2026年の幕開けと共に、世界のテック業界にまたもや熱いニュースが飛び込んできました。中国のスタートアップ「東昇聚変(Dongsheng Fusion)」が、数億元規模のエンジェルラウンド資金調達を完了したと報じられています。特筆すべきはその投資家陣で、中国トップクラスのVCであるセコイア・チャイナ(紅杉中国)、IDGキャピタル、ヒルハウス・キャピタル(高瓴資本)などが名を連ね、エンジェルラウンドとしては異例の豪華さです。
この東昇聚変は、人類の究極のエネルギー源とされる「核融合」の実現を目指す、まさに未来を切り拓く企業。彼らが挑むのは、より安全でクリーンな「D-³He核融合」という、極めて困難ながらも夢のある道です。業界では「AIの究極はエネルギー、エネルギーの究極は制御核融合」と言われる中、上海発のこのチームが人類のエネルギー問題解決に向けて大きく前進しようとしています。
超豪華VCが注ぐ期待の星「東昇聚変」とは?
東昇聚変(上海)技術有限公司は、復旦大学現代物理学研究所の許敏(Xǔ Mǐn)教授が率いるチームが2025年7月に上海で設立しました。復旦大学をはじめ、上海市未来産業基金、海棠国際イノベーションセンター、中科創星など、中国国内外のトップレベルの大学や研究機関がバックアップに回っています。その中核技術チームは、長年にわたり磁気閉じ込め核融合科学および工学技術の研究に従事し、大規模核融合装置の設計、建設、実験運用、工学管理において豊富な経験を持つ専門家集団です。
彼らが目標とするのは、地球温暖化や資源枯渇といった喫緊の課題を解決し、いつか人類が地球を離れ、宇宙深くまで探索し、新しい故郷を見つけるための、ほぼ無限のクリーンエネルギーを生み出すこと。その実現のために、現在人類が認識している範囲で最も有望な選択肢こそが核融合であると彼らは信じています。
D-³He核融合への挑戦:クリーンで未来志向のエネルギー源
国際的な主流の核融合研究が重水素-トリチウム(D-T)反応経路を追求する中、東昇聚変はより困難ながらも安全でクリーンな無中性子D-³He(重水素-ヘリウム3)核融合反応経路を選択しました。このD-³He核融合は、放射性廃棄物の発生が極めて少なく、安全性が高い上に、総合的なコストも低いとされています。まさに「よりクリーン」で「より未来志向」のエネルギー源と言えるでしょう。
東昇聚変は現在、第1世代の科学実験装置「晨光(Morning Light)」プロジェクトを正式に始動させており、D-³He核融合の工学的実現を推進することを目指しています。
革新を支える二つの核心技術
この壮大な挑戦を可能にするため、東昇聚変は二つの核心技術に注力しています。
- 高温超電導強磁場閉じ込め磁石: 最先端の高温超電導材料を採用することで、装置のコンパクト化と強力な磁場によるプラズマ閉じ込めを実現します。これにより、プラズマの安定性と核融合効率を飛躍的に向上させることが期待されます。
- 人工知能(AI)によるプラズマ制御: AIアルゴリズムを活用し、プラズマの長時間にわたる高精度な制御と運転の最適化を実現します。これにより、インテリジェントな実験プラットフォームを構築し、核融合反応の安定稼働を目指します。
東昇聚変が描く未来のロードマップ
東昇聚変は、今後12年間でD-³He核融合の純エネルギーゲイン(Q>1、投入エネルギーよりも生成エネルギーが大きい状態)を達成するという野心的な目標を掲げています。これは主流のD-T経路よりもはるかに困難で険しい道ですが、彼らの決意は固いようです。
「私たちは皆、人類のエネルギーに関する究極の夢のために努力しています。その過程で互いに融合し合い、誰が先か後かは重要ではありません。」この言葉は、人類共通の課題解決に向けた彼らの強い使命感を表しています。もし東昇聚変の挑戦が成功すれば、人類はほぼ無限のクリーンエネルギーを手に入れることができ、地球の未来は大きく変わるでしょう。
まとめ
中国の核融合スタートアップ「東昇聚変」への巨額投資は、世界のエネルギー問題解決に向けた新たな動きとして、日本の読者にとっても非常に注目すべきニュースです。より安全でクリーンなD-³He核融合という独自の道を選び、豪華な投資家陣の支援を得て、人類の究極のエネルギー実現に挑むその姿は、まるでSFの世界が現実になりつつあるかのようです。
国際的なクリーンエネルギー技術開発競争が激化する中、中国のスタートアップが最前線でどのような成果を上げていくのか、今後の動向から目が離せません。日本もまた、この次世代エネルギー技術開発において、国際的な協力や独自の技術革新を通じて貢献していくことが期待されます。
元記事: pedaily
Photo by Killian Eon on Pexels












