伝説の女優マリリン・モンロー。彼女が生前、この世を去るわずか6週間前に撮影された「最後」のポートレート写真のネガが、まもなく競売にかけられる予定です。しかし、この貴重な遺産を巡って、驚くべき法廷闘争が勃発しています。撮影を手がけた著名なファッション写真家バート・スターン氏の遺族が、このネガがかつて組織犯罪グループによって盗まれ、巨額の恐喝に利用されたと主張し、競売の阻止を求めて緊急訴訟を起こしたのです。その背景には、いったいどのような闇が隠されているのでしょうか。
マリリン・モンロー「最後」の撮影ネガにまつわる謎
問題となっているのは、約2500枚にも及ぶ写真ネガです。これは、マリリン・モンローが1962年6月にロサンゼルスのベルエアホテルで、ファッション雑誌「ヴォーグ」の依頼により撮影された「The Last Sitting(最後のポージング)」と呼ばれるシリーズ。この撮影からわずか6週間後、彼女は予期せぬ死を迎えました。このことから、これらの写真はモンローの人生における非常に象徴的な作品として、その芸術的価値、歴史的価値ともに極めて高く評価されています。現在では、このシリーズの単体の写真作品でさえ、1枚あたり2万5000ドル(約370万円)もの高値で取引されることがあると言います。
盗難と恐喝、そして不審な死の影
しかし、この貴重なネガの行方は、長年にわたり謎に包まれていました。撮影者であるバート・スターン氏は生前、これらのネガが「闇の勢力」によって盗まれたと主張し、さらにモンローの死との関連を疑っていたと言います。彼はラスベガスから送りつけられた匿名の脅迫状も複数回受け取っていたとされ、事件の闇の深さを示唆していました。これらのネガは長らく行方不明となり、「真夜中の神秘的な失踪」と表現されていたほどです。
遺族が競売阻止へ緊急提訴!300万ドルを要求された「恐喝」
ネガの所在が明らかになったのは、実に2023年になってからのことでした。突如、「ジェーン・ドウ(身元不明の女性)」と名乗る人物の弁護士がスターン氏の遺族、シャナ・ローレンス・スターン氏に接触。弁護士は、これらのネガがバート・スターン氏の個人的な借金の担保として預けられていたものであると主張しました。しかし、シャナ氏はこのような借金は一切存在しないと断言。それどころか、相手方から「ネガを取り戻すには300万ドル(約4億5000万円)を支払え」と要求されたと明かしました。これは、バート・スターン氏が生前に受けた脅迫と酷似しており、シャナ氏はこれを「赤裸々な恐喝」であると訴えています。
その後、「ジェーン・ドウ」側は、ネガを競売業者に委託し、来る12月8日に公開競売にかける計画を進めています。これに対し、シャナ氏はニューヨーク裁判所に緊急訴訟を提起。ネガの回収と競売の阻止を求め、「バート・スターンとマリリン・モンローの芸術的遺産に回復不能な損害を与える」として強く訴えています。
法廷での攻防とFBIの介入
一方、「ジェーン・ドウ」側の弁護士は、シャナ氏の主張を全面的に否定し、「事実と法的根拠に欠ける」と反論。競売業者もまた、「委託者は合法的な所有権を保証している」と回答しており、事態は泥沼の様相を呈しています。
現在、この訴訟は法廷に持ち込まれており、シャナ氏は自身がネガの合法的な所有者であることの認定、そして経済的損失と弁護士費用の賠償を求めています。さらに、この件は連邦捜査局(FBI)にも報告されており、国際的な組織犯罪の影がちらつく重大事件として、その捜査の行方にも注目が集まっています。
事件の行方と貴重な芸術遺産の未来
マリリン・モンローの「最後の輝き」を捉えたネガを巡る今回の騒動は、単なる競売トラブルにとどまらず、貴重な芸術作品の所有権、組織犯罪、そしてセレブリティの遺産保護といった多岐にわたる問題を提起しています。裁判所がどのような判断を下すのか、そしてネガが最終的に誰の手に渡るのか、その行方は世界中のファンやアートコレクターから熱い視線を浴びています。日本の読者にとっても、伝説のハリウッドスターの知られざる物語と、その遺産を巡る現代社会の闇を垣間見る興味深い事件と言えるでしょう。この世紀の法廷闘争が、歴史的価値を持つ芸術作品の保護に新たな一石を投じることになるかもしれません。
元記事: gamersky
Photo by Tima Miroshnichenko on Pexels












