中国の合成生物学スタートアップであるXiusbio(修実生物)が、シリーズAラウンドで約1億人民元(日本円で約20億円)の資金調達を完了したと発表しました。2020年に設立された同社は、合成生物学と革新的なペプチド合成に特化した国家級ハイテク企業です。今回の資金調達は、グローバル市場での事業拡大、研究開発へのさらなる投資、そしてAIを活用したペプチド創薬の推進に充てられる予定です。中国バイオテック企業の躍進が、世界の医薬品開発にどのような影響を与えるのか、日本の読者にとっても注目すべきニュースと言えるでしょう。
中国の合成生物学スタートアップXiusbio、約20億円を資金調達
2025年11月21日、中国の投資情報メディア「投資界(pedaily)」は、Xiusbio(修実生物医薬(南通)有限公司)が約1億人民元のシリーズA資金調達を完了したと報じました。このラウンドは既存株主の華泰紫金がリードインベスターを務め、同じく既存株主である拾芥資本が追加投資を実施。金鼎資本と湖南艾臣が共同で参加しました。
調達した資金は主に以下の2つの目的で使用されるとのことです。
- 海外市場展開の加速とグローバル提携の強化:海外でのビジネス拡大と技術サービスネットワークの強化を図り、世界の製薬企業との連携を深めることで、グローバルなバイオ医薬品サプライチェーンにおけるサービス能力を高めます。
- 研究開発投資の継続と技術的優位性の確立:業界共通の技術的ボトルネックを打破し、技術的優位性を確立するために研究開発への投資を続けます。特に革新的なペプチド分子に焦点を当て、AI分子設計の下流に位置づけ、構造最適化、プロセス開発、商業化生産、品質評価といった一連のサービスを強化。顧客の多様なイノベーションニーズに応え、ペプチド分野におけるXiusbioの技術的価値を証明し、業界のイノベーションエコシステム構築を推進します。
ペプチド合成における技術革新と強み
Xiusbioは2020年の設立以来、合成生物学とペプチド創薬の分野で急速な発展を遂げてきました。同社は合成生物学の要素に基づく理性的な設計を用いた、革新的なペプチド生体合成技術開発プラットフォームを構築しています。
その高い専門技術力により、複雑な構造を持つ環状ペプチドの生体合成という業界の難題を克服。国内で初めて複雑構造を持つ短鎖ペプチド医薬品の規模化生体合成生産を実現した企業として知られています。これは、これまで困難とされてきた高機能ペプチド医薬品の安定供給を可能にする画期的な進歩です。
また、Xiusbioは5,000平方メートルを超えるAI賦能R&Dセンターと、13,000平方メートルのスマート化されたペプチド医薬品生産拠点を建設しています。これにより、グラム単位の研究開発サンプルからトン単位の商業化製品まで、柔軟な生産体制を確立。多品種少量生産の臨床サンプルニーズと、大規模な商業化供給の両方に対応できる能力を持っています。
今後の展望:グローバル市場と革新的創薬への挑戦
今回の資金調達について、Xiusbioの呉寧皓(Wu Ninghao)会長兼博士は「Xiusbioは、ペプチド生体合成技術の研究開発を継続的に強化していきます。設立から5年間で、実験室での研究開発から商業化応用までの産業化クローズドループを実現し、目覚ましい成果を上げてきました。今後は慢性病や代謝疾患の分野に注力し、国内外の有名製薬企業との深い協力関係を通じて、高品質でコストパフォーマンスの高い製品を開発し、より多くの患者に新薬の恩恵を届けたいと考えています」と述べています。
さらに、呉博士は「同時に、Xiusbioはペプチド合成生物学分野での技術的優位性を、国内外の革新的な医薬品およびAI技術企業との深い連携に活用し、ペプチド革新分子産業チェーンにおける重要なサポート力となることを目指しています」と付け加えました。
投資家である拾芥資本の龐晨暁(Pang Chenxiao)博士も「Xiusbioのチームが合成生物学とペプチド技術分野で深く耕してきた精神とビジョンに感銘を受けました。彼らが合成生物学の手法で複雑な環状ペプチドの規模化合成というボトルネックを打破し、全チェーンの多品種ペプチド革新サービスシステムを構築したことで、技術転化と産業化の効率は私たちの予想を上回っています」と、Xiusbioの技術力と将来性に強い期待を寄せています。
まとめ
Xiusbioの今回の大型資金調達は、中国における合成生物学とペプチド創薬分野の勢いを象徴するものです。AIの活用とグローバル展開を加速させる同社の戦略は、世界の製薬業界に新たな動きをもたらす可能性を秘めています。特に、複雑な構造を持つペプチドの量産化技術は、これまで実現が難しかった新たな治療薬の開発を大きく前進させるでしょう。中国発のバイオテックイノベーションが、今後どのように世界の医療とヘルスケア市場を再構築していくのか、その動向から目が離せません。
元記事: pedaily
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