近年、ビデオゲーム業界で旧作の「リメイク」や「リマスター」が空前の盛り上がりを見せています。特に2025年には数十タイトルがリリースされ、その勢いはピークに達したとされています。英国の市場調査会社Ampere Analysisの最新レポートによると、この「懐かしさ」を原動力とするビジネスモデルが、いかに莫大な潜在力を持っているかがデータで明らかになりました。わずか2年弱で、14億ドル(約2200億円)もの収益を叩き出し、7240万人ものプレイヤーを惹きつけているという驚きの結果が示されています。
リメイク・リマスター市場が加熱する背景
ゲーム業界では、かつての名作を現代の技術で蘇らせる「リメイク」(Remake)や、グラフィックなどを強化した「リマスター」(Remaster)が一大トレンドとなっています。この「歴史を掘り起こす」戦略は、特に2025年にピークを迎え、一年間で数十ものリメイク・リマスター作品がリリースされる事態となりました。
この動きを裏付けるのが、英国の市場調査会社Ampere Analysisが発表した最新レポートです。彼らの分析は、この懐かしさを刺激するビジネスモデルが持つ巨大な潜在力をデータで明確に示しています。
驚異の数字が示す市場のポテンシャル
Ampere Analysisの調査によると、2024年1月から2025年9月までの約2年間で、Xbox、PlayStationといったコンソール機およびPC(Steam)プラットフォームにおけるリメイクおよびリマスター作品は、次のような驚くべき成果を上げています。
- 総プレイヤー数:7240万人
- 総収益:14億ドル(完全版ゲーム販売および関連するマイクロトランザクション収入を含む)
レポートでは42タイトルのデータを分析しており、特に「リメイク」作品へのプレイヤーの投資が「リマスター」作品よりも顕著に高いことが判明しました。平均して、プレイヤーはリメイク作品にリマスター作品の2.2倍の金額を費やしています。
リメイクは通常、開発コストが高くなりますが、その分プレイヤーのエンゲージメントも高く、大きな収益をもたらします。一方で、リマスターは開発コストを抑えられますが、プレイヤーを惹きつける力は相対的に穏やかであると言えるでしょう。
市場を牽引する注目作
いくつかの作品は、このトレンドの中で特に際立った成功を収めています。
- 『ファイナルファンタジーVII リバース』(Final Fantasy VII Rebirth)と『サイレントヒル2』(Silent Hill 2)といったリメイク版は、収益とアクティブプレイヤー数の両方で素晴らしい実績を上げました。
- 驚くべきは『The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered』です。これは「異質な存在」として報告書に挙げられ、ピーク月間アクティブユーザー数約700万人、収益約1.8億ドルという最高の数字を記録しました。
成功の裏に潜むリスクと今後の展望
Ampereのシニアアナリスト、ケイティ・ホルト氏は、現在のプレイヤーが消費に対してより慎重になっている時代において、パブリッシャーは旧作のラインナップを見直す際に、リスクとリターンを慎重に比較検討する必要があると指摘しています。
リメイクゲームの多くは商業的に成功していますが、リスクがないわけではありません。例えば、『ファイナルファンタジーVII リバース』は売上ランキングでは上位に位置するものの、開発コストが高額だったため、スクウェア・エニックスは販売本数が「期待を下回った」と何度も公言しています。これは、大規模予算のリメイク作品が直面する課題を浮き彫りにしています。
しかし、市場分析では、この「冷飯(古いコンテンツの再利用)」トレンドは今後も継続すると見られています。2025年だけでも、以下を含む数十ものリマスター/リメイクゲームがすでに販売または発表されています。
- 『ファイナルファンタジータクティクス 獅子戦争』
- 『メタルギアソリッド3 リメイク』
- 『幻想水滸伝 1&2 HDリマスター』
- 『Halo: Combat Evolved』
- 『Kao the Kangaroo』
- 『スーパーマリオギャラクシー1+2 合集』
今回のレポートは、パブリッシャーに対し、「懐かしさ」が数十億ドル規模の価値を持つ巨大な資産であることを明確なデータで示しました。プレイヤーが慣れ親しんだ世界で新たな体験を求める限り、このリメイク・リマスターの流れは止まらないでしょう。
元記事: gamersky
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