中国の大手テクノロジー企業vivoが、広東省深圳で開催された「2025年vivo開発者会議」において、スマートフォンの枠を超えた壮大なエコシステム戦略を発表しました。特に注目を集めたのは、自動車と家庭、そして個人デバイスがシームレスに連携する「手車互融(スマホと車の融合)」の新しい展開です。テーマに掲げられた「同心・同行(One Heart, One Path)」の通り、ユーザー体験を第一に、スマホをハブとしたコネクテッドライフの実現に向けて、その具体的な取り組みと最新技術が示されました。単なる接続にとどまらない、より深い統合を目指すvivoの挑戦は、私たちの日常をどのように変えていくのでしょうか。
スマホを超えたエコシステム戦略:車と家をシームレスにつなぐvivoの挑戦
vivoはこれまで「初心に忠実に、ユーザー第一」という理念を掲げ、スマートフォンと自動車、家庭用機器、そして個人用デバイスとの深い融合を推進してきました。今回の開発者会議「スマートモビリティ分科会」では、このビジョンがいかに具体化しているかが披露されました。
現在、vivoのスマートカー連携システムは、180以上の自動車ブランド、10,000種類を超える車種に対応しており、ユーザーの1日あたりの平均使用時間は90分を超えています。家庭用機器との連携も進んでおり、11,000種類以上のSKU(最小在庫管理単位)を接続。特に中国の大手家電メーカーMidea(美的)とは、主力製品の90%以上で連携を実現しています。さらに、Appleデバイスとの相互接続や、オープンソースのスマートホームプラットフォーム「HomeAssistant」のサポートにもいち早く対応し、ユーザーの選択肢を広げています。
業界標準を牽引する手車連携の革新
vivoは、スマートカー連携の分野で業界をリードする存在です。早くからスマートカーソリューション「Jovi InCar」をリリースし、スマートコネクテッドカーのオープンアライアンス「ICCOA(智慧车联开放联盟)」の設立を主導しました。2023年には、業界が「単方向接続と画面の占有」から「スマホと自動車の深度融合」へと移行するための重要な標準である「Carlink 1.5」を発表しています。
将来に向けて、vivoは「デスクトップ融合」「データ融合」「ハードウェア融合」「スマート融合」の四つの方向性を提示。すでに小鵬汽車(Xpeng)、長城汽車(Great Wall)、BYD、Mideaといったパートナー企業と協力し、複数のウィンドウ表示の融合や音声による融合といった、より深いレベルでの相互接続を推進しています。また、現在の車載ワイヤレス充電における互換性の問題を解決するため、ICCOAアライアンス内で高出力ワイヤレス急速充電標準の統一を主導し、利便性と安全性の高い充電体験の実現を目指しています。
スマートカー体験の次世代へ:vivo OS V6.0の進化
2020年の開発者会議以来、vivoのスマートカーシステムは継続的なアップデートと進化を続けています。vivo OS製品企画マネージャーの文良氏によると、vivoスマートカーのユーザーは1日あたりの平均アクティブ時間が90分を超え、週次定着率も70%以上と、Android競合製品の中で満足度トップクラスを誇るとのことです。
今年リリースされたスマートカーシステム「V6.0」では、特に以下の点が大きく進化しました。
- 視覚デザインの刷新:OriginOS 6の空間システムをベースに、コンポーネントのテクスチャが最適化され、より立体感のあるインターフェースを実現。シーンの切り替えアニメーションも滑らかになり、AIアシスタント「Jovi」も光の環が画面を囲むような、より生命感のある表現に進化しました。
- 没入型音楽体験:運転中に音楽をより深く楽しめる「没入型モード」と「没入型音楽ステータスバー」が新たに追加され、車内の雰囲気を一層高めます。
- 地図機能の強化:中国の大手地図サービス「高徳地図(Amap)」と連携し、新しい地図デスクトップを導入。操作レイヤーを簡素化し、インタラクションの利便性が向上しました。
さらに、新エネルギー車ユーザー向けには「スマートカーシームレス融合版」を発表。小鵬汽車、長城汽車、Mideaといったパートナーとの深度な協力により、多くの革新的な機能が提供されています。
まとめ:日本のモビリティ・IoT市場への示唆
vivoが示す「スマホと車、そして家」が深く融合するコネクテッドエコシステムは、私たちの未来のライフスタイルを大きく変える可能性を秘めています。単一のデバイスに依存せず、ユーザーを中心に据えたシームレスな体験の追求は、今後のモビリティとIoT市場の方向性を示唆していると言えるでしょう。
中国企業が牽引するこのような技術革新は、日本の自動車メーカーや家電メーカー、テクノロジー企業にとっても無視できない動きです。相互接続性とオープンネスを重視するvivoの戦略は、業界全体の発展を促すだけでなく、日本市場における新たな提携やサービスの創出にもつながるかもしれません。今後、vivoがどのようにこの「手車互融」の世界を広げていくのか、その動向に注目が集まります。
元記事: pcd
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