2025年12月18日、中国・南京にて、第6回「1218グローバル招商祭」が盛大に開催されました。本イベントは「トップを目指し、永続経営へ」をテーマに掲げ、ブランド招商(パートナー誘致)と産業招商のハイエンドなリソースマッチングプラットフォームを構築し、グローバル招商産業の新たな発展モデルを探求することを目的としています。この記事では、大商之道招商産業グループ共同創業者である王昕氏の講演内容を基に、中国企業が持続的な成長を遂げるための実践的な「招商」戦略について深掘りし、日本のビジネスパーソンにとっても示唆に富む洞察を提供します。
中国企業の現状と「チャネル紅利」の時代
王昕氏が指摘するように、多くの中国企業、特に中小企業の経営者は「職人気質」の出身です。大健康産業では伝統工芸の継承者、飲食業界では熟練の料理人、製造業では技術のエキスパートといった具合に、彼らは優れた製品や技術を持ちながらも、商業的思考、マーケティング能力、ユーザー視点、そしてチャネル構築の経験が不足しているのが実情です。結果として、いくら良い製品があっても「酒の香りも路地の奥では届かない」という状況に陥りがちでした。
しかし、EC、ライブコマース、ソーシャルコマースといった新たな販売チャネルの台頭は、従来の「安く仕入れて高く売る」というシンプルな利益モデルを機能不全に陥らせています。このような時代において、実店舗や工場が逆境を乗り越え、成長するための唯一の答えは、「中国製造」から「中国ブランド」への転換であり、「製品研究」から「チャネル研究」へと焦点を移すことにあります。
王昕氏は、これからの時代は「製品紅利(製品による恩恵)」ではなく「渠道紅利(チャネルによる恩恵)」の時代であると強調します。アディダス、ナイキ、マクドナルド、ケンタッキーといった欧米の巨大ブランドは、いずれも強力なブランドチェーンとチャネル展開によって成功を収めてきました。中国企業もまた、各業界で「ケンタッキー」や「蜜雪冰城」(※中国発の急成長カフェチェーン。インドネシアで2000店舗を展開するなど海外展開も加速)のような存在を築き、チャネルを通じて世界に「中国の物語」を伝える必要があるのです。
さらに、中国政府が推進する「郷村振興(地方創生)」や「県域経済」「共同富裕」といった政策、そしてUターン起業の盛り上がりは、地方市場へのチャネル展開に広大な機会をもたらしています。ブランドチェーンを地方市場に展開し、現地の起業家がゼロから始めることなく、ブランド側の製品、プロジェクト、技術、特許、レシピなどを活用して共存共栄する。これが、低コストで起業したい小規模事業者にとって最適な道となります。
また、企業が直面する大きな課題は「製品の単一化」と「顧客獲得コストの高騰」です。現代において最も高価な資源は「顧客」であり、オンライン広告の競争激化は無駄な投資を招きがちです。だからこそ、「私域」(プライベートドメイン、つまり自社で直接顧客と関係を構築するチャネル)を事業の根幹と捉え、顧客を友人として大切にする「商業向善、私心了無」(ビジネスは善に向かい、私欲なし)の精神で、良い製品やサービスを真に必要とする人に届けることが不可欠です。
「融商・招商・養商」統合システムによる持続的成長
企業が規模の壁を突破できない核心的な原因は、システム化された「招商(パートナー誘致・フランチャイズ展開)」能力の欠如にあります。「小さな経営者は製品を売り、優れた経営者は店舗を売り、そしてトップ経営者は商機を売る」と言われるように、招商こそが「商機を売る」ための核心的なマーケティング戦略なのです。一人で百周回るよりも、百人の代理店と一周する方が効率的であり、規模拡大の唯一の近道は招商に他なりません。
王昕氏は、企業の持続的成長を支援するために、自身が考案した「融商・招商・養商」の一体化システムを紹介しました。これは大商之道が数千社の企業で成果を出してきた核心的な方法論です。
融商:勢能を融合し「魅力」を高める
「融商」の核心は「勢能の融合」にあります。ブランドの再構築、製品ラインアップの最適化、そして精緻な流量(トラフィック)運用を通じて、収益サイクルを構築し、質の高い顧客を正確に獲得します。多くの企業が招商に苦戦するのは、製品の競争力や流量の精度が不足し、魅力的なパートナーを引き寄せられないためです。融商は、ブランド自らが「自己発信・自己集客」できる勢能を持つように、ブランドの位置づけを再考し、製品構造を最適化します。その上で、ブランドを真に理解し、協力できる潜在的パートナーを選定し、その後の招商の土台を築きます。
招商:科学的アプローチで「規模」を実現
「招商」の核心は「規模の誘致」にあります。科学的な計画、専門的なチーム、そして効率的な会銷(会議販売)を通じて、グローバルな展開と高い成約率を実現します。具体的には「方案招商(計画に基づく招商)」「鉄軍招商(精鋭チームによる招商)」「会銷招商(会議販売による招商)」の三つのアギを柱とします。
養商:全方位支援で「成長」を育成
「招商するだけで養商しなければ、最終的には皆が傷つく」という言葉の通り、「養商」の核心は「成長の育成」です。包括的なサポートを通じてパートナーが継続的に利益を上げられるように支援し、長期的に安定した協力関係を築きます。
この「融招養」システムは、闇雲にパートナーを受け入れるのではなく、「精準招商、招強商、找牛商、招大商」(精密に、強い相手を、優れた相手を、大きな相手を誘致する)ことを重視し、理念が一致し、リソースを補完し合い、能力が適合するパートナーを選定することで、協力のリスクを低減し、相乗効果を生み出し、共に成長することを目指します。
まとめ:日本企業への示唆と未来への展望
この「融招養」システムは、単なる机上の空論ではなく、数千社の企業で検証された実践的な方法論です。ブランドの位置づけから製品の最適化、流量獲得から招商契約、そしてその後のパートナー支援まで、一連の成長サイクルを確立することで、企業が一時的な流行に終わらず、「長紅(長く繁栄する)」という長期目標を達成することを支援します。大商之道は、これまでに2万社の企業を支援し、招商学の教材が大学で採用されるなど、その専門性と実用性を証明してきました。
2026年を目前に控え、日本企業もまた、経営戦略や成長パスが明確であるかを再考すべき時かもしれません。企業の真の強みは、単一の製品にあるのではなく、強力な「チャネル」にこそ宿ります。良い製品を開発するだけでなく、それを届けるための強固なチャネルを構築すること。これこそが、業界のトップを目指し、永続的な経営を実現するための不可欠な要素です。成功はシステムによってもたらされ、失敗は断片的な努力から生じます。
中国のビジネスモデルや成長戦略は、常に日本の企業にとって学びの多い示唆を提供してくれます。特に、強力なブランドとチャネルを構築し、多くのパートナーと夢を共有する「事業運命共同体」の思想は、市場が飽和し、競争が激化する現代において、新たな成長の突破口となる可能性を秘めていると言えるでしょう。
創業の道は孤独ですが、私たちは決して一人ではありません。連携と共創の精神こそが、未来を切り拓く鍵となるはずです。
元記事: kanshangjie
Photo by Manuel Joseph on Pexels






