中国の自動車市場に新たな販売戦略の波が押し寄せています。BMWのトップセールスマンである張増威氏が、人気ショート動画プラットフォーム抖音(Douyin、TikTokの中国版)で、テスラのような「ワンプライス」販売モデルを導入すると発表し、わずか8日間で11台のBMWを販売するという驚異的な成果を上げました。顧客との度重なる値引き交渉に疲弊した経験から生まれたこの挑戦は、従来の自動車販売の常識を覆し、消費者から大きな信頼を集めています。
「値引き交渉なし」で信頼を築く中国BMWの挑戦
中国のBMW販売における「セールス王」として知られる張増威氏が、自身の抖音アカウントで動画を公開し、新たな販売戦略としてテスラが採用する「一口价(ワンプライス)」モデルの導入を宣言しました。これは、来店したどの顧客に対しても、一律の価格で車両を販売するというものです。
張氏は、この試みの背景には、顧客との頻繁な値引き交渉が精神的に大きな負担となっていたことがあると説明しています。彼は、この交渉プロセスが顧客、そして自分自身にとっても疲弊するものだと感じており、よりシンプルで透明性の高い販売方法を模索していました。そこで、交渉を排除し、誰もが同じ条件で購入できるワンプライスモデルをBMWの販売に適用することを決断したのです。
テスラ流「ワンプライス」の導入と初期成果
このテスラ式ワンプライス販売モデルの試行は、驚くべき初期成果をもたらしました。張氏によると、試行開始からわずか8日間で11台ものBMW車を販売。しかも、その中には一度も対面することなく、オンラインでX3を契約した顧客もいたといいます。張氏が価格表を送付するだけで、相手はオンラインで即座に注文を確定させたのです。これは、価格交渉の手間が省かれることによる顧客の利便性向上と、価格の透明性に対する信頼の表れと言えるでしょう。
なぜこの戦略が成功したのか?ユーザーからの反響
張増威氏のこの戦略は、中国のネットユーザーの間で大きな話題となり、多くの好意的なコメントが寄せられています。「これこそが究極の“陽謀”(公明正大な戦略)だ」「極度の誠実さが極度の信頼を生む」といった声が上がっており、その販売姿勢が高く評価されています。
彼自身、今年これまでに246台のBMWを納車しており、今年も変わらずトップセールスマンの座を維持する見込みだと明かしています。この実績と、透明性を追求する新たな販売戦略が相まって、張氏の顧客からの信頼はさらに強固なものになっているようです。
まとめ:日本市場への示唆と今後の展望
中国におけるこのBMWセールスマンの事例は、従来の自動車販売モデルに一石を投じるものです。SNSを通じた情報発信と、テスラに代表されるワンプライス戦略の組み合わせは、消費者の購買行動に大きな変化をもたらす可能性を秘めています。価格交渉のストレスをなくし、シンプルで透明なプロセスを提供することで、顧客はより安心して購入を決定できるようになります。これは、デジタル化が進む現代において、企業が顧客との関係を築く上で重要な要素となるでしょう。
日本市場においても、オンライン販売の拡充や、価格設定の透明性に対するニーズは高まっています。中国でのこの成功事例は、日本の自動車業界にとっても、新たな販売戦略を検討する上での重要な示唆を与えるかもしれません。今後、このような「誠実さ」と「利便性」を追求した販売モデルが、世界中でどのように進化していくのか注目されます。
元記事: gamersky
Photo by Gustavo Fring on Pexels












