中国の家電業界に衝撃が走っています。かつて中国エアコン市場を席巻し、大手「格力(Gree)」や「美的(Midea)」と肩を並べると言われた「志高空调(Chigo Air Conditioning)」。その親会社が、破産清算手続きに入ったことが明らかになりました。
2月13日、全国企業破産再編事件情報網に公告が掲載され、広東志高の破産清算手続きが正式に開始されたことが発表されました。広東志高は、志高空调の親会社であり、かつて香港証券取引所に上場していた「志高控股(Chigo Holdings)」の中核企業でもあります。栄光の時代から巨額の赤字、そして上場廃止へと至った激動の歴史を振り返りつつ、その後の再建への道筋を深く掘り下げていきます。
栄光と転落、創業者が見た夢の顛末
「志高」エアコンブランドは1994年に誕生しました。創業当初から急速に成長し、かつては中国国内のエアコン大手「四小龍(四大メーカー)」の一つに数えられました。2008年には「格力」「美的」「海爾(Haier)」に次ぐ第4位のエアコン巨頭となり、2010年には一時的に業界第3位の座を獲得するなど、その勢いはとどまるところを知りませんでした。
この志高の物語は、創業者である李興浩氏の波乱に満ちた30年間のビジネスドラマでもあります。2009年には、中国政府が農村部での家電購入を奨励する「家電下郷政策」を追い風に、高効率エアコンに注力。その結果、一時的に「格力」や「美的」をも超える販売台数を記録するほどの大成功を収めました。
同年10月には、志高は香港証券取引所に上場。李興浩氏はメディアの前で、「格力」の会長である董明珠(ドン・ミンジュー)氏に対して公然と対抗心を燃やし、「世界で最高のエアコンを造る」と豪語しました。さらに、「格力」のCMキャラクターだったジャッキー・チェン氏を引き抜き、「良いエアコンは志高が造る」という模倣的な広告を打ち出すなど、その野心はとどまるところを知りませんでした。
しかし、栄光の頂点から転落までは、わずか数年でした。2018年、志高控股は4.8億元(約99億円)の赤字を計上。翌2019年には赤字がさらに拡大し、14億元(約290億円)に達した結果、志高控股は香港証券取引所を上場廃止となりました。かつて世界一を目指した巨人の夢は、この時一度潰えたかに見えました。
沈黙を破り、再起を図る志高の挑戦
2019年の上場廃止後、志高空调は数年間にわたる深い構造調整を経験しました。製造プロセス、技術開発、製品ラインナップ、そしてブランド戦略に至るまで、あらゆる面で改革が断行されたのです。その努力は実を結び始めました。
2022年以降、新会社の運営体制のもと、志高空调は連続3年間で着実な規模成長を実現。その複合年間成長率は80%以上にも達していると報じられています。かつての巨額赤字からV字回復を遂げ、再び市場での存在感を高めつつあるのです。そして、2025年には年間生産能力1000万セットを超えることを目標に掲げています。
まとめ:激動の中国市場で、志高はどこへ向かうのか
今回の親会社の破産清算は、過去の負債整理が主目的であり、志高空调の事業そのものは再生の道を歩んでいると見ることができます。中国市場の競争は熾烈を極め、一度転落した企業が再び立ち上がることの難しさは計り知れません。
しかし、志高空调の再建の物語は、中国企業が逆境から立ち直る粘り強さを示しています。これは日本市場に直接的な影響を与えるニュースではありませんが、世界経済を牽引する中国テック企業の浮沈は常に注視すべきテーマであり、その動向は日本のビジネスパーソンにとっても示唆に富むものと言えるでしょう。志高空调が再び輝きを取り戻すことができるのか、今後の展開に注目が集まります。
元記事: gamersky
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