近年、「地下城与勇士」(Dungeon & Fighter、以下DNF)のオフラインイベントは、単なるゲームファン向けのお祭りの域を超え、まるでテーマパークのような精巧さと没入感を誇っています。そして驚くべきことに、これらのイベントはゲームの枠を超え、多くの一般の方々をも巻き込み、「ファン層拡大」に成功しているのです。
その象徴的な事例が、2026年1月17日に西安の大唐芙蓉園で開催された「祈願之光・点亮大唐」イベントです。DNFモバイルの新春バージョン「唐朝風」テーマと連動し、オンラインとオフラインを融合させた大規模なこのイベントは、なぜこれほどまでに多くの人々を魅了し、大きな話題を呼んだのでしょうか。本稿では、その成功の秘密に迫ります。
ゲームと文化の融合:西安「大唐芙蓉園」での壮大な祭典
「祈願之光・点亮大唐」は、DNFモバイルと大唐芙蓉園の共同プロジェクトとして開催され、西安市が推進する文化観光産業のデジタル化アップグレードにおける重点プロジェクトでもありました。筆者が実際に会場を訪れた際の印象は、まさに「異文化融合のテーマパーク」というにふさわしいものでした。
伝統美とゲーム要素の融合
イベント会場では、来場者は祈願の木に願い事を書いた短冊を吊るしたり、投壺(とうこ)や対詩(詩を詠み交わす遊び)といった伝統的な遊びを楽しんだりできました。特に注目されたのは、中国の「非物質文化遺産」(無形文化遺産)の職人技とDNFモバイルがコラボレーションしたブースです。ゲームキャラクターをモチーフにした飴細工、切り絵、影絵が作られ、キャラクター「セリア」が漢服をまとい、別のキャラクター「ソシエ」が酒器でジェンガを興じるなど、伝統的な情景の中にDNFの世界観が見事に溶け込んでいました。詩の壁にはDNFの要素を隠した「蔵頭詩」(頭文字に意味を込めた詩)が紛れ込んでおり、土罐(トゥクァン)の提灯を手にした来場者たちの笑顔が、会場全体に漂う旧正月らしい華やいだ雰囲気を一層引き立てていました。
SNSで話題沸騰!外交部も注目するイベントの魅力
主舞台では国風をテーマにした剣舞などのパフォーマンスが披露され、曲江池のほとりには高さ35mにも及ぶ巨大な「セリア」の花灯(中国提灯)が設置されました。その光が水面に揺らめく光景は幻想的で、筆者が見た数日後には、なんと中国外交部の毛寧報道官がこのセリアの花灯についてSNSで言及するほどの注目を集めたのです。まさにゲームが文化伝播の新しい担い手となった瞬間と言えるでしょう。また、旧正月にちなんで河灯を流すイベントも行われ、オフライン参加者は手書きで、オンラインのプレイヤーはメッセージを残すことで、願い事が河灯に託されました。会場の随所では数十名のコスプレイヤーがゲームキャラクターになりきり、徹底した役作りに感銘を受けました。まるでディズニーランドのように、ゲームを知らない人でも楽しめる、特別な雰囲気がそこにはありました。
そして夜8時に始まった点灯式では、ドローンが空中を舞い、ゲーム内の象徴的な要素である「天帷巨獣」や「時空の扉」などを次々と描き出しました。最後に「2026年も希望に満ちた一年になりますように」というメッセージが夜空に浮かび上がると、プレイヤーたちの感動は最高潮に達し、周囲の一般来場者も巻き込んで、会場中の人々が一斉にスマホを掲げてこの瞬間を記録していました。
ファン層を拡大する「DNF」の戦略
DNFモバイルは、これまでも様々なオフラインイベントを通じて「ファン層拡大」への努力を重ねてきました。例えば、昨年5月には広州で街全体をDNF IPで彩る「痛城」を、2ヶ月後には珠江に「蒼穹貴族号」遊覧船を登場させ、多くの来場者や観光客を魅了しています。
誰もが楽しめる「開かれた」イベントデザイン
DNFのオフラインイベントの多くは、無料で開放された半屋外空間で開催されます。小規模なインタラクションポイント、メインステージ、大規模なインスタレーションを組み合わせた演出は常に高いクオリティを誇ります。ゲームのコアファンにとっては、専門的なコンテンツが自身のアイデンティティを再認識する機会となる一方で、一般の来場者にとっては、イベントそのものが持つ「見て楽しい、遊んで面白い」というシンプルな魅力と参加への敷居の低さが重要になります。この二つの側面を両立させることは容易ではありませんが、DNFは常にそれを成功させているように見えます。
先日開催された「DNFU 2025嘉年華(カーニバル)」でも、ファッション系の大学との手作り体験ブース、願い事を書くと種子紙がもらえるチャリティ絵画展、ペットと楽しめるチャレンジエリアなど、多くの通行人が興味津々で足を止め、その場でゲームについて知るきっかけとなっていました。
長年のIPとモバイルゲームの相乗効果
これらのイベントの直接的な目的は、ゲームの「ファン層拡大」にあります。その背景には、イベント自体の質の高さに加え、IP(知的財産)自体が持つ「層を開く」特性が大きく影響しています。DNFは非常に長い歴史を持つIPであり、多くの人々の青春と成長を彩ってきました。そのため、「自分はプレイしたことがなくても、誰かがプレイしているのを見たことがある、名前は聞いたことがある」という、幅広い層に認知されたゲームなのです。
そして、DNFモバイルにとって、このような開かれたオフラインイベントは、モバイルゲームという特性と非常に相性が良いと言えます。会場でゲームに惹かれた人がいれば、その場でアプリをダウンロードし、すぐにゲーム体験を始めることができるからです。
まとめ
過去1年、DNFモバイルはゲームのアップデートや育成システムにおいて明確な調整を行ってきました。これら一連のオフラインイベントと合わせて、運営側がプレイヤーとの接触や交流を増やし、プレイヤーに寄り添い、真摯な姿勢でサービスを提供しようとしている意図が感じられます。同時に、彼らにはより深遠なビジョンがあることも明らかです。
例えば、オフラインの「テーマパーク」を創出し、ゲームのファン層を拡大し、ゲームと私たちの生活を結びつけ、より多くのオフラインシーンでゲームを登場させること。また、より多くの都市や文化製品との連携を通じて、今回の「非物質文化遺産」がDNFモバイルとのコラボレーションで新しい活力を得たように、DNF自体もまた、これまでにない奥深さと魅力を獲得しています。
今後もこのような革新的なイベントが数多く開催されることでしょう。プレイヤーにとって、DNFと共に歩む未来は、決して遠くないはずです。ゲームが文化の担い手となり、地域と連携し、デジタルとリアルが融合するこの新しい取り組みは、日本のゲーム業界にとっても示唆に富む事例となるに違いありません。
元記事: chuapp
Photo by Yan Krukau on Pexels






