ゲームのデジタル著作権管理(DRM)技術として知られる「Denuvo」。その強固な保護が、発売されたばかりの新作ゲームでわずか11日間で突破されたという衝撃的なニュースが報じられました。今回クラックの対象となったのは、外媒Playgroundの報道によると『龍が如く 極3』(※)です。
※元の中国語記事では「《如龍:極3》」と記載されていますが、これは既存の『龍が如く』シリーズの公式タイトルとは異なる呼称である可能性があります。しかし、記事の主旨はDenuvoのクラック自体にあるため、原文に則りこの名称を使用しています。
Denuvo、わずか11日で陥落。過去3年間で最速の記録を更新か
海外メディアPlaygroundの報道によれば、『龍が如く 極3』はDenuvoのプロテクトを回避する形でクラックされ、わずか11日で海賊版が利用可能な状態になりました。このクラックは、「Andreh」と名乗る人物が公開したツールによって実現されたものです。このツールは「『龍が如く 極3』(または『龍が如く3外伝 Dark Ties』)の免光ディスク認証——仮想マシンによるDenuvo暗号なしゲーム起動」と名付けられ、仮想マシンを利用することでDenuvoの保護を迂回することに成功しました。
今回のDenuvoクラックは、過去3年間で最も速い記録を打ち立てたものと分析されています。これまでの最短記録は、2023年に発売された『ホグワーツ・レガシー』が保有しており、その際は「Empress」が13日間でクラックを達成しました。Empressが伝統的なクラック手法で多大な時間と労力を費やしたのに対し、今回の『龍が如く 極3』のクラックでは、仮想マシンという「抜け道」が用いられた点が大きく異なります。
仮想マシンがDenuvoを無力化?その影響とは
Empressのような従来のクラッカーたちが、Denuvoの複雑な検出メカニズムを解析し、一つ一つ対策を講じる必要があったのに対し、仮想マシンを用いる手法は、Denuvoが張り巡らせた多くの検知機能をほぼまとめて回避できるという特徴があります。これにより、これまで強固とされてきたDenuvoのプロテクトが、一気に無力化される可能性が浮上しています。
Denuvoの親会社であるIrdeto社にとって、今回の事態は非常に厳しい状況をもたらしています。海賊版を利用したいユーザーは、たとえWindowsのセキュリティシステムの一部を無効にする必要があったとしても、今や無料でゲームを楽しむことができてしまいます。SEGAをはじめとするゲームパブリッシャーも、Denuvoがその本来の役割を果たせなくなっている現状に、決して満足していないでしょう。高額なコストをかけて導入しているDRMが、発売からわずか11日で突破されるとなれば、その有効性自体に大きな疑問符がつき、今後の導入方針にも影響を与えかねません。
著作権保護の未来、そして日本のゲーム業界への示唆
今回の『龍が如く 極3』のDenuvoクラックは、今後のゲーム業界におけるデジタル著作権管理(DRM)技術の信頼性に大きな一石を投じるものです。高額なライセンス料を支払ってDenuvoを導入し続けるべきか、あるいは別の保護策を模索すべきか、ゲーム開発者やパブリッシャーはより一層深い議論を迫られることになるでしょう。
日本のゲーム業界も、世界的なDRMの現状と動向を注視し、今後の著作権保護戦略や技術選定について、再考を迫られる可能性があります。消費者の利便性と著作権保護のバランスをいかに取るか、今後の業界全体の課題となることは間違いありません。
元記事: gamersky
Photo by Lukas Blazek on Pexels












