中国のロボットスタートアップ「松延動力(Songyan Power)」が、立て続けに大型資金調達を成功させ、1ヶ月足らずで総額約100億円(約5億元)を獲得しました。特に注目されるのは、同社が発表した業界初の1万元(約20万円)以下の人型ロボット「小布米(Xiao BUMI)」です。この画期的な価格設定は、「人型ロボットは高価」という常識を覆し、低コストと高性能を両立させる技術的実現可能性を世界に示しました。人型ロボットの普及を加速させる起爆剤となるか、その動向に注目が集まっています。
中国・松延動力、1ヶ月で約100億円の大型資金調達を達成
松延動力は、2025年11月26日、Pre-B+ラウンドで約2億元(約40億円)の資金調達を完了しました。本ラウンドは中金資本(CICC Capital)がリードインベスターを務め、免泰資本(Mentai Capital)と厚為資本(Houwei Capital)がフォローアップ投資を行いました。これに先立つ10月26日には、方広資本(Fangguang Capital)がリードするPre-Bラウンドで約3億元(約60億円)を調達しており、わずか1ヶ月足らずで総額約5億元(約100億円)という驚異的な資金調達を達成したことになります。
同社は今年すでに累計5回目の資金調達を完了しており、その成長ペースの速さを示しています。今回の資金は、主に技術革新と研究開発への投資強化、高価値なアプリケーションシナリオにおける生態系協力の拡大、そして研究開発から大規模量産・納品までのスムーズな経路確立に充当される予定です。
業界を揺るがす!1万元以下の人型ロボット「小布米」が登場
松延動力が先日発表した人型ロボット「小布米(Xiao BUMI)」は、その価格設定で業界に衝撃を与えました。なんと9998元(約20万円)という破格の価格で登場し、「人型ロボットは手の届かない高嶺の花」というこれまでの認識を大きく変える可能性を秘めています。
松延動力の創業者兼会長である姜哲源氏は、「私たちは、人型ロボットの未来は規模化された応用にあると信じています。そして、その規模化の前提は、正確な製品定義と明確なユーザー価値です」と述べています。「小布米」の戦略的意義は、まさにこの「準消費財」というブルーオーシャン市場に精密に切り込んだことにあります。既存市場を奪い合うのではなく、新たな増量市場を開拓し、市場の境界を拡大していく戦略です。
さらに、松延動力はプログラミング教育のリーディングカンパニーである「プログラミング猫(Programming Cat)」との戦略的提携も発表しました。両社は共同でリソースを投入し、未来志向の「人型ロボットプログラミング教育実験室」を設立します。松延動力の人型ロボット製品を核となるプラットフォームとし、プログラミング猫が持つ全国7万校以上の小中学校ネットワーク、成熟したK12(幼稚園から高校まで)のプログラミングカリキュラム、そして4300万人を超えるユーザーベースと全面的に融合することで、人型ロボットの教育分野における応用を大きく推進していく計画です。
「低コスト・高性能」を実現する松延動力の技術戦略
「小布米」の画期的な低価格と高性能を両立させるために、松延動力は多角的な技術戦略を展開しています。まず、コア部品の自社開発比率を大幅に向上させ、サプライチェーンの垂直統合を深化させています。
特に、自社開発のドメインコントローラーを採用することで、コスト面での徹底的な最適化を実現するとともに、計算プラットフォームの性能と作業効率を向上させています。また、材料と構造設計の面でも革新を追求。構造設計を全面的に最適化し、複合材料を多用することで、コアとなる強度を確保しながらも、極限までの軽量化を実現しました。この重量削減が、さらなるコスト削減を促すという好循環を生み出しています。
このような取り組みは、同社自身の市場開拓に寄与するだけでなく、業界全体に対しても、研究室レベルの技術を「準消費財」市場へと展開するための実現可能な道筋を示していると言えるでしょう。
まとめ
松延動力の「小布米」と、わずか1ヶ月で約100億円を調達したそのスピード感は、人型ロボット市場に新たな波をもたらす予感に満ちています。単なる価格破壊にとどまらず、教育分野との連携を通じて、未来の技術者育成と幼少期からのロボットとの共存という、新しいライフスタイルの可能性をも提示しています。
中国スタートアップの驚異的な成長力と、価格を武器に既存の枠を超えた市場を創出する戦略は、日本の読者にとっても重要な示唆を与えるものです。人型ロボットが一部の専門分野から、誰もが手にできる「準消費財」へと進化する未来は、私たちの想像よりも早く訪れるかもしれません。松延動力と「小布米」の今後の展開から目が離せません。
元記事: pedaily
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