中国の商業宇宙産業が飛躍的な発展を遂げる中、その成長を支える重要な動きが報じられました。北京中星高科科技有限公司(以下、中星高科)が数千万元規模のA+ラウンド資金調達を完了し、国内をリードする商業宇宙共通試験プラットフォームの構築を加速すると発表したのです。この一大プロジェクトは、まさに国家の政策とも合致するもので、急速な進化を続ける中国宇宙技術の未来を占う上で、極めて重要な意味を持つでしょう。
中国商業宇宙を牽引する中星高科の挑戦
中星高科、数千万元規模のA+ラウンド資金調達を完了
2021年に設立された中星高科は、航空宇宙分野の試験技術研究と工学応用において、すでに深い専門性を確立しています。同社は、強度試験、流体試験、環境信頼性試験、電磁両立性試験、材料試験、そしてシミュレーション試験をカバーする、全ライフサイクルにわたるサービスシステムを構築してきました。
この度、中星高科は北京大興京国瑞股権投資基金からの単独投資により、数千万元(日本円で数億円規模)のA+ラウンド資金調達を完了しました。これは同社にとって、2025年内に実現した2度目の株式資金調達となります。調達された資金は、北京大興区に建設される「商業宇宙共通試験プラットフォーム」の建設に重点的に充当されます。
このプラットフォームは総投資額4億元(約80億円)を誇り、近年北京地区における商業宇宙共通試験プラットフォームとしては最大規模のプロジェクトです。完成後には、中国華北地区において、最も包括的な試験項目、最先端の技術水準、そして最大規模のサービスを提供する商業宇宙共通試験プラットフォームとなることが期待されています。
国家政策が後押しする商業宇宙インフラ整備
国家レベルでの政策支援が加速
中星高科の今回の動きは、国家の政策と高度に連携しています。ごく最近、中国の国家宇宙局は2025年11月25日に「商業宇宙高品質安全発展行動計画(2025-2027年)」を正式に発表しました。これは、国防科技工業局が「商業宇宙司」を設立して以来、初めて公開された国家級の商業宇宙専門指導文書であり、22の具体的措置と5つの主要任務を含む、今後3年間の中国商業宇宙が「いかに離陸し、いかに着陸するか」を示すロードマップとなっています。
この文書では、「地上のインフラ建設を強化し、公共サービス型試験施設の論証建設を推進し、商業宇宙企業が業界を牽引する大規模な中間試験プラットフォームの建設を加速するよう奨励・支援する」と明確に掲げられています。これはまさに、商業宇宙の試験インフラ建設に対する明確な政策指導と発展経路を提供しており、中星高科の戦略的布石が国家の方向性と完全に合致していることを示しています。
商業宇宙が直面する試験インフラの課題
急速な成長の裏にある「試験サービス」の需給ギャップ
現在、中国の商業宇宙産業は急速な成長期、まさに「黄金期」にありますが、試験サービス分野では深刻な需給ギャップが顕在化しています。宇宙製品は、振動、衝撃、過負荷、極端な高温・低温、熱流、電磁放射、電磁干渉など、多岐にわたる過酷な環境下で運用されるため、わずかな欠陥でさえ壊滅的な結果を招く可能性があります。
そのため、航空宇宙製品は設計、製造、使用の全ライフサイクルにおいて、各種試験が不可欠です。強度試験から流体試験、環境信頼性試験、電磁両立性試験、材料試験、シミュレーション試験に至るまで、試験・測定は製品の成功を保証する上で極めて重要なステップなのです。
しかし、中国国内の航空宇宙試験資源、特に大規模で非標準的な試験資源は、国有の航空宇宙企業に集中しており、主に国家の主要な科学研究任務にサービスを提供しています。これにより、商業宇宙企業が求める柔軟で高効率な試験ニーズに十分応えられないという現状がありました。中星高科が構築する共通試験プラットフォームは、この業界の「痛み(ペインポイント)」を解消し、商業宇宙エコシステムの強化に大きく貢献すると期待されています。
まとめ
中星高科による今回の資金調達と大規模試験プラットフォームの建設は、中国商業宇宙産業全体の発展にとって極めて重要な一歩です。国家政策の強力な後押しを受け、商業宇宙企業のイノベーションと製品の信頼性向上に不可欠な試験インフラが整備されることで、中国は宇宙開発大国としての地位をさらに盤石なものにするでしょう。日本においても、民間の宇宙ビジネスが活性化している中で、このような共通試験インフラの重要性は増しています。中国の先行事例は、今後の日本の宇宙産業戦略を考える上で、示唆に富むものとなるかもしれません。
元記事: pedaily
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