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中国FPS『逆戦:未来』S1「鬼吹灯」コラボが示す、ゲームの未来の形

Chinese FPS game, Ancient tomb exploration - 中国FPS『逆戦:未来』S1「鬼吹灯」コラボが示す、ゲームの未来の形

中国発のFPSゲーム『逆戦:未来』(逆战:未来)のS1シーズンが、中国で絶大な人気を誇る伝奇・盗墓小説『鬼吹灯』(きすいとう)との大規模コラボで話題を呼んでいます。単なるスキン変更に留まらない深いゲーム体験、Unreal Engineが描く精緻なグラフィック、そしてPvEゲームの常識を覆すシーズン設計は、まさに「ゲームの未来」を体現していると言えるでしょう。今回は、この注目のコラボレーションがなぜそれほどまでに評価されているのか、その魅力に迫ります。

伝説の盗墓小説『鬼吹灯』がFPSゲームで蘇る!

『逆戦:未来』は1月13日にS0シーズンをスタートさせ、筆者も昔の仲間たちと一緒に「大都会」や「ダークリザレクション」といったおなじみのマップをプレイし、懐かしいPvEハンティングモードの魅力を再確認していました。その際、マップ選択画面に「精絶古城」と「崑崙神宮」という未開放マップがあることに気づき、S1シーズンの予告と合わせ、『鬼吹灯』とのコラボが来ることを確信しました。

2017年の春節、旧作『逆戦』で初めて「精絶古城」がゲームに登場した時、私はまるで小説の世界に入り込んだかのような興奮を味わいました。あれから9年。今回の『逆戦:未来』と『鬼吹灯』の再会は、単なるファンの懐古心に訴える「情熱商法」に終わるのか、それとも本当に新しいゲーム体験を提供してくれるのか、期待と不安が入り混じった思いでS1シーズンの開幕を待ちました。

Unreal Engineが描く、驚異の「精絶古城」と「崑崙神宮」

懐かしさと恐怖が交錯する「精絶古城」リメイク

S1シーズンの目玉は、やはりハンティングモードに追加された2つの新マップ、リメイク版の「精絶古城」と新作の「崑崙神宮」です。「精絶古城」に足を踏み入れると、胡八一や王凱旋といった『鬼吹灯』の登場人物がカットシーンで現れ、小説で描かれた広大な砂漠や遺跡、そしてそこから這い出てくる盗掘者や沙漠行軍蟻の姿が、Unreal Engineの美しいグラフィックで再現されています。

最初のボス「巨大女王蟻」との対峙は、まさに生理的な恐怖そのものでした。『逆戦:未来』のHD画質は、昆虫の節足動物としての細部まで鮮明に映し出し、そのグロテスクさに思わず後ずさりしてしまいます。特に、女王蟻が産み落とす大量の卵が孵化し、無数の小さな行軍蟻がプレイヤーに襲いかかる場面では、集合体恐怖症の私でなくとも背筋が凍り、手汗が止まりませんでした。これは、多くのゲームが追求する「没入感」そのものであり、これまでPvEオンラインゲームではなかなか味わえなかった体験です。

また、マップデザインはまるで起伏のある小説のように、激しい戦闘と静寂が絶妙なバランスで配置されています。砂嵐の中を白ラクダを追って進むシーンでは、風の音のSEがプレイヤーの孤独感を一層高め、ゲームへの没入感を深めます。最終ボスである「精絶女王」との戦いでは、彼女の蛇に関連する多彩なスキルや、プレイヤーのエイム精度が試される緊迫した展開が、このマップのリプレイ性を高めています。

新たな冒険と驚きに満ちた「崑崙神宮」

リメイクマップも素晴らしいですが、『逆戦:未来』は新作マップ「崑崙神宮」で、さらに想像力を爆発させています。このマップは小説『鬼吹灯』シリーズ第四作であり、メインストーリーの終章にあたる「崑崙神宮」をベースにしています。ゲームでは、龍頂氷河、鬼母記憶の城、悪羅海城遺跡という三つの段階に分かれ、小説の脈絡に沿って冒険が展開されます。

最も驚かされたのは「鬼母記憶の城」での時空移動ギミックです。プレイヤーは時空の裂け目を通り抜け、過去と現在を行き来します。一瞬にして騒がしかった戦闘が静寂に包まれ、次の瞬間には三面六臂の巨大な仏像がそびえ立つ、その「一瞬で全てが消え去る」ような死寂さは、ゾンビが100体飛び出してくるよりも遥かに恐ろしく、心臓を鷲掴みにされるようでした。このような巧みなギミックと、視覚・聴覚表現の融合は、これまでの「ゾンビハンティング」モードの期待を大きく超えています。

「崑崙神宮」の最終ボスは、巨眼と蛇の体を持つ、小説では描かれなかった神秘的な怪物です。その巨大かつ素早い動きは、まさにSF映画のようなボス戦を演出します。原作の物語を踏襲しつつも、ゲームならではの想像力を加えて『鬼吹灯』の世界をさらに広げている点も、このコラボの大きな魅力と言えるでしょう。

「数値インフレ」に抗う、プレイヤーファーストなシーズン設計

『逆戦:未来』の『鬼吹灯』コラボは、単にマップを追加するだけではありません。武器、キャラクター、そしてシーズンタレント(スキル)も、このバージョンのために特別にデザインされています。PvEシューティングゲームは、コンテンツの消費速度が生産速度を上回りがちで、プレイヤーが同じマップを繰り返しプレイすることで飽きが生じやすいという課題を抱えています。また、強さを実感させるために、粗雑に数値を積み重ねる「数値インフレ」も多くのゲームで見られる問題です。

しかし、『逆戦:未来』のS1シーズンでは、そうした数値インフレの兆候はほとんど感じられませんでした。これは、運営が事前に約束していた「数値を売らない」という方針が大きく貢献していると言えます。S1シーズンで追加された強力な金色武器も、全て無料で獲得可能。これにより、プレイヤーは課金の有無に関わらず、純粋にゲームプレイの楽しさと挑戦に集中できる環境が提供されています。これは、長期的なPvEゲームが直面する大きな課題に対する、真摯な回答と言えるでしょう。

まとめ

『逆戦:未来』S1シーズンの『鬼吹灯』コラボは、単なるIP連携に留まらない、ゲーム体験の深掘りと革新を示しています。Unreal Engineの最先端技術を駆使したグラフィックと没入感、練り込まれたギミックとボス戦、そしてプレイヤーのモチベーションを維持する「数値を売らない」シーズン設計。これらは、現在のゲーム業界が抱える課題に対し、『逆戦:未来』が示した一つの未来の形と言えるでしょう。

日本の読者の皆さんにとって馴染みの薄いゲームかもしれませんが、このような質の高いコンテンツと、プレイヤーに寄り添う設計思想は、今後のゲーム開発における重要なトレンドとなり得ます。中国発のゲームが世界に発信するメッセージとして、『逆戦:未来』の今後の展開に注目していきたいと思います。

元記事: chuapp

Photo by Usman AbdulrasheedGambo on Pexels

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