中国の製紙業界で、上流の廃紙価格高騰を背景に、原紙市場が新たな値上げの波を迎えています。これにより、下流の紙板工場や包装工場は大きな影響を受けています。年末商戦や春節前の準備で紙製品の需要がピークを迎える中、関連企業の生産状況はどうなっているのでしょうか?現地の取材から見えてきたのは、コスト圧力に直面しながらも、繁忙期の旺盛な需要に支えられ、多くの企業がフル稼働を維持している実態です。
中国製紙業界に迫るコスト高の波
最近、中国では上流の廃紙価格が上昇し、これが原紙市場全体の値上げトレンドを引き起こしています。産業チェーンの下流にあたる紙板工場や包装工場も、この影響を避けられません。年末にかけての伝統的な紙需要の繁忙期が到来する中、各企業の生産状況はどうなっているのでしょうか。記者が河北省廊坊市にある複数の企業を詳しく調査しました。
廊坊三泰紙業の生産現場では、包装紙と紙箱の生産ラインがともにフル稼働状態で稼働していました。同社の程伝雨総経理は記者に対し、上流サプライヤーから届いた複数の値上げ通知書を見せながら、原紙価格が軒並み20%から30%上昇している現状を説明しました。このようなコスト圧力に対し、企業は包装紙の価格を10%から15%引き上げることで対応していますが、同時に自社の利益幅を圧縮し、市場での競争力を維持しようと努めています。「現在のところ、受注量は十分で、生産能力の稼働率は高水準を保っており、一時的な減産計画はありません」と程総経理は語りました。
市場モニタリングデータによると、11月24日時点で、国内の段ボール原紙の1日平均価格は3213元/トン(約6万6000円)に達し、前年比で17.65%上昇しています。また、カートンボードの1日平均価格も3889元/トン(約8万円)となり、前年比6.86%上昇しています。
利益は上流へ、下流企業は厳しい価格交渉に
業界アナリストは、今回の値上げ局面において、上流の廃紙回収部門が資源の掌握という優位性を背景に主導的な地位を占めていると指摘します。一方で、下流の包装企業は需要が比較的堅調であるにもかかわらず、価格交渉力が相対的に弱く、結果として利益が産業チェーンの上流へと継続的にシフトしている状況です。
卓創資訊のアナリスト徐玲氏は、短期的には紙価格が依然として上昇圧力を抱えるものの、上昇幅は徐々に縮小するとの見方を示しています。現在、製紙工場の在庫は低水準にあり、供給面での圧力は小さいです。また、春節前の在庫補充需要が本格化しており、12月には新たな受注のピークが予想されています。しかし、徐氏は同時に、値上げの連鎖が最終消費者に伝播するにつれて、包装企業のコスト圧力は蓄積し続け、一部の中小企業は経営困難に直面する可能性があると警鐘を鳴らしています。
日本市場への示唆と今後の展望
中国の製紙・包装業界における原材料価格高騰とサプライチェーンの変化は、日本を含むグローバルな市場にも間接的な影響を与える可能性があります。特に、国際的な包装資材の価格変動や、サプライチェーンの混乱が生じる可能性も視野に入れる必要があるでしょう。中国国内の旺盛な需要が価格を押し上げる一方で、コスト転嫁の難しさから生じる企業の利益圧縮は、ビジネスモデルの変革や効率化を強く促す動きと言えます。日本企業も、原材料の調達戦略やサプライヤーとの連携において、こうした動向を注視し、リスク管理と機会創出の両面から戦略を練る時期に来ていると言えるでしょう。
元記事: pcd












