中国・浙江省寧波市で、スマートフォンに一切の閲覧記録や痕跡を残さないという、極めて巧妙な新型投資詐欺が発覚しました。この詐欺により、一人の女性が「高収益国債投資」を謳う偽アプリを通じて約60万円相当の3万元を騙し取られる被害に遭いました。警察の介入により詐欺の手口が暴かれましたが、その隠蔽性の高さは、デジタル社会に潜む新たな脅威として、日本の読者にも警鐘を鳴らすものです。
新型詐欺の全貌:スマホから消える「痕跡」
この事件は、被害に遭った女性が友人の紹介を通じて、二つの「金融投資アプリ」に接触したことから始まります。しかし、警察が女性のスマートフォンを調べた際、驚くべき事実が判明しました。女性のスマホには、詐欺に関するいかなる閲覧記録も、アプリのインストール履歴も、チャット記録も一切残っていなかったのです。
詐欺師たちは、被害者が自身のスマホに証拠を残さないよう、巧妙な操作手順を指示していました。すでに3万元が送金された後ではありましたが、警察が女性から詳細な状況を聞き出す中で、その背後に隠された「痕跡なし操作」と呼ばれる手口が明らかになりました。
巧妙な手口:「二重アカウント+即時削除」のトリック
子供のアカウントを悪用した誘導
詐欺師が指示した手口は、まず二つのアカウントを使用することでした。被害女性は、毎日、自分の子供のアカウントを使って投資講座を聞くよう指示されていました。講座が終了すると、詐欺師から一つのリンクが送られてきます。
女性は、このリンクを子供のアカウントから自身のメインアカウントへ転送し、そのメインアカウントで再度ログインしてリンクをクリック。この手順を踏むことで、被害者自身のスマートフォンには、偽の「中銀香港」と「銀信通」という二つのアプリがダウンロードされていました。
これらの偽アプリのうち、「銀信通」で投資講座を受け、「中銀香港」で実際の「高収益国債」への投資操作を行うという役割分担がなされていました。全ての詐欺に関わるアプリのリンクやチャット記録は、意図的に子供のWeChatアカウントに集約されていたのです。
徹底した証拠隠滅指示
さらに恐ろしいのは、詐欺師が女性に対し、全ての操作が完了した後に、自身のスマートフォンから投資アプリ、講座アプリ、そして送金記録に至るまで、全てを削除するよう執拗に指示していた点です。これにより、被害者のスマホからは、詐欺の痕跡が完全に消し去られることになっていました。
警察は、この「二重アカウントを使い分けた分業」と「操作後の即時削除」という組み合わせこそが、この詐欺の隠蔽性を極めて高いものにしていると指摘しています。これにより、被害者が詐欺に遭っていることに気づきにくく、また発覚後も証拠が見つかりにくい状況を作り出していました。
まとめ:デジタル社会の新たな脅威と日本への警鐘
今回の中国で発覚した新型詐欺は、単に高収益を謳うだけでなく、デジタルデバイスに残る証拠を意図的に消去させるという点で、これまでの詐欺手口よりもはるかに巧妙で悪質です。自身の行動記録がスマホに残らないため、被害者自身が詐欺に気づくのが遅れるだけでなく、警察による捜査も困難になる可能性があります。
警察は、高収益を約束する投資案件には最大限の注意を払い、特に「痕跡なし投資操作」のような不自然な指示には、決して応じないよう強く警告しています。このような巧妙な手口は、国境を越えて日本に波及する可能性も十分に考えられます。SNSやメッセージアプリを通じた友人からの怪しい誘い、身に覚えのない高収益投資話には、常に冷静な判断と、わずかでも不審に感じたら速やかに警察や消費者庁などの専門機関に相談することが重要です。デジタル社会の利便性の裏に潜むリスクに、私たちは常に警戒心を持つ必要があります。
元記事: gamersky
Photo by Joshua Mayo on Pexels












