2024年、地球の大気中に含まれる二酸化炭素(CO2)やメタン、亜酸化窒素といった温室効果ガスの濃度が、観測史上最高を記録しました。世界気象機関(WMO)が発表した「温室効果ガス年報」によると、特にCO2の地球平均濃度は422.7ppmに達し、産業革命前(約280ppm)と比較しておよそ50%も増加しています。この数値は、人類がまだ地球に誕生していなかった約300万年~500万年前の「新第三紀中新世中期」に匹敵するレベル。当時の地球は、永久氷冠を持たない温暖な気候で、海面も現在よりはるかに高かったとされています。私たちが直面しているのは、単なる温暖化ではなく、人類の歴史が始まる以前の地球環境への逆戻りという、かつてない危機なのかもしれません。
「人類未踏」の地球環境へ逆戻りする現実
海洋堆積物や氷床コアの綿密な分析により、科学者たちは約300万年前の地球がどのような姿であったかを解明してきました。当時のCO2濃度は400~420ppmで安定しており、地球の平均気温は産業革命前と比較して2~3℃も高かったとされています。その結果、海面は現在より10~20メートルも上昇し、北極圏には一年を通して氷冠が存在せず、森林は極圏にまで広がっていたことが確認されています。このような「氷のない温暖な地球」は、現在の私たちが経験したことのない環境です。この古気候データは、もし現在のCO2濃度上昇が続けば、未来の地球がどうなるかを示唆する重要な手がかりとなります。専門家は、このままでは2100年までに地球の平均気温上昇が「パリ協定」で掲げられた1.5℃の目標を突破し、不可逆的な氷河の融解や大規模な生態系の再編を引き起こす可能性があると警鐘を鳴らしています。
加速する人類由来の温暖化と異常気象
地球は過去80万年の間に、8回の氷期と間氷期のサイクルを繰り返してきました。この間、CO2濃度は180~280ppmの間で自然に変動し、気温の変化に対して約800~1300年遅れてCO2濃度が変動するという「温暖化後に炭素増加」の自然なフィードバックメカニズムが存在していました。しかし、現代におけるCO2増加の速度は、年間3.5~3.75ppmと、自然の速度の100~200倍に達しており、人類の活動による排出が主要な原因であることは明らかです。この結果、2024年の地球平均気温は産業革命前と比較して1.25℃上昇し、史上最高を記録しました。高濃度のCO2は、地球の気候システムを不安定化させ、世界中で異常気象を加速させています。例えば、北米では熱波により500人以上が命を落とし、ヨーロッパでは豪雨が深刻な洪水を引き起こし、オーストラリアでは12万平方キロメートルにも及ぶ森林火災が発生するなど、その影響はすでに壊滅的です。
私たちが未来へ残せるもの:日本の役割と展望
今回のWMOの報告は、私たちが地球の未来のために、今すぐ行動を起こさなければならないという緊急のメッセージを突きつけています。特に島国である日本にとって、海面上昇や異常気象の激化は、食糧安全保障や防災、経済活動に直接的な脅威となります。再生可能エネルギーへの移行、省エネルギー技術の推進、炭素排出量削減に向けた国際協力は、待ったなしの課題です。私たち一人ひとりの意識改革と、政府や企業の積極的な取り組みが、未来の地球、そして私たちの子孫が暮らす世界を守るための鍵となります。この「人類未踏」のCO2濃度を前に、私たちはどのような未来を選択するのでしょうか。
元記事: gamersky
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