国際的な食品大手ネスレが、衝撃的な大規模事業再編計画を発表しました。2025年の決算では売上高と純利益が減少。これを受け、同社は高級飲料とアイスクリーム事業を売却・分離する方針を明らかにしました。消費者の嗜好変化に対応し、中核事業への集中を図るネスレの戦略転換は、世界の食品業界に大きな波紋を広げそうです。
2025年決算は減収減益、多難な年か
2025年2月19日、ネスレは同年の決算報告を発表しました。それによると、売上高は前年比2%減の894.9億スイスフラン、純利益は同17%減の90.33億スイスフランとなりました。決算報告では、グループ全体の業績は回復の兆しを見せているものの、特に中華圏での有機的成長率が依然として低下傾向にあると強調されています。これは、事業モデルの調整が主な影響を与えているとのこと。
さらに、今年1月には複数国・地域で乳幼児向け粉ミルクのリコールが発生し、2025年の業績に影響を与えました。ネスレの最高経営責任者(CEO)であるマーク・シュナイダー氏は、2月19日の決算説明会で、リコール作業は完了し、現在は在庫補充に注力していると説明しています。
大胆な事業再編計画の全貌
決算発表と同日、ネスレは以下の三つの事業再編計画を公表しました。
栄養製品とアイスクリーム事業の調整
- 一つ目は、栄養製品と「ネスレ ヘルスサイエンス」事業部門の統合です。これにより、後者のグローバル直販体制は廃止されます。
- 二つ目は、世界第2位のアイスクリーム製造会社であるFroneriとの間で、残りのアイスクリーム事業の売却に関する交渉を本格的に開始することです。シュナイダーCEOは、この事業は好調であるものの規模が比較的小さく、中核事業のリソースを分散させていると説明。Froneriとの親和性が非常に高いため、段階的に売却を進める方針です。
高級飲料事業の分離も視野に
三つ目の計画は、ネスレウォーターズと高級飲料事業に関して、2026年第1四半期に潜在的なパートナーとの正式協議を開始し、2027年からの正式な分離を目指すというものです。
シュナイダーCEOは、アイスクリーム事業の売却が、グループを「食品とスナック事業」に集中させる戦略の一環であると述べています。今後は、この二つの主要事業分野でのイノベーションを推進し、消費者の「少量多品目、携帯性」というトレンドに対応するとともに、ブランド構造のさらなる簡素化を図っていくとのことです。
まとめ:戦略的転換で未来を切り開くネスレ
今回のネスレによる大規模な事業再編は、単なる業績不振への対応にとどまらず、変化する市場環境と消費者ニーズへの適応を目指す戦略的転換と言えるでしょう。高級飲料やアイスクリームといった「ライフスタイル」に密接に関わる事業を手放すことで、同社は食品とスナックという中核領域に集中し、より機動的な経営体制を構築しようとしています。
消費者の健康志向や利便性を求める声が高まる中、ネスレがどのような革新的な製品やサービスを提供していくのか、今後の動向に注目が集まります。日本市場におけるネスレ製品のラインナップや販売戦略にも、間接的な影響が及ぶ可能性があり、このグローバル企業の決断が、私たちの食卓にどのような変化をもたらすのか、引き続き目が離せません。
元記事: gamersky












