「小衆神作(ニッチな傑作)」という言葉を聞くと、「どうせ一部のマニア向けだろう」と感じるかもしれません。古すぎるグラフィック、現代のトレンドに逆行する内容、多くの「欠点」を抱えるゲームを、どうやって多くの人に勧めるというのでしょうか?しかし、中国のゲームメディア「触乐(チュールー)」の記事は、その考え方がそもそも間違っていると指摘します。私たちプレイヤーが愛する「小衆神作」を推薦する目的は、商業的なプロモーションのように広範囲に訴えかけることではありません。むしろ、同じ興味や感情的価値を共有する「同志」を見つけることこそが、真の目標なのです。この記事では、不朽の名作RPG『The Elder Scrolls III: Morrowind』(以下『Morrowind』)を例に、知られざる傑作を効果的に、そして情熱的に伝えるための伝道術を探ります。
「隠れた名作」推薦の真の目的とは?
私たちが特定の作品に惹かれるポイントは、往々にして非常にニッチなものです。例えば、『Morrowind』の魅力の一つに挙げられるのが「探索感」です。これは、タスクマーカーのような明確なクエストガイドがほとんどなく、プレイヤーが自ら冒険日誌を記録しながら世界を探索していくスタイルを指します。一見すると古く、ハードコアに聞こえるこの誘導方式が、一体誰に響くのでしょうか?
しかし、この「探索感」は単に不便なだけでなく、多層的なデザインから生まれています。具体的には、弱い誘導、手作業で作り込まれた精巧なオープンワールド、そして後続のシリーズ作品よりも文字ベースの対話を重視する点。そして何より、『Morrowind』独自の、強烈な異世界感を放つ幻想的な世界観が、これらを支えています。今なお多くの作品に影響を与え続ける、この独創的な設定こそが、プレイヤーの心を捉えて離さないのです。
古いゲームを推薦する際、現代のゲームとの違いや「欠点」を避けて通ることはできません。しかし、それらを語るよりも前に、まずは作品の「今も輝く魅力」を提示し、プレイヤーの興味を引きつけることが重要です。現代の商業大作が持つ共通の面白さを理解することで、なぜプレイヤーがあえて「古く見える」ゲームを選ぶのか、その理由を明確に伝えられるようになるでしょう。
『Morrowind』が今もゲーマーを魅了する理由
では、『Morrowind』の「探索感」を形作る要素とは何でしょうか。そして、なぜこのゲームがベテランプレイヤーに語り継がれ、新しいプレイヤーにも発見され続けているのでしょうか。現代プレイヤーの関心が高い順に、その魅力を紐解いていきます。
超前衛でユニークな世界観
2002年当時、巨大なキノコやエイリアンのような建築物をコンセプトの核に据えたファンタジーRPGは、非常に珍しい存在でした。この独創的な世界観は、現在に至るまで他のゲームデベロッパーがあまり踏み込まない領域であり続けています。この概念は、『World of Warcraft』のザンガーマーシュのような湿地帯の構築や、最近話題になったインディーオープンワールドRPG『Dread Delusion』など、多くの後続作品に影響を与えています。『Dread Delusion』は「空島」と『Morrowind』を融合させたようなレトロな美術手法で、小さなムーブメントを巻き起こしました。
純粋な手作業で作り上げられたオープンワールド
『Morrowind』の地図デザインは、初期のダンジョンゲームから着想を得ています。ヴァーデンフェル島は山脈によって複数のオープンエリアに分断されており、まるで巨大な迷宮を探索するかのようです。最終ボス「Dagoth Ur」が待ち受ける「レッドマウンテン」へ到達する最良の方法は、浮遊魔法で危険地帯を飛び越えるというもの。このデザインは、浮遊魔法が序盤で手に入らないことも相まって、現代の「メトロイドヴァニア」系のゲームにおける「鍵とドア」のような探索体験に通じる、普遍的な面白さを持っています。
「The Elder Scrolls」シリーズ本来の「探索」精神
『Morrowind』は、まさに「The Elder Scrolls」シリーズが持つ純粋な「探索」精神の結晶です。その証拠に、『The Elder Scrolls V: Skyrim』では、この『Morrowind』をリメイクする大型拡張Mod「Skywind」が10年以上にわたって開発され続けています。他の「The Elder Scrolls」作品や、ひいては他のどんなゲームとも異なるこの独特の「探索感」こそが、多くのプレイヤーを魅了し、新たなMod開発や、その概念を受け継ぐ「精神的続編」を生み出し続けているのです。また、『Morrowind』は欧米オープンワールドRPGジャンルの黎明期を飾る作品でもあり、現代の優れたオープンワールドRPGが持つエッセンスの一部は、間違いなくこのゲームによって培われました。
現代プレイヤーへの伝道術と注意点
もちろん、古いグラフィックなどが苦手なプレイヤーは、自然と『Morrowind』を避けるでしょう。しかし、私たちが語るべきは、そうした「欠点」を上回る魅力です。もしあなたがオープンワールドゲームが好きで、現代の多くのゲームに見られるリスト形式のタスクデザインに飽き飽きしているなら、ぜひ勇気を出して『Morrowind』に挑戦してみてください。古く見えるかもしれない障害を乗り越えた先に、他では得られない深い体験が待っています。
現在では有志による日本語化パッチも提供されており、母国語で世界を探索できるのは、辞書を片手に進むよりもずっと楽なはずです。ちなみに、Bethesdaの他の作品、例えば『Starfield』を「探索精神は似ているがテーマが異なるRPG」として薦めるかというと、一概には言えません。『Starfield』は確かにベセスダらしい高いデザイン品質を誇りますが、その遊び方は『Morrowind』や『Fallout 4』とは大きく異なります。私の愛する「徒歩での探索」とは異なり、宇宙船での星間移動が主体であり、そのスタイルはより写実的で、他のベセスダ作品にあるような幻想的な想像力に欠けると感じています。そのため、RPG探索を愛するプレイヤーに『Starfield』を安易に薦めることは難しいでしょう。
まとめ
今回の『Morrowind』の例から見えてくるのは、たとえ古いゲームであっても、その作品が持つ核となる魅力を現代のプレイヤーが共感できる形で提示すれば、新しいファンを獲得できる可能性が大いにあるということです。単に「面白いからやってみて」ではなく、「あなたが今プレイしているゲームにはない、こんなユニークな体験が待っている」と具体的に語ること。そして、そのゲームの「古さ」や「欠点」を隠さず、しかしそれを乗り越えるだけの「光る点」を力強く伝えることが、真の「伝道術」と言えるでしょう。日本のゲーマーの皆さん、もしあなたが心に秘めた「隠れた名作」を持っているなら、ぜひこの記事で紹介したヒントを参考に、その魅力を語り尽くしてみてください。きっと、同じ熱量を持った仲間が見つかるはずです。
元記事: chuapp
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