中国浙江省杭州から、新たなロボット企業がグローバル市場に挑戦します。浙江大学の教授が創業したディープテック企業「ヴェイジー・テクノロジー(Vezhi Technology)」が、香港証券取引所にIPO(新規株式公開)申請を行いました。評価額は21.3億元(約450億円)に達し、中国の活況を呈する産業用ロボット市場の波に乗る形です。汎用インテリジェントモバイルロボットに特化し、日本を含む20カ国以上でソリューションを提供する同社の動向は、世界のロボット産業に大きな影響を与える可能性があります。しかし、収益は成長しているもののまだ赤字であり、激しい市場競争の中で、今後の戦略が注目されます。
中国ロボット市場、IPOラッシュ!ヴェイジー・テクノロジーが香港上場へ
近年、中国の産業用ロボット産業は目覚ましい発展を遂げており、多くの関連企業がIPOを準備または実行に移しています。コア部品、モバイルロボット、マシンビジョン、システム統合といった幅広い分野で企業が台頭し、昨年7月には極智嘉(Geek+)が香港市場に上場。海康机器人(Hikrobot)、斯塔德机器人(Stäubli Robotics)、优艾智合(Youibot)、仙工智能(SEER)なども続々とIPO申請を行っています。
産業用ロボット企業の勃興
そんな中、浙江省杭州に本社を置くヴェイジー・テクノロジーは、今年1月23日に香港証券取引所へ上場申請を行いました。香港市場のハイテク企業向け特別上場規則「Chapter 18C」を利用しての上場を目指しており、CICC(中国国際金融股份有限公司)がスポンサーを務めます。2025年11月には株式会社に改組され、直近の資金調達ラウンドでは1.8億元を調達、企業価値は21.3億元(日本円で約450億円)と評価されています。
浙江大学教授が創業したディープテック企業
ヴェイジー・テクノロジーは2016年7月に設立され、その創業者は浙江大学の教授である熊蓉(Xiong Rong)博士(53歳)です。熊博士は計算機応用と制御科学工学の博士号を持ち、2013年からは浙江大学の教授を務めるという、まさにディープテックの申し子とも言える経歴の持ち主です。最高経営責任者(CEO)を務める陳守先(Chen Shouxian)氏(42歳)も浙江大学で電子情報工学を修め、業界での経験を積んでいます。
主要株主には深センキャピタルグループ、レノボグループ、Supcon Technologyといった大手企業が名を連ねており、強力なバックアップ体制のもと、その技術力と成長性が高く評価されていることが伺えます。
グローバル市場を狙う「汎用インテリジェントモバイルロボット」
ヴェイジー・テクノロジーは、グローバルな汎用インテリジェントモバイルロボット分野に特化しており、多様な環境、産業、タスクにおけるロボットの全方位的な応用を目指しています。
ヴェイジー・テクノロジーの技術とソリューション
同社は、自社開発のコア技術プラットフォーム、インテリジェントモバイルロボット、そして統合ソフトウェアシステムを通じて、顧客にワンストップソリューションを提供しています。2500台以上のロボットが協調して動作するクラスターシステムを構築できる能力を持ち、電子機器、自動車、半導体、新エネルギー、商業、製薬など、幅広い分野の顧客にソリューションを提供してきました。
日本市場での存在感と今後の課題
ヴェイジー・テクノロジーのソリューションは、すでに中国国内に留まらず、日本、韓国、東南アジア、北米、ヨーロッパを含む20以上の国と地域で展開されています。これは、同社の技術が国際的な競争力を持っていることの証拠と言えるでしょう。
しかし、現在の同社は収入が成長しているものの、依然として赤字の状態です。また、市場シェアは約1%と、非常に競争の激しい市場環境にあります。グローバル展開を進める中で、収益性の改善と市場シェアの拡大が今後の大きな課題となるでしょう。
まとめ
浙江大学発のディープテック企業、ヴェイジー・テクノロジーの香港IPO申請は、中国のロボット産業の勢いを象徴する出来事です。先進的なモバイルロボット技術でグローバル市場に食い込む同社の動向は、日本の製造業や物流業界にとっても注視すべきポイントです。
現在のところ赤字経営と市場シェアの低さという課題を抱えていますが、強力な技術力と学術的背景、そして豊富な資金調達能力を武器に、ヴェイジー・テクノロジーがどのように成長戦略を描き、日本を含む世界の市場で存在感を高めていくのか、その挑戦に目が離せません。
元記事: pedaily
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