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中国火鍋大手「海底撈(Haidilao)」がまさかの高級路線へ!客単価1万円超の「臻選店」に隠された狙いとは?

Luxury hotpot Upscale Chinese dining - 中国火鍋大手「海底撈(Haidilao)」がまさかの高級路線へ!客単価1万円超の「臻選店」に隠された狙いとは?

中国を代表する火鍋チェーン「海底撈(Haidilao)」と聞いて、多くの方が想像するのは、あの手厚いサービスと中価格帯の賑やかな店舗ではないでしょうか。しかし今、その常識を覆すような驚きのニュースが飛び込んできました。なんとHaidilaoが、客単価1万円を超える「高級路線」の店舗を北京で試験運用を開始したというのです。低価格帯への参入がトレンドとなる中で、まさかの逆張り戦略。一体、Haidilaoは何を企んでいるのでしょうか。その大胆な挑戦の背景にある狙いと、中国外食産業の最新トレンドを探ります。

中価格帯の常識を覆す!海底撈の新たな挑戦「臻選店」とは?

これまでHaidilaoは、お手頃ながらも高品質なサービスを提供する「中価格帯火鍋」の代表格として、多くの人々に親しまれてきました。しかし、今回注目されている北京国貿地区の漢威大厦にオープンした初の「海底撈臻選店(Haidilao Select)」は、従来のHaidilaoのイメージとは大きくかけ離れた存在です。

既存イメージを覆す高級感とサービス

臻選店を訪れると、まずその雰囲気に驚かされます。お馴染みの赤いエプロンや腕章をつけた店員はいませんし、目を引くような派手な装飾も、賑やかなウェイティングエリアも見当たりません。一言で言えば「Haidilaoらしさ」がありません。店内は2フロア構成で、9つの独立した個室と10数個のテーブル席が配置され、さらに専用の茶室やバーカウンターまで備えられています。

サービスもまた、従来のHaidilaoとは一線を画します。お客様はほとんど自分では調理せず、サービススタッフや場合によってはシェフが直接料理を鍋に入れ、調理してくれます。通常のHaidilaoで人気の自助小料台(セルフ式の調味料バー)もなく、その代わりとして、サービス料が10%〜15%別途徴収されます。

メニューと客単価の大胆な転換

そして最大の違いはメニューにあります。Haidilaoの看板である四川風の辛い鍋はなく、金湯花膠鶏鍋(鶏と魚の浮袋の金スープ鍋)ボストンロブスター湯鍋マカオ豚骨鶏足鍋鶏煲翅鍋(フカヒレ入り鶏鍋)など、広東料理のテイストをベースとした鍋が中心です。さらに、高級レストランらしく、オーストラリアンロブスター、カナディアンホッキ貝、アラスカンキングクラブ、生け簀で泳ぐ高級魚など、新鮮なシーフードを客が直接選べる養殖エリアも設けられています。

入店は完全予約制で、客単価はなんと500元(約1万円)以上と、従来のHaidilaoの数倍に跳ね上がります。

なぜ今、高級路線に舵を切るのか?海底撈の多角化戦略

多くの飲食ブランドが価格を引き下げ、地方や低所得者層向けの「下沈市場」に目を向ける中で、Haidilaoのこの逆張りとも言える戦略は非常に意外に映ります。一体、その背景にはどのような狙いがあるのでしょうか?

「低価格」と「高級」の二刀流戦略

一見すると突拍子もないように思える高級市場への参入ですが、これはHaidilaoの多角化戦略の自然な流れと捉えることができます。市場競争が激化し、単一のブランドや商品ラインだけでは全ての消費者ニーズを満たしきれない時代において、Haidilaoは「二本足で歩む」戦略を採用しています。

例えば、わずか9.9元(約200円)の「小嗨火鍋」を投入して価格に敏感な大衆消費者をターゲットにする一方で、高級市場にも参入し、質の高い体験に価値を見出し、プレミアム価格を支払うことに抵抗のない富裕層を取り込もうとしているのです。

ブランド力強化と高付加価値層へのアプローチ

高級市場への進出は、Haidilaoがブランド競争力を高め、収益性を強化するための重要な道筋でもあります。大衆火鍋市場で盤石な地位を築いたとはいえ、業界全体の競争激化と均質化により、利益率が圧迫され、単純な規模拡大だけでは成長の限界が見え始めています。

一方で、高級飲食市場は参入障壁が高く、運営も複雑ですが、客単価が高く、利益率が大きく、顧客ロイヤルティも強いという特徴があります。高級ブランドを構築することで、Haidilaoは全体のブランドイメージを向上させ、消費能力が高く、サービス品質や食事環境、食材基準により高い要求を持つ高付加価値層を惹きつけることができるのです。これはブランドのプレミアム性を測る試金石でもあります。さらに、高級市場での成功は、メインブランドのHaidilaoにも好影響を与え、「サービスの最高峰」という認識を強め、中高級市場での交渉力とブランド力を高める効果が期待できます。

高級路線はどこまで?海底撈のビジネスモデルと今後の展望

Haidilaoの高級化戦略は戦略的な意味を持つ一方で、それが同社の主流事業となる可能性は低いでしょう。その理由は、Haidilaoの核となる競争力が、「標準化された、プロセス化された、再現性の高いサービス」という点にあるからです。

標準化ビジネスモデルとの葛藤

Haidilaoは創業当初から「再現可能な究極のサービス」で知られ、複雑なサービスプロセスをモジュール化・システム化し、厳格なトレーニングとデジタル管理を通じて、大規模かつ迅速な店舗展開を実現してきました。この「工業化された飲食業」とも言えるモデルは、大規模展開においてもサービスの品質を維持する基盤となっています。しかし、高級飲食は「個性化」「カスタマイズ」「唯一無二の体験」を重視する傾向が強く、シェフの創造性、希少な食材、プライベートな空間、非標準的なサービスに依存するため、大規模な標準化は困難です。

Haidilaoの標準化システムを高級レストランに無理に適用すれば「高級感」が損なわれる可能性があり、かといって自由な発展をさせればHaidilaoの核となる強みから逸脱してしまいます。そのため、高級路線は「試験的プロジェクト」や「ニッチなブランド」として存在し、ブランド探索やイメージ向上を目的とした「実験場」に留まる可能性が高いと見られています。

主流は「コスパ」?海底撈の描く未来

長期的には、Haidilaoが多様な業態を試すのは必然の選択と言えるでしょう。消費者のニーズが多様化する中で、単一のビジネスモデルだけでは市場の要求に応えきれません。しかし、依然として主流の消費トレンドは「コストパフォーマンス(コスパ)」を追求する方向にあります。

経済の発展と消費者の価値観の変化に伴い、より多くの人々が商品のコスパと実用性を重視するようになっています。このような状況下で、Haidilaoは自社の核となる競争力、すなわち「標準化された運営モデルによる効率的な管理と高品質なサービス」を明確にする必要があります。これこそが、激しい市場競争の中でHaidilaoが「堀」を築き、持続的な成長を遂げるための鍵となるでしょう。

元記事: 36氪_让一部分人先看到未来

Photo by Craig Adderley on Pexels

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