Huaweiが独自開発したオペレーティングシステム「HarmonyOS（ハーモニーオーエス）」の最新バージョン、HarmonyOS 6.0.0.112 SP12が、複数のスマートフォンとタブレットに対し、正式にアップデート配信を開始しました。今回のアップデートは、単なる機能追加に留まらず、アプリの使い勝手向上からデバイス間のシームレスな連携強化まで、ユーザー体験を多角的に進化させる内容となっています。特に、一時停止していたPCとのマルチスクリーン連携機能がタブレットで復活するなど、HarmonyOSエコシステムの深化に注目が集まっています。
Huawei HarmonyOS 6.0.0.112 SP12 アップデート、何が変わる？
今回のHarmonyOS 6.0.0.112 SP12アップデートは、ファーウェイ製スマートフォンのPura 80シリーズ、Mate 70シリーズを皮切りに、今後はMate 60シリーズなど、より広範囲のモデルに展開される予定です。システムパッケージのサイズは約1.75GBとなっており、比較的大きなアップデートであることが伺えます。ユーザーは多くの新機能と改善を体感できるでしょう。
スマホユーザー待望の機能強化
スマートフォンのアップデートでは、主に以下の実用的な機能が強化されています。
- アプリセンターの最適化：アプリの起動速度や動作の安定性が向上し、より快適なアプリ体験を提供します。
- クラウドギャラリーからのオリジナル画像一括ダウンロード：クラウドに保存されている高解像度のオリジナル画像を、複数枚まとめて簡単にデバイスにダウンロードできるようになりました。写真愛好家には嬉しい機能です。
- レコーダーのリアルタイム文字起こしとスマート要約：録音内容をリアルタイムで文字に変換する機能が追加され、さらにAIが重要なポイントを自動で要約してくれるため、会議の議事録作成や講義の振り返りが格段に効率化されます。
また、隠れた機能として、デスクトップのレイアウト調整機能も追加されました。ユーザーは「設定」→「デスクトップとパーソナライズ」→「デスクトップ設定」→「デスクトップレイアウト」の順に進むことで、アプリケーションのアイコン配置を従来のモードから「5×7のコンパクトモード」に切り替えられます。これにより、1画面により多くのアイコンを表示できるようになり、自分好みのデスクトップカスタマイズが可能になります。
タブレットは「PCマルチスクリーン連携」が復活！
スマートフォンと同時に、タブレットのMatePadシリーズにもアップデートの波が押し寄せています。MatePad Pro 12.2インチ 2025年モデルやMatePad Pro 13.2インチ 2025年モデルといった最新デバイスが先行してアップデートを受け取っています。
タブレット向けの今回のアップデートで最も注目すべきは、一時的に提供が停止されていた「PCマルチスクリーンコラボレーション」機能の正式復活です。この機能により、MatePadとWindows PC間でより高度な連携が可能になります。具体的には、デバイス間のファイルドラッグ＆ドロップがさらにスムーズに行えるようになり、アプリの連続性（例えばタブレットで開いていた作業をPCで引き継ぐ）といったクロスデバイス操作の効率が大幅に向上します。
これは、HarmonyOSエコシステムが目指す「デバイス間の障壁をなくす」というビジョンを具現化するものであり、ユーザーは複数のデバイスをまるで一つの端末のように扱うことができるようになります。
HarmonyOSエコシステムの深化と今後の展望
今回のHarmonyOS 6.0.0.112 SP12アップデートは、システムの基盤アーキテクチャに大きな変更を加えるものではありませんが、細部にわたる機能の磨き上げと、クロスデバイス体験の向上に重点が置かれています。スマートフォンのデスクトップレイアウト最適化や、タブレットでのPCマルチスクリーンコラボレーション機能の復活は、いずれもユーザーの「デバイス利用効率の向上」と「エコシステム連携への高いニーズ」に応えるものです。
ファーウェイは、ソフトウェアの継続的なアップデートを通じて、HarmonyOSエコシステムにおける「全シーンAIライフ」という、様々なデバイスが連携し合い、ユーザーの生活を豊かにする体験を追求し続けています。今回の更新は、中国市場におけるHarmonyOSの競争力をさらに強化し、その存在感を不動のものにする一歩となるでしょう。グローバル市場、特に日本への直接的な影響は限定的かもしれませんが、OSとしての進化の方向性は注目に値します。
元記事: pcd
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