中国の巨大EC企業である京東(JD.com)が、一線級の従業員向けに手頃な価格の住居を提供する「小哥之家」(シャオグァー・ジー・ジャー)プロジェクトを成都市で正式に開始しました。地方政府と連携し、既存の保障性住宅を活用することで、配達員や倉庫作業員といった現場で働く従業員が、周辺相場の半額以下という破格の家賃で、家具家電付きの住居に「手ぶらで入居」できるようになります。これは中国テック企業が従業員福祉をいかに重視し、社会貢献を果たすかを示す新たなモデルとして、大きな注目を集めています。
中国EC大手「京東(JD.com)」、配達員向け住宅「小哥之家」を成都で始動
最近、京東の「小哥之家」が成都市金牛区の木龍湾コミュニティに正式にオープンしました。これは京東と成都市政府が協力し、既存の保障性住宅(政府が供給する低所得者向け住宅)を利用して建設された、成都初の京東「小哥之家」です。このプロジェクトは、配達員(中国では「小哥」と呼ばれることが多い)、フルタイムドライバー、倉庫作業員など、京東のサプライチェーンを支える一線級従業員向けに、100戸以上の住居を提供します。
今回提供される住居は全て35平方メートルのワンルームタイプで、一人での単身入居、または二人での共同入居が可能です。特筆すべきはその家賃で、周辺地域の同タイプ物件と比較して50%以上も安い価格設定となっています。また、家具や家電も完備される予定で、入居者は文字通り「手ぶら」で新生活を始めることができます。年内には正式な入居が開始される見込みです。
このプロジェクトの立地は非常に優れており、周辺の京東の配送ステーションに近く、配達員が通勤しやすいだけでなく、京東アジアNo.1成都新都物流パークからも車でわずか15分の距離にあります。将来的には、倉庫作業員の通勤をさらに便利にするため、専用の公共バス路線も開通する予定です。
官民連携で実現する新たな従業員福利厚生モデル
今回の取り組みは、政府と企業が協力する革新的な探求であり、既存の保障性住宅資源を活用して多様な住居保障モデルを構築するものです。これにより、異なる職種や年齢層の一線級従業員の住居ニーズに対応し、段階的な住居保障から柔軟な共同賃貸オプションまで、地域の状況に合わせて住居問題を解決し、従業員の居住コストを大幅に削減します。
京東は以前から一線級従業員の住居保障に力を入れており、これまでに全国で2.8万戸の住居を提供してきました。直近3ヶ月間だけでも、北京、武漢、成都などの都市で「小哥之家」が次々と開設されています。
京東の野望:220億元投資で15万戸の「小哥之家」を建設へ
京東は、今後5年間で220億元(日本円で約4,700億円相当)を投じ、15万戸の「小哥之家」を建設する計画を発表しています。これにより、より多くの現場従業員が低家賃、あるいは場合によってはゼロ家賃で、充実した設備が整った住居に住むことを可能にし、「安居楽業」(安心して働き、生活する)という目標を真に実現することを目指しています。
この大規模な投資計画は、中国のデジタル経済を支える労働者たちの生活基盤を安定させ、彼らが安心して仕事に集中できる環境を整えるという京東の強い意思を示しています。労働者の待遇改善と社会貢献を両立させるこの取り組みは、日本の物流・配達業界が直面する人材確保や労働環境改善の課題に対し、新たな示唆を与える可能性を秘めていると言えるでしょう。
元記事: gamersky
Photo by Francisco Ferreira on Pexels












