世界的なEC大手アマゾンが、企業労働力の約4%にあたる1.4万人もの大規模な人員削減を発表しました。このリストラの波は、特に同社のゲーム事業に大きな影響を与えています。高予算の3Aゲーム開発の多くが停止され、MMO(多人数同時参加型オンラインゲーム)開発も大幅に縮小される見通しです。かつてSteamで90万人以上の同時接続者数を記録し、大きな期待を集めた自社開発MMORPG『New World』も、今後の新規コンテンツ開発が中止されることが決定。ゲーム市場の厳しい現実と、アマゾンが描く新たなゲーム事業戦略の転換点に、業界内外から注目が集まっています。
アマゾンの大規模リストラ、ゲーム事業に直撃
2025年10月29日、アマゾンは1.4万人規模のリストラを発表しました。これは同社の企業労働者全体の約4%に当たります。この大規模な人員削減は、オーディオ、Twitch、そしてゲーム事業を統括するスティーブ・ブーム氏によると、ゲーム事業内部で「より大きな戦略的転換」が起きていることを示唆しています。
これまでアマゾンは、ゲーム分野に巨額の投資を行ってきました。年間5億ドル以上をゲーム開発に投じ、人気ゲーム配信プラットフォームTwitchを買収、さらにクラウドゲーミングプラットフォームLunaを展開するなど、多角的に事業を推進してきました。自社開発ゲームエンジンLumberyard(後にオープンソース化)の投入もその一環です。しかし、今回のリストラにより、高予算の3AゲームやMMOの第一線での開発が大量に停止されることが明らかになりました。一方で、最近発表された新ゲーム『King of Meat』や改版されたLuna、新規のパーティーゲームなどは継続されると報じられています。
かつて90万人を魅了したMMO『New World』、開発終了へ
今回の発表で特に衝撃的だったのは、アマゾンが満を持して2021年にリリースした自社開発MMORPG『New World』の今後のコンテンツ開発中止です。このタイトルは、開発に長年の歳月と巨額の費用が投じられ、当初はアマゾンが目指す「10億ドル級大作」の一角を担う存在でした。リリース直後にはSteamで最高91万人を超える同時接続者数を記録し、Steam史上11位という驚異的な記録を打ち立てたことで知られています。
しかし、MMO市場は移り変わりが激しく、『New World』も例外ではありませんでした。リリースから約4年が経過した現在、単日のピーク時同時接続者数は3万人台にまで落ち込み、ピーク時の95%以上ものプレイヤーが離れてしまった現実があります。これにより、第10シーズンと最新の「Nightheaven」アップデートが『New World』にとって最後のコンテンツ提供となることが決定しました。なお、既存のサーバーは2026年まで運営が継続され、PS Plus会員向けには引き続きダウンロード提供されるとのことです。
ゲーム業界再編の波、アマゾンが示す未来とは
今回のリストラと戦略転換は、アマゾンがゲーム業界で今後どのような方向へ進むのか、大きな問いを投げかけています。スティーブ・ブーム氏は「お客様に最高のゲーム体験を提供し、アマゾンが最も得意とする分野を最大限に活用すること」を今後の指針としており、クラウドゲーミングプラットフォームLunaやストリーミングエンターテイメントとの連携に注力する姿勢を見せています。
かつては巨大な資金力を背景に、自社での3Aタイトル開発に邁進したアマゾンでしたが、市場の厳しさと大規模開発の難しさを痛感したのかもしれません。MMO市場全体が厳しい冬の時代を迎える中、今回の決定は、ゲーム業界における大規模開発やビジネスモデルのあり方について、改めて考えさせるものとなるでしょう。アマゾンが今後、クラウドやパーティーゲームといった分野で、どのような「Amazonらしい」インパクトを生み出すのか、その動向から目が離せません。
元記事: gamelook
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