韓国の未来を左右する一大イベント、大学入学共通試験「修学能力試験」、通称「スヌン」が今年も11月13日に実施されました。55万人を超える受験生が参加し、これは過去7年間で最多の数字です。たった一日で彼らの運命を大きく左右するこの試験は、韓国社会全体を巻き込む熱気を帯びています。航空機の離着陸が一時停止するほどの国民的な協力体制や、後輩が先輩の合格を願ってひざまずく独特の応援文化など、その熾烈な競争と知られざる背景に迫ります。
韓国社会を熱くする「スヌン」とは?
「修学能力試験」、通称「スヌン」は、韓国で毎年11月の第3木曜日に行われる、日本の大学入学共通テストに相当する全国一斉の試験です。2023年は11月13日に開催され、55万人以上もの受験生が挑みました。これは2019年以降で最も多い人数となり、大学入試における競争の激しさを物語っています。
この試験は、朝8時40分から夕方17時45分までの長丁場にわたって行われます。試験科目は、韓国語、数学、英語、韓国史および探求(社会・科学・職業)、そして第二外国語または中国語の5科目。2022年から文系・理系の区分を統合した形式が維持されており、過度に難しい「キラー問題」は排除される方針が取られています。合格発表は12月5日に予定されており、多くの受験生が固唾を飲んで結果を待っています。
熾烈な競争を物語る受験生の内訳
今回の受験生の構成を見てみると、在校生が67.1%、浪人生が28.9%、その他のカテゴリーが4%を占めています。約3割が浪人生であるという事実は、韓国の大学受験がいかに熾烈で、一発勝負では難しい道のりであることを示しています。良い大学に進学することが社会的な成功に直結するとされる韓国では、再挑戦を選ぶ受験生も少なくありません。
航空機も止まる!国を挙げた「スヌン」協力体制とユニークな受験文化
スヌンは、韓国で最も重要な年間学術試験であり、その重要性は国全体で共有されています。特に注目すべきは、試験当日の英語リスニングテストの時間帯(13時10分から13時35分)です。この25分間、騒音による影響を最小限に抑えるため、韓国内のすべての空港で航空機やヘリコプターの離着陸が一時的に停止されます。これは、受験生が集中できる環境を国を挙げて提供しようとする、韓国ならではの協力体制と言えるでしょう。
さらに、試験開始前には感動的な光景も見られました。報道によると、高校2年生の生徒たちが、会場に集まった先輩たちの前で地面にひざまずき、大礼(大きな敬礼)を行って試験の成功と良い大学への合格を祈願していたとのこと。このような、先輩を想い、未来を応援する温かい文化は、韓国の受験生の連帯感と、大学入試にかける強い思いを象徴しています。
まとめ:韓国の教育熱が示す未来と日本への示唆
韓国のスヌンは、単なる入学試験ではなく、社会全体が注目し、協力し合う一大イベントです。過去7年で最多の受験者数を記録し、浪人生の割合が高いことからも、学歴社会を背景とした熾烈な競争が依然として続いていることが伺えます。航空機の一時停止や後輩による応援といったユニークな文化は、韓国の教育に対する情熱と、それが生み出す国民的な一体感を象徴していると言えるでしょう。
日本でも大学入学共通テストが実施されていますが、韓国のスヌンに見られるような社会全体の関与の仕方や、受験生の置かれた状況は、異なる文化圏における教育制度のあり方として、私たちに多くの示唆を与えます。競争の激化、教育機会の平等性、そして若者の将来への期待と重圧など、韓国の教育現場から学ぶべき点は少なくありません。今後も、韓国の教育制度の動向は国際的な視点から注目されることでしょう。
元記事: gamersky
Photo by Yan Krukau on Pexels












