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揚州「痩西湖」が香港IPOへ!中国観光市場の驚異的成長と水上観光の魅力

Chinese classical garden, Traditional Chinese boat - 揚州「痩西湖」が香港IPOへ!中国観光市場の驚異的成長と水上観光の魅力

中国の観光市場が驚異的な成長を続けており、2029年には年間消費額が10兆元(約200兆円)を突破する見込みです。そんな活況を呈する市場から、水上観光サービスを展開する「痩西湖(Slender West Lake)」が香港証券取引所へのIPOを申請しました。江蘇省揚州に位置するこの景勝地は、独特の「揺櫓船」による文化体験を主力とし、その収益の85%以上を水上観光船事業が占めています。今回は、このユニークなビジネスモデルと、中国観光産業の未来を探ります。

中国観光市場、成長の波に乗る

中国では国慶節などの大型連休が近づくと、多くの人々が旅行に出かける観光シーズンを迎えます。中国の観光消費総額は2024年に5.8兆元(約116兆円)に達し、特色ある観光商品の開発やナイトタイムエコノミー(夜間経済)の発展といった施策が推進されています。その結果、2029年には中国の観光消費総額が10兆元(約200兆円)を超えるとの予測が出ており、2024年から2029年までの年平均成長率は12%と、非常に高い伸びが期待されています。

現在、中国国内には数多くの観光関連の上場企業が存在しますが、最近、水上観光船サービスを手がける企業がIPO(新規株式公開)に乗り出すとして注目を集めています。

水上観光の雄、「痩西湖」が香港IPOへ

今回IPOを申請したのは、江蘇省痩西湖文化旅游股フェン有限公司(略称:「痩西湖」)です。同社は最近、香港証券取引所に目論見書を提出し、香港メインボードへの上場を目指しています。光大証券国際が単独でスポンサーを務めています。

「痩西湖」は主に揚州の有名な景勝地で水上観光船サービスを運営しています。名前から杭州の西湖と混同されることがありますが、この二つの景勝地は異なります。

  • 杭州西湖:「自然の山水と人文的遺跡」で知られ、雷峰塔、岳王廟、三潭印月などの景観が有名です。
  • 揚州痩西湖:「細長く曲がりくねった水路と精巧な庭園」を特徴とし、五亭橋や二十四橋など、庭園風景が点在しています。

それぞれ異なる魅力を持ち、多くの観光客を惹きつけています。では、「痩西湖」のような観光会社はどのように収益を上げ、水上観光サービスは儲かるビジネスなのでしょうか。その実態を詳しく見ていきましょう。

「揺櫓船」が象徴する揚州の文化体験

「痩西湖」の収益は、主に水上観光船サービス、観光カートサービス、および景勝地管理サービスから得られています。同社は「痩西湖船娘(船頭)」ブランドを擁し、水上観光船サービスは、揺櫓船(ようろせん)、自航船、テーマ船の3種類に分けられます。

  • 揺櫓船:揚州特有の手漕ぎ双胴船で、会社の象徴的な観光船です。痩西湖の景勝地で特によく見られ、船頭が船を漕ぎながら地元の民謡を歌うこともあります。船頭は厳しい訓練を受け、船の操縦、解説、歌唱、英語、心理カウンセリングの5つのコアスキルを持っていると言われています。地元の文化を深く体験したい観光客に特に人気で、貸し切りサービスは通常1000元(約2万円)の価格設定です。
  • 自航船:電動式のセルフ操縦船で、直感的なジョイスティック操作システムが備わっています。乗客が自由に航路を計画でき、4~6人乗りで家族や小グループに適しています。時間貸しで、料金は船の種類によって1時間あたり120元、150元、200元(約2,400円〜4,000円)の3段階があります。
  • テーマ船:エコ画舫、豪華画舫、豪華エコ画舫、安福号、古典画舫、レトロスチール製画舫、現代ヨットと浮筒ボートなど、細かく分類されています。例えば、エコ画舫は小型で経済的な船で、録音ガイドが付属し、合乗(乗り合い)料金は一人あたり約50元、貸し切りは約1000元です。豪華エコ画舫は中国の伝統的な木造船のような外観で、合乗60元/枚、貸し切り2000元です。

その他、観光カートサービスや景勝地の総合管理サービスも提供していますが、これらの収益割合は比較的小さいです。2022年、2023年、2024年、そして2025年1月から6月までの報告期間において、水上観光船サービス事業が会社の総収益の85%以上を占めており、同社がこの事業に大きく依存していることがわかります。

まとめ:中国観光業のポテンシャルと日本への示唆

「痩西湖」のIPO申請は、中国観光市場の堅調な成長と、その中で地域固有の文化体験を提供するビジネスモデルが大きな収益源となり得ることを示しています。特に、揚州の伝統を活かした「揺櫓船」のようなサービスは、単なる移動手段ではなく、付加価値の高い体験として観光客に受け入れられています。

この動向は、日本の観光業にも示唆を与えるでしょう。地域に根ざした独自の文化や景観を活かし、単なる観光地巡りではない「深く豊かな体験」を提供することで、新たな需要を喚起し、高付加価値なビジネスモデルを構築する可能性を秘めていると言えるのではないでしょうか。

元記事: pedaily

Photo by 昆 阿 on Pexels

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