO審査が異例の加速!週7社上場で製造業に活況

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中国の資本市場が活況を呈しています。特にIPO(新規株式公開)審査のペースが大幅に加速し、12月8日から12日のわずか1週間で、過去最多となる7社が上場審査に挑むことが発表されました。この動きは、中国経済の回復と産業構造の変化を映し出しており、製造業企業がその中心を担っている点が注目されます。今回は、この異例のIPOブームの詳細と、その背景にある中国の産業戦略、そして「先配当・後増資」という興味深い現象について深掘りします。

中国IPO審査が異例の加速!週7社上場の背景

最近、中国のIPO審査のテンポが著しく加速しており、上海、深圳、北京の三大取引所で密度の高い上場シーズンを迎えています。特に注目すべきは、12月8日から12日の期間に合計7社が初回のIPO審査を受ける予定であることです。これは、今年単独週での審査数としては過去最高を記録し、これまでの単週最高記録である5社を大きく上回るペースで、審査効率の向上が鮮明に表れています。

今回の7社は、上海証券取引所に2社、深圳証券取引所に2社、北京証券取引所に3社と分散しており、幅広い市場が活発に動いていることが伺えます。具体的には、12月9日には機能性樹脂・コーティング材料の開発・生産を手掛ける「慧谷新素材」が創業板(ChiNext、中国の新興企業向け市場)のIPO審査に挑みます。続いて12月11日には、包装用紙製品の「林平発展」と、北京証券取引所を目指す「悦龍科技」が同時に審査を受けます。

そして、12月12日は今週の審査ピークとなり、「宝明電子」「有研複合材」「原力デジタル」「美亜科技」の4社が同時に上場審査に臨みます。特に「原力デジタル」は、2021年6月にも創業板上場を申請しながら2022年5月に自ら申請を取り下げた経緯があり、今回が2度目の挑戦となる点が注目されます。

製造業が牽引するIPOブーム:その戦略的意義とは?

今回審査を受ける7社のうち、驚くべきことに5社が製造業に属しています。具体的には、「慧谷新素材」や「林平発展」、「宝明電子」、「有研複合材」、「悦龍科技」がこれに該当します。「美亜科技」はリース・ビジネスサービス業、「原力デジタル」は情報伝達・ソフトウェア・情報技術サービス業です。製造業企業の集中上場は、中国資本市場が産業の高度化を支援する明確な論理を示しています。

ビジネス戦略専門家の霍虹宇氏は、製造業企業には技術的な障壁が存在する一方で、産業チェーンの弱点を補完する潜在力があることを指摘しています。しかし、研究開発や生産拡大には巨額の資金が必要となるため、資本市場からの資金調達がその中核的なパイプ役となるのです。現在の監督当局も、産業競争力のある企業の上場をより積極的に推進し、産業チェーンの強靭性を強化しようとする姿勢を鮮明にしています。

巨額の資金調達と「先配当・後増資」問題

資金調達規模を見ると、「宝明電子」が約19.51億元(日本円で約400億円※)という巨額の調達を計画し、7社の中でトップに立っています。同社は新型電子部品の研究開発・生産を手掛けており、集めた資金は高容量パルスコンデンサの産業化や新型電子部品・集積回路生産など8つのプロジェクトに充当される予定で、そのうち4.5億元(約92億円※)は運転資金の補填に充てられます。「林平発展」も約12億元(約246億円※)の調達を予定しており、包装用紙生産ラインのアップグレードや環境保護プロジェクトに投じる計画です。

ここで注目すべきは、「先配当・後増資」と呼ばれる現象です。これは、企業が過去に高額な配当を行ったにもかかわらず、今回のIPOで運転資金の補填を計画しているケースを指します。「慧谷新素材」「宝明電子」「有研複合材」の3社は、まさにこのパターンに該当します。例えば、「慧谷新素材」は2022年から2025年上半期にかけて累計8220.41万元(約1.68億円※)を配当したにもかかわらず、2.5億元(約51億円※)の運転資金補填を計画しています。これは、資本市場関係者から「自前の資金があるのに、なぜ市場から資金を調達するのか」という疑問を呈されることがあり、監督当局もこの現象に高い関心を寄せています。資金の合理的な使用が問われるポイントです。

※1元=約20.5円で計算(2023年12月時点)

まとめ

中国のIPO審査の加速と製造業企業の集中上場は、中国経済が成長モデルを転換し、よりハイテクで付加価値の高い産業へとシフトしようとしている明確なシグナルと言えるでしょう。特に製造業への資本市場からの強力な支援は、グローバルサプライチェーンにおける中国の競争力強化を目指す動きと深く結びついています。

一方で、「先配当・後増資」のような現象は、企業の資金運用やガバナンスに対する資本市場と監督当局の厳しい目が向けられていることを示唆しています。日本の企業や投資家にとっても、中国の資本市場の動向は、今後のサプライチェーン戦略や投資判断に影響を与える重要な要素となるでしょう。中国の産業構造の変化を注視し、その背景にある戦略を理解することが、国際的なビジネスにおいてますます重要になると言えます。

元記事: pcd

Photo by jason hu on Pexels

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