中国のモバイルバッテリー大手「ROMOSS(羅馬仕)」が、昨年発生した爆発事故とそれに続く大規模リコール、そして工場閉鎖という経営危機を乗り越え、大胆な「再生計画」を始動しました。2026年第1四半期までの資金調達と事業再編完了を目指し、同時に製品の信頼性を証明する新たな中国強制認証(CCC認証)の再取得を目標としています。この動きは、中国製品の安全基準向上に一石を投じるとともに、中国政府が発表したCCC認証マークへのQRコード導入という新たなトレーサビリティ制度とも密接に関わってきます。日本市場にも影響を与えうる、中国テック企業の挑戦と品質管理の変化に注目しましょう。
ROMOSS、爆発事故から“再生計画”を始動
ROMOSSは昨年6月、モバイルバッテリーの爆発事故が相次ぎ、49万台以上にも及ぶ大規模なリコールを実施しました。これに伴い、製品の3C認証(中国強制認証)が一時停止され、7月には工場の一時閉鎖を余儀なくされるなど、会社は存続の危機に瀕していました。
しかし、本日付の報道によると、ROMOSSは内部で「再生計画」と呼ばれる大規模な再編プロジェクトを立ち上げているとのことです。この計画では、2026年第1四半期中に資金導入と事業再編を完了させ、これと並行して新たな3C認証を再取得し、製品の販売体制を全面的に復旧させることを目指しています。
情報筋によれば、ROMOSSは既に紅杉資本(Sequoia Capital China)や金沙江創投(GSR Ventures)といった著名な投資機関と協議を開始しており、一部の機関からは投資意向が示されています。また、複数のサプライヤーに対しては、債務の株式化(デット・エクイティ・スワップ)による解決策を提案し、企業が利益を上げた際には段階的に債務を清算していくことを約束している模様です。
中国の新CCC認証制度:トレーサビリティQRコード導入へ
ROMOSSの再生計画と時を同じくして、中国の製品安全に関する新たな動きも見られます。昨年12月、中国の市場監督管理総局(国家認監委)は、モバイルバッテリー、ガス燃焼器具、電動自転車を含む3種類の高リスク製品に対し、CCC認証マークに「トレーサビリティQRコード」を導入する試行改革を発表しました。
この新しいCCC認証マークは、従来のマークの右側にQRコードが付加され、認証機関が認証書発行時に企業に無償で提供されます。このQRコードをスキャンすることで、「認証製品—生産企業—認証書—発行機関」といった情報のデータチェーンが構築され、消費者は製品がCCC認証を取得しているか、認証の状態は有効か、生産者や製品の型番、発行機関名といった重要な情報をワンタップで確認できるようになります。
この試行改革は、2026年3月以降に新たにCCC認証を取得する製品型番から適用され、2027年3月以降は、対象となる全ての新規出荷製品がこの要件を満たす必要があります。
まとめ:信頼回復と市場再編へ向かうROMOSSと中国市場
爆発事故とリコールにより、信頼を大きく損ねたROMOSSですが、「再生計画」を通じて企業の再建とブランドイメージの回復に挑んでいます。著名投資機関の参画や債務再編は、この計画が現実味を帯びていることを示唆しています。
また、中国政府によるCCC認証へのQRコード導入は、モバイルバッテリーなどの高リスク製品に対するトレーサビリティと製品安全管理を大幅に強化するものです。これにより、模倣品や粗悪品の流通を抑制し、消費者が安心して製品を選べる環境が整備されることが期待されます。
ROMOSSの再起は、単一企業の復活にとどまらず、中国テック企業の製品品質と消費者保護に対する意識の変化を象徴する出来事と言えるでしょう。日本市場で中国製モバイルバッテリーを扱う企業にとっても、この新たなCCC認証制度は、サプライチェーンの透明性確保と品質管理の重要性を再認識させる機会となるはずです。
元記事: mydrivers












