中国発の革新的な自動運転企業「九識智能(Jushi Zhineng)」が、L4レベルの無人貨物車「RoboVan」事業で、アント・グループ(Ant Group)主導による1億米ドルのB4ラウンド資金調達を成功させました。これにより、Bラウンド全体での累計資金調達額は4億米ドルに達し、今年の中国テクノロジー市場における最大級の投資案件の一つとして注目されています。
この巨額の資金は、技術開発のさらなる加速、グローバル市場への拡大、そして日本の物流業界にも影響を与える可能性を秘めています。ラストワンマイル配送の課題を解決し、よりスマートで効率的な物流ネットワークを構築しようとする九識智能の挑戦に迫ります。
中国L4無人貨物車「RoboVan」の先駆者、九識智能が巨額調達
2025年10月21日の投資界(pedaily2012)の報道によると、グローバルL4 RoboVanのパイオニアである九識智能(Jushi Zhineng)が、1億米ドルのB4ラウンド資金調達を完了したと発表しました。この資金調達は、中国の巨大テック企業アント・グループ(Ant Group)が主導し、藍湖資本(Blue Lake Capital)やBV百度風投(BV Baidu Ventures)などの既存株主も追加投資を行っています。
今回のB4ラウンドを含め、九識智能のBラウンドにおける累計資金調達額は合計4億米ドルに達しました。これは、今年の中国市場におけるテクノロジー企業への投資としては最大級の一つであり、グローバルなL4レベル無人運転分野において画期的な出来事として注目されています。
九識智能は、世界でも早期から無人運転技術の研究開発に取り組んできたチームの一つであり、都市の一般道路を走行可能な中大型無人貨物車を世界で初めて開発し、L4 RoboVanという新たな無人運転領域を切り開きました。同社はこれまで、大容量、高積載量、冷蔵輸送など、様々な用途に対応するRoboVanシリーズを展開し、速達・クイックデリバリー、小売、生鮮食品・飲食、産業物流といった多様な都市配送ニーズに応えてきました。
技術革新とグローバル展開を加速する戦略
今回の資金調達を受け、九識智能は無人運転技術の研究開発への投資をさらに強化する方針です。具体的には、製品の反復開発、サプライチェーンの自律的な制御能力の強化、グローバル市場への展開加速、顧客サービスシステムの向上などに注力し、よりスマートで効率的、かつ環境に優しい無人貨物輸送ネットワークの構築を目指しています。
製品開発のロードマップを見ると、九識智能は既に革新的な取り組みを進めています。2023年5月には、世界初のL4 RoboVan量産モデル「Z5シリーズ」(5m³以上の中大型無人貨物車)を発表。さらに、2025年5月には新シリーズ「Eシリーズ」のE6モデルを、同年8月にはより高積載量で充電効率の高い「Lシリーズ」の5立方メートルモデルを投入するなど、継続的な製品進化を遂げています。
日本市場にも進出!ラストワンマイル物流の未来
九識智能は、中国国内で約400の販売代理店と200以上のサービスプロバイダーからなる広範なネットワークを構築し、200以上の都市で常態的な運営を展開。物流ハブだけでなく、チベット山南や四川涼山、甘粛隴南といった僻地にも進出し、物流における「ラスト10キロメートル」の課題解決に貢献しています。
注目すべきは、同社のグローバル展開です。現在、九識智能の製品はシンガポール、マレーシア、日本、韓国、アラブ首長国連邦、オーストリアなど10以上の国と地域で導入されており、年末までに海外で1,000台以上の車両が配備される見込みです。これは、日本の物流業界においても、ラストワンマイル配送や人手不足といった課題に対する新たなソリューションとして、L4無人貨物車が本格的に導入される可能性を示唆しています。
同社は、速達・クイックデリバリー分野の主要顧客において圧倒的な市場シェアを占めるほか、国薬器械(医療用コールドチェーン)、佳通轮胎(産業物流)、新希望(生鮮スーパー)、牧原股份(農業サプライチェーン)など、各垂直産業の主要企業とも深いつながりを築いています。
まとめ
中国の九識智能による巨額の資金調達は、グローバルな無人運転技術の進化と、その社会実装が急速に進んでいることを明確に示しています。特に、都市部や僻地での物流課題解決に特化したL4 RoboVanは、eコマースの拡大や労働力不足が深刻化する日本にとっても、極めて有望な技術となり得ます。
アント・グループの強力な支援を受け、研究開発とグローバル展開を加速させる九識智能の動向は、今後の世界の物流DX(デジタルトランスフォーメーション)を占う上で目が離せません。日本におけるRoboVanの本格的な普及は、まだ始まったばかりかもしれませんが、この技術が私たちの生活やビジネスにもたらす変革に大いに期待が寄せられます。
元記事: pedaily
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