中国のロボットコア部品開発ベンチャー「巨蟹智能(Juxie Zhinen)」が、約1億元(日本円で約20億円)のAラウンド資金調達を完了しました。この資金調達は、中国の大手清掃ロボットメーカーEcovacs Robotics(科沃斯)の戦略的投資部門がリードしており、高性能なハーモニック減速機や駆動装置など、ロボットの「頭脳」と「関節」となる主要部品の国産化と国際競争力向上を加速させる狙いがあります。中国のロボット産業の自立に向けた重要な一歩として注目されます。
中国ロボットの「頭脳」と「関節」を支える新星、巨蟹智能とは
巨蟹智能は2019年に設立されたテクノロジースタートアップで、インテリジェント駆動システムと高性能ロボット関節の開発に特化しています。同社は、ロボットの精密な動きを実現する上で不可欠なハーモニック減速機、小型低電圧駆動装置、一体型エンコーダ、力覚センサーなど、多岐にわたるキーコンポーネントの「全スタック研究開発と産業化」に取り組んでいます。これらの部品は、産業用ロボットからサービスロボットまで、あらゆる高性能ロボットの中核をなすものです。
コア部品の国産化で国際競争力を強化
設立以来、巨蟹智能はハーモニック減速機の自社開発と製造に重点を置いてきました。特に2021年からは、ロボットのコア部品製造を本格化させ、これまで海外技術に依存してきた分野での「技術の壁」を打破し、国際競争力のあるハイエンドコア部品を開発することを目指しています。
同社は8000平方メートルに及ぶ現代的な研究開発拠点を持ち、原材料の調達から熱処理、精密加工、さらにはインテリジェントシミュレーションに至るまで、サプライチェーン全体を自社で管理する製造システムを構築しています。これにより、品質と供給の安定性を確保し、技術革新を加速させています。
加速する研究開発とグローバル展開
Ecovacs Roboticsからの戦略的支援
今回のAラウンド資金調達は、中国を代表する清掃ロボットメーカーであるEcovacs Robotics(科沃斯)の戦略的投資部門がリード投資家を務め、上海宝鼎信や上海湖銀などの産業系投資家も参加しました。
Ecovacs Roboticsの副総経理兼CFOである馬建剛氏は、「AIと人工知能技術の急速な進化に伴い、Ecovacsはロボット分野での探求を続け、将来を見据えた積極的な投資を行っている」と述べています。巨蟹智能は、伝動部品、減速機、関節といったロボットのキーコンポーネント分野において、Ecovacs Roboticsの新たな戦略的布陣の中核を担い、技術革新を推進することで、ロボット技術チェーンおよび産業チェーンの発展に貢献するとしています。
資金を活用した今後の戦略
巨蟹智能の創業者である趙偉氏は、今回の資金調達に感謝の意を表し、一体型関節、高性能サーボシステム、新型センサー融合、先進的なモーション計画アルゴリズムなどの最先端技術への研究開発投資をさらに拡大していくとコメントしました。また、生産能力の強化も重要な課題と位置づけ、一体型関節の自動生産ラインを新設し、量産体制を確立することで、製品供給能力を向上させるとともに、グローバル市場でのエコシステム構築も視野に入れています。
まとめ:日本のロボット産業への示唆
今回の巨蟹智能の大型資金調達は、中国がロボット産業のコア部品における国産化と技術自立を強力に推進していることを明確に示しています。特にハーモニック減速機のような精密機械部品は、日本の企業が長らく高いシェアを誇ってきた分野でもあります。
中国企業がこうした重要部品の自社開発・量産体制を確立していくことで、世界市場における競争はさらに激化するでしょう。日本のロボット関連企業は、この中国の動きを注視し、技術革新のスピードアップや新たな協業機会の模索、あるいは独自の強みを生かしたニッチ市場の開拓など、多角的な戦略を検討していく必要がありそうです。
元記事: pedaily
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