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中国が隠しドアハンドルを事実上禁止へ!EVメーカーに激震、新規定が世界標準となるか?

flush car door handle - 中国が隠しドアハンドルを事実上禁止へ!EVメーカーに激震、新規定が世界標準となるか?

中国工業情報化部が先日、2027年1月1日より中国市場で販売される乗用車に対し、機械式の内外ドアハンドル装備を義務付ける新規定を発表しました。これにより、テスラをはじめとする多くのEVで採用されてきた「隠しドアハンドル」デザインは事実上禁止されることになります。事故時の緊急脱出における安全性を最優先したこの動きは、世界最大の自動車市場である中国が、世界の自動車デザインと安全基準に大きな影響を与える可能性を秘めており、すでに国際的な注目を集めています。

中国、EVに普及した「隠しドアハンドル」を規制へ

中国工業情報化部(MIIT)が発表した「自動車ドアハンドル安全技術要求」は、自動車業界に大きな波紋を広げています。2027年1月1日以降、中国国内で販売される乗用車(テールゲートを除く)は、機械式の内外ドアハンドルを必ず装備しなければなりません。これは、停電や事故によるロック状態でも、手動でドアを開けられることを保証するための強制的な基準です。

この新規定は、数年にわたりEVを中心にデザイントレンドとなってきた「隠しドアハンドル」に終止符を打つものです。テスラやシャオミといった主要なEVメーカーは、製品設計の大幅な見直しを迫られることになります。既存の承認車種についても、2029年1月1日までに規定に適合するよう改修が義務付けられています。

規制の背景:安全上の懸念が浮上

隠しドアハンドルは、2012年にテスラが初めて導入して以来、EVの象徴的なデザインとして広く普及しました。メーカー側は、空力抵抗の低減による航続距離の向上や、先進的なテクノロジー感を演出できる点を強調してきました。実際、2024年には中国で販売されたEV上位100モデルのうち、約60%がこのデザインを採用していたと報じられています。

しかし、近年、衝突事故後の火災などで電子制御のドアハンドルが停電により作動せず、乗員が車内に閉じ込められるという痛ましい事故が複数報告され、安全上の懸念が深刻化していました。例えば、米国国家道路交通安全局(NHTSA)のデータによると、2025年末までに米国で発生したテスラ車による死亡事故のうち少なくとも12件がドアハンドルの不具合と関連しており、Model 3については欠陥調査が開始されています。

新たな安全基準の要件

新規定では、ドアハンドルが以下の4つの核となる要件を満たす必要があります。

  • 内外のドアハンドルは、緊急時に手動で操作できる機械式解除機能を備えていること。
  • 外側ドアハンドルには、少なくとも30立方センチメートル以上の手動操作スペースが確保されていること。
  • 車内ドアハンドルは、目立つ位置にあり、明確に識別できること。
  • 外側ドアハンドルの機械的強度は、500ニュートン(約50kg重)以上の力に耐えられること。

この詳細な基準は、緊急時における乗員の脱出支援と、救助隊による迅速な救助活動を確実にするためのものです。

世界への波及:中国発の安全基準がグローバルスタンダードに?

中国政府のこの動きに対し、テスラは既に迅速な対応を見せています。テスラのデザイン責任者は2024年9月に、緊急時の操作性を向上させるため、ドアハンドルシステムを再設計中であることを示唆しています。また、多くの中国自動車メーカーも改修作業に着手しており、一部の新型車では既に新基準に適合したドアハンドルデザインが採用されています。業界関係者の間では、一部のメーカーが2029年の最終期限を待たずに、前倒しで隠しドアハンドルデザインから撤退するとの予測も出ています。

この中国発の変革は、世界中で大きな注目を集めています。英国BBCは、中国の基準はあくまで国内市場向けであるものの、世界最大の自動車市場としての影響力から、他国にも波及する「模範効果」を生む可能性があると報じました。ソーシャルメディア上では、欧米を含む多くの国のネットユーザーから、自国も中国に倣い、「危険で無意味な」隠しドアハンドルを禁止すべきだという声が上がっています。

米国ブルームバーグは、中国が安全基準を策定することで、世界の自動車産業のルールを再構築していると指摘。今回のドアハンドルに関する新規定が、将来的な業界統一規範の出発点となる可能性を示唆しています。中国自動車技術研究センターの専門家も、この新規定が膨大な事故データ分析に基づいて策定され、イノベーションと安全性のバランスを追求していると説明しています。

まとめ

「隠しドアハンドル」の事実上の廃止は、単なる技術的な選択ではなく、消費者の生命保護に対する世界の自動車産業の姿勢を映し出すものです。中国の新たな基準が段階的に施行されるにつれて、世界の自動車メーカーは製品設計のロジックを再評価する必要に迫られるでしょう。これからの自動車開発では、安全性こそが未来の競争における核となる指標の一つとして、ますます重視されていくと考えられます。日本を含む世界の自動車市場も、この中国の動きから目を離せません。

元記事: pcd

Photo by Markus Spiske on Pexels

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