世界中で絶大な人気を誇るサッカーゲーム、『EA Sports FC』(旧FIFAシリーズ)のシーズンがまた一つ終わりを告げました。昨年9月にサービスを開始した『EA Sports FC 25』は、高頻度でコンテンツ更新が行われてきましたが、先日、全ての更新が停止。モバイル版やウェブ版のアシスタントアプリもメンテナンスに入り、9月18日には待望の新作『EA Sports FC 26』が登場します。
世界で最もプレイされているリアル系サッカーゲームとして、EAのこのシリーズはもはや避けて通れない存在です。しかし、この巨大なシリーズの裏側には、プレイヤーを悩ませる「ビジネスモデル」と、かつての純粋なゲーム体験への郷愁が隠されています。
『EA Sports FC』シリーズの現状と課題
EAと国際サッカー連盟(FIFA)とのパートナーシップ解消から2年が経過しましたが、その人気は全く衰えていません。むしろ、毎年新たなプレイヤーが流入し、オンライン同時接続数の記録を更新し続けています。一方で、プレイヤーからはEAの不当なアカウント停止、サッカーに対する理解不足、チート対策の不備など、厳しい批判の声が絶えません。しかし、巨大なユーザーベースと競合の不在により、EAの「吸引力」は依然として強力です。
多くのプレイヤーが不満を抱くのは、『FC』シリーズが実質的に“課金前提のオンラインゲーム”と化している点です。通常の無料ゲームとは異なり、新作は毎年69.99ドル(アルティメット版は99.99ドル)という高価格で販売され、数千万本を売り上げることでEAは莫大な利益を得ています。さらに、オンラインモードでの課金収益も膨大です。
毎年リセットされる「カード資産」のジレンマ
このシリーズ最大の課題は、毎年リセットされる「カード資産」にあります。一年かけて苦労して集め、成長させた豪華な選手カードやチーム編成も、翌年の新作では全て無効化され、ゼロからのスタートとなります。これにより、プレイヤーは常に進捗を「追いかける」ことを強いられ、安定した達成感を得にくい構造になっています。少しゲームから離れると、すぐにチームの強度が時代遅れになってしまうため、常に大量の時間を費やして任務をこなし、選手カードを強化し続ける必要があります。
「終盤」の楽しみ方とカジュアルモード「Rush」
筆者の友人たちも、サッカーゲームへの情熱は強いものの、一年を通して『FC』シリーズを遊び続ける人はほとんどいません。新作発売直後の9月に「開拓」を楽しむか、翌年5月や6月にEA Playが大幅に値下げされるのを待って、シーズン終盤の数ヶ月だけ集中的にプレイするといった傾向が見られます。
筆者も今年は後者のパターンでした。シーズン終盤の『FC 25』を、セール中にEA Play会員権を更新してプレイしたのです。この時期には「世界末日」と呼ばれる狂乱の期間があり、EAは8月、つまりシーズン最後のいわゆる「大盤振る舞い」期間に、ほぼ全てのトップレベルカードをプレイヤーに配布しました。以前は夢のまた夢だったロナウド(大羅)、ロナウジーニョ(小羅)、そしてエムバペ(通称「亀亀」)といったレジェンド級の選手カードが、今では誰もが手に入れられるようになりました。この「終盤のお祭り」は、カジュアルプレイヤーにとっては存分にゲームを楽しむ絶好の機会を提供してくれます。
気軽さが魅力の新モード「Rush」
『FC 25』のもう一つのハイライトは、過去のストリートサッカーモードに代わって導入された新モード「Rush」です。これは基本的に5人制(GK操作なしのフィールドプレイヤー4人)で、フィールドが狭く、テンポが速く、一試合の時間も短いため、気軽にプレイできます。短い時間でサクサク進められるため、筆者もこのモードに多くの時間を費やし、近年で最もストレスなく『FC 25』を楽しめたと語っています。
「純粋なサッカー」への郷愁
しかし、こうした楽しい日々も数日後には終わりを迎えます。『FC 26』がリリースされれば、『FC 25』は急速にプレイヤーを失い、アップデートもイベントも途絶えます。まるでブラックホールに置き去りにされたかのように、古いゲームはあっという間に時代遅れになるのです。誰もが急いで新作へと向かい、新たな任務を追いかけ始めます。
そんな時、筆者はかつて「上司と一緒にサッカーゲームをしていた日々」を懐かしく思い出します。そこには進捗を「肝る(ヘビープレイする)」必要もなく、勝利への功利的なこだわりもありませんでした。ただ、毎日昼休みに愛すべき上司と一緒に、シンプルな娯楽として、昔ながらの『ウイニングイレブン7』や『FIFA 16』で純粋にサッカーゲームを楽しんでいました。筆者は毎回のように上司に大敗するものの、上司が満足げに午後の仕事に戻る姿を見て、心の中には進捗を追いかける焦燥ではなく、ただただ喜びだけがあったといいます。本当に懐かしい、あれこそが純粋なサッカーゲームだったのです。
まとめ
『EA Sports FC』シリーズは、その絶大な人気とビジネス的な成功の裏で、毎年プレイヤーに「追いつく」ことを強いる課金モデルと、ゲーム体験のリセットという課題を抱えています。しかし、シーズン終盤の「大盤振る舞い」や、気軽に楽しめる新モードの導入など、ライトプレイヤーへの配慮も見られます。
新作『FC 26』の登場を前に、多くのプレイヤーは新たなシーズンへと移行するでしょう。しかし、このシリーズが今後、ビジネス的な成功と、筆者が懐かしむような「純粋なサッカーゲーム」としての楽しさをどのように両立させていくのか、注目が集まります。
元記事: chuapp
Photo by Alexander Kovalev on Pexels












