2025年、インターネット技術が目覚ましい進化を遂げ、AIやWeb3といった最新技術が日々話題を席巻する現代において、中国のインターネットで思わぬ発見がありました。それは、外部からのエネルギーなしに永遠に動き続けるとされる夢の機械「永動機」について、今もなお真剣に議論を交わす人々が集まる神秘的なオンラインフォーラム「永動機掲示板」です。科学の常識を覆すこのテーマに、なぜこれほど多くの人々が熱中し、日夜その可能性を探求しているのでしょうか? その驚きと、そこに垣間見える人間模様に迫ります。
科学の定説を覆す? 中国ネットに存在する「永動機掲示板」の謎
筆者がインターネットを巡回中に偶然辿り着いたのが、この「永動機掲示板」(永動機吧)でした。まるで時間が止まったかのように、この掲示板では「永動機」に関する熱い議論が繰り広げられています。
「永動機」とは何か? 科学と疑似科学の境界線
そもそも永動機とは、「外部からのエネルギー供給を必要とせず、永久に仕事を続けることができる架空の機械」を指します。熱力学の第一法則(エネルギー保存の法則)や第二法則(エントロピー増大の法則)により、科学的にはその実現は不可能とされています。歴史上、数多くの永動機が考案されては、いずれも科学的検証を経て否定されてきました。もはや「疑似科学」の代表例とも言える存在です。
しかし、この掲示板に集う「民間科学者」(中国語では「民科」と称されます)たちは、その定説を打ち破ろうと、日夜真剣に研究と議論を重ねています。隣接する「民間科学者掲示板」(民科吧)と比較すると人数は少ないものの、その学術的な雰囲気は非常に濃厚。様々な学派が林立し、熱力学の法則を足蹴にすると誓い、この不可能な任務の達成を目指しています。まるで、劉慈欣のSF小説『三体』に登場する「智子隠匿室」のように、世間から隔絶された人々が、世界を震撼させるような理論を生み出そうとしているかのようです。
奇想天外な「発明」の数々:彼らの熱意と知的好奇心
当初、筆者は善意から彼らの理論の間違いや矛盾を指摘しようとしましたが、彼らの「聞かず、学ばず、見ず」という頑なな姿勢は、周囲の善意をもすり減らしていきました。その結果、次第にこの掲示板は、そうした議論を面白がる人々も集まる場へと変貌していったようです。
面白いことに、知識が乏しい人ほど、根拠のない勇気と誇りを持つ傾向があると言われます。彼らは、大胆な「発明家」たちを模倣し、次々と自分たちなりの「永動機」を提案しています。そのアイデアはどれも奇妙なものばかりです。
- 例えば、揮発しない香油(アロマオイル)を用いた液体循環式の発電装置。二つの伝達口で繋がれた容器に香油を満たし、高低差の力で水車とミニ発電機を動かし、発電した電力で再び液体を低い場所から高い場所へ送り返すというもの。なぜ香油なのかは不明ですが、香油産業の活性化を狙っているのでしょうか。
- あるいは、地球の非同期軌道衛星に大量のコイルを巻き付け、地磁気を切断することで電流を発生させるという壮大なアイデア。文系の筆者には理論的根拠は理解しがたいですが、これほど大規模な装置が実現可能となるのは、『三体』の地球に三体人(異星人)が到来するような日くらいかもしれません。
これらの奇抜なアイデアの多くは、単なる面白半分や冗談として永動機の発明を捉えているようにも見えます。彼らは「永動機」を一種のジョークや風刺として楽しんでいるのかもしれません。
まとめ:科学とエンターテイメントが交錯する現代のインターネット文化
科学的にはありえないとされる「永動機」を巡る、中国のインターネット掲示板の活動は、単なる疑似科学の議論に留まらない、多面的な様相を呈しています。熱心な探求心を持つ人々から、ユーモアとして楽しむ人々まで、様々な動機が混在しているのです。
これは、現代のインターネットが持つ特性を象徴しているとも言えるでしょう。専門的な知識が溢れる一方で、根拠のない情報や奇抜な発想が共存し、時にはそれが新たなコミュニティや文化を形成することもあります。日本においても、似たようなニッチで不可思議なオンラインコミュニティは存在しないでしょうか? 科学の限界と人間の好奇心の狭間で生まれる、こうしたインターネット文化の動向は、今後も私たちの想像力を刺激し続けることでしょう。
元記事: gamersky












