中国で絶大な人気を誇るモバイルMOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)ゲーム「王者荣耀(Honor of Kings)」が、新たな試みで女性ゲーマーの心を掴んでいます。先日開催された10周年記念オフラインイベントでは、イケメン男性英雄との「ロマンチックな交流体験」を提供する「心動の王者(Heartbeat of Kings)」プロジェクトが大盛況。オンラインでは参加枠が瞬時に完売し、オフライン会場には早朝から長蛇の列ができるなど、その熱狂ぶりが大きな話題を呼んでいます。今回は、この革新的なゲームイベントの全貌と、それが日本のゲーム業界に与える示唆について深掘りします。
中国ゲーム「王者荣耀」10周年イベントが大盛況!
先週末、中国の成都露天音楽公園は、ゲーム好きの若者たちで埋め尽くされました。ここでは、中国の国民的モバイルMOBA「王者荣耀」の10周年を祝うオフラインカーニバルが開催されていたのです。イベント初日の早朝、開場まで7~8時間もあるにもかかわらず、入り口にはすでに長蛇の列ができており、その多くを女性参加者が占めていました。
女性プレイヤーを虜にした「心動の王者」とは?
なぜこれほど多くの情熱的な女性参加者が集まっていたのでしょうか? 筆者が数人の女性たちに話を聞くと、その目的は「王者荣耀」が今年発表した感情的な「お供」プロジェクト「心動の王者」にあることが分かりました。今回のイベントは、このプロジェクト初のオフライン展示会であり、美しいフォトスポットはもちろんのこと、長年憧れてきたイケメン男性英雄と間近で交流できる貴重な機会だったのです。
関係者によると、オンラインで事前予約できる交流枠は「秒速完売」したとのこと。そのため、彼女たちはこの貴重な対面チャンスを逃すまいと、オフライン会場で配布される交流体験枠を求めて、かなり早い時間から列に並んでいたのです。彼女たちの「熱狂」と「頑張り」に驚きつつも、筆者は「心動の王者」がイベントでどのようなパフォーマンスを見せるのか、大いに期待しました。
カーニバルが正式に始まると、ゲームの10年間の軌跡を記録したテーマアベニューを抜け、王者荣耀の世界観が広がる空間へと足を踏み入れました。6万平方メートルもの広大な屋外展示エリアは、5万人以上のプレイヤーを魅了し、6つの主要テーマエリアと体験ルートに分かれていました。その中でも、筆者が思わず立ち止まってしまったのが、「心動の王者」の展示エリアです。
ここは、非常に女性向けで、優美かつロマンチックな没入型インタラクティブエリアとなっていました。精緻な展示構築は、優雅でゆったりとしたジャズが流れる中、晩餐会の雰囲気を再現。華やかな衣装をまとった7人のイケメンで「権威ある」男性英雄の公式コスプレイヤーたちが、女性プレイヤーを招き入れます。まさに「心動の王者」が作り出した、「仮面舞踏会」をテーマにした没入型交流体験でした。
会場では、女性プレイヤーたちから「ここ、すごくきれい!」「英雄がイケメンすぎてドキドキする!」といった感嘆の声がひっきりなしに上がり、特に交流エリアでは悲鳴にも似た歓声が頻繁に沸き起こりました。カーニバル全体が熱気に包まれる中でも、このエリアの存在感は際立っており、「王者荣耀」10周年カーニバルの中でも「特別で、かつ話題を呼んだ」展示エリアの一つとなりました。
「心動の王者」が巻き起こしたオンラインの熱狂
このオフラインイベントは成都での開催でしたが、イベント開始と同時に、プレイヤーが男性英雄と交流する様子が次々とオンラインで共有され、激しい議論を巻き起こしました。関連するハッシュタグは、中国の人気ソーシャルメディア「小紅書(Xiaohongshu)」のトレンドランキングでTOP3に急浮上。オンラインでの議論が過熱するにつれて、小紅書上の「#心動の王者」ハッシュタグの閲覧数は、なんと5億回を突破したのです。
この「心動の王者」は、「王者荣耀」が2025年7月に発表した感情的な「お供」プロジェクトです。現在発表されているシーズン1では、澂(Cheng Yaojin)、铠(Kai)、曜(Yao)、司马懿(Sima Yi)、马超(Ma Chao)、玄策(Xuan Ce)、元歌(Yuan Ge)の7名の男性英雄に焦点を当て、現代のパラレルワールドを舞台に、プレイヤーが感情移入しやすい「お供」コンテンツを通じて没入型体験を提供しています。
プロジェクト発表以来、連載漫画やLive2D動画など多様なコンテンツを通じて、プレイヤーと英雄が「双方向で共に進む」体験を提供。これまでの「傍観型体験」や「断片化された」英雄との感情コンテンツを打破し、現代の若者がより求める、没入感と直接的な感情的交流を伴う「お供型」コンテンツの創造へと転換を図っています。
まとめ:新しいゲーム体験の地平を切り開く
「心動の王者」プロジェクトの成功は、「王者荣耀」が単なるMOBAゲームとしてだけでなく、キャラクターとの深い感情的繋がりを求めるプレイヤー、特に女性層のニーズに応えることに成功したことを示しています。ゲームキャラクターを単なる操作対象としてではなく、感情的な「お供」として捉え、没入型の交流体験を提供することで、新たなゲームの楽しみ方を提示しました。
これは、ゲームが持つエンターテイメントとしての可能性を広げ、IP(知的財産)の多角的な展開においても新たな方向性を示唆しています。日本のゲーム業界にとっても、キャラクターIPの活用方法や、多様化するユーザー層へのアプローチを考える上で、「心動の王者」の事例は非常に興味深い先行事例となるでしょう。感情的な繋がりを重視するこの動きは、今後のゲームデザインやマーケティング戦略に大きな影響を与えるかもしれません。
元記事: news
Photo by Vlada Karpovich on Pexels






