中国で絶大な人気を誇るボディケアブランド「半畝花田(バンムーフアティエン)」の親会社である「山東花物堂化粧品股フェン有限公司」(以下、花物堂)が、香港証券取引所メインボードへの上場申請を正式に提出しました。独占引受は中信証券(CITIC証券)が務めます。花物堂は、ボディミルクやボディスクラブ、洗顔ムースといった製品で、中国のパーソナルケア市場において確固たる地位を築いています。今回のIPOで調達される資金は、チャネル開発、マーケティング、ブランド構築、研究開発の強化、グローバル人材の獲得、デジタル化インフラの強化などに充てられる予定です。IPO申請に先立ち、2回にわたる大型資金調達も完了しており、その成長戦略と国際展開への期待が高まっています。
中国人気コスメ「半畝花田」の軌跡と成長戦略
花物堂は2010年に設立され、本社はバラの栽培で有名な山東省済南市平陰県に位置しています。古くは唐の時代からバラ栽培の歴史を持つこの地の豊かなバラ資源を活用し、傘下ブランド「半畝花田」では「花植研究」を核として、バラ水や牡丹種子油といった天然成分を製品に配合してきました。そのブランド理念は「花で肌を喜ばせる」というものです。
主力製品の成功と多角化
「半畝花田」は2025年9月30日時点で、ボディ、ヘア、フェイスケアの3つの主要領域をカバーする509のコアSKU(最小在庫管理単位)を展開しています。特に2015年に発売されたボディスクラブは、同日までに累計約3,770万本を販売し、中国のボディスクラブ市場における重要なブランドとしての地位を確立しました。また、2012年発売のボディミルク製品ラインも、同時期までに累計約5,690万本を販売しており、ボディケア分野でのブランドの地位をさらに盤石なものにしています。
近年、「半畝花田」は「生花エッセンスシリーズ」シャンプーや「米麹アミノ酸洗顔ムース」などの製品を投入することで、ヘアケアおよびフェイスケア製品カテゴリーへの事業拡大にも成功しました。2025年第3四半期には、ヘアケア製品の売上が4.82億元(前年同期比496.1%増)に達し、第二の成長エンジンとなっています。フェイスケア製品の売上も4.63億元を記録しており、「ビッグシングルアイテム+フルカテゴリー」戦略を通じて、単一のスター製品から多様な製品ポートフォリオへと転換を図っています。これは、パーソナルケア市場が「高機能化」「細分化」へと移行する中で、同社の強みとなっています。
中国パーソナルケア市場の活況と大型資金調達
市場成長と「半畝花田」のチャンス
フロスト&サリバンのデータによると、中国のスキンケアおよびパーソナルケア市場規模は、2019年の5,781億元から2024年には7,159億元へと成長し、年平均成長率は4.4%に達しています。さらに、2024年から2029年にかけては年平均6.5%の成長が見込まれています。このような活況を呈する市場トレンドが、「半畝花田」の事業拡大に大きな機会を提供し、多くの投資家の関心を引きつけています。
IPO直前の連続資金調達
花物堂はIPO申請の1ヶ月以内に、立て続けに2回の資金調達ラウンドを完了しました。2026年1月には、Aラウンドで1.99億元の資金を調達。投資家には、宿遷華泰産発科技股権投資基金、南京華泰鳳凰股権投資母基金、可承資本管理傘下のDiscounter Seed HK Investment Limited、丸美生物傘下の青島茂達創業投資合伙企業、源飛ペット傘下の温州源飛翼展創業投資合伙企業などが名を連ねました。
その後行われたA+ラウンドの資金調達では、上海房角石管理咨詢有限公司が499.99万元を出資して新規株式を取得。著名な投資家である林清軒(中国の天然スキンケアブランド)の参入は、このセクターへの注目度の高さを改めて示しています。
目論見書最終提出日時点での花物堂の株式構造は集中型です。創業者である尹雲吉氏が直接25.70%を保有し筆頭株主であり、妻の商西梅氏と共同で支配する珠海古沢が21.44%を保有する第2位の株主です。支配株主グループは、直接的および間接的な方法で会社の議決権の合計85.03%を保有しています。
まとめ:成長を加速する「半畝花田」の未来
中国のパーソナルケア市場で着実に成長を遂げてきた「半畝花田」の親会社である花物堂が、香港でのIPOを目指すことは、その国際的なブランド力強化と事業拡大への強い意欲を示しています。今回のIPOとそれに先立つ大型資金調達は、グローバル市場での競争力を一層高め、研究開発能力の強化やデジタル化推進を通じて、さらなる成長を加速させる基盤となるでしょう。中国発のコスメブランドが世界の舞台でどのように進化していくのか、今後の動向に注目が集まります。
元記事: pcd











