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英国小売業の巨星 M&S、中国市場撤退に見るグローバル戦略の苦悩

Chinese retail landscape Global business challenge - 英国小売業の巨星 M&S、中国市場撤退に見るグローバル戦略の苦悩

ECプラットフォームの急速な台頭は、世界の、そして特に日本の実店舗小売業に大きな変革を迫っています。先日、PwCのデータでは、米国の主要小売店の実店舗が過去5年間で約1,000店以上減少したと報じられ、その衝撃は計り知れません。英国メディアも「小売業の寒冬」到来を告げる中、その象徴ともいえる存在が、英国が誇る「小売りの王者」、マークス&スペンサー(M&S)です。かつて世界を席巻したM&Sが、なぜ中国市場で苦戦し、大規模な撤退を余儀なくされたのでしょうか。その背景と、私たち日本企業が学ぶべき教訓を探ります。

世界を席巻するEC化の波と英国小売業の「寒冬」

ECプラットフォームの台頭は、実店舗小売業に大きな打撃を与えています。この影響は国内だけでなく、海外でも顕著です。PwCが以前発表したデータによると、米国の「フォーチュン500」に名を連ねる商業小売企業の約1,000店舗以上が閉鎖され、これは過去5年間で最大規模の減少となりました。英メディアは、英国小売業の「寒冬」が静かに到来したと報じています。英国小売業に触れる上で、避けては通れないのが「小売りの王者」マークス&スペンサーです。

「小売りの王者」マークス&スペンサーの栄光と中国市場での苦悩

英国を代表する老舗百貨店の歴史と特徴

マークス&スペンサーは英国最大の小売企業で、その名は海外にも広く知られています。建物全体が英国らしい厳格で重厚なスタイルを持ち、それがやや沈んだ印象を与え、活気ある購買体験を好む中国の消費者にはあまり合致しなかったようです。中国国内では、マークス&スペンサーのブランド知名度は明らかに不足していました。中高級の総合ショッピングモールとして、創業から135年の歴史を持ち、ロンドンに本社を構え、世界中に数千店舗を展開しています。同社は、強力なイノベーションと高品質・高価値な製品によって、最も人気のある小売ブランドの一つとして君臨してきました。

中国市場への挑戦と戦略の転換

M&Sは10年前に上海に進出し、その後、蘇州、温州、寧波といった二線都市にも支店を開設しました。しかし、同社は元々メディア露出が少なく、消費者への認知度が低いままでした。数年の運営後、業績不振により店舗数を減らし、北京などの一線都市への出店に注力。現地の消費者を惹きつけるため、アパレル事業に加え食品事業を強化するなど、一連の施策を講じ、北京に新規オープンした旗艦店での巻き返しを期待しました。

グローバル戦略の教訓:現地適応の重要性

しかし、その結果も芳しくありませんでした。M&Sは中国国内の消費者のニーズに合わせた適切な調整ができなかったため、中国全店舗の閉鎖を発表し、2022年までに100店舗を閉鎖する方針を打ち出しました。ある専門家は、このような100年以上の歴史を持つ企業が海外市場で不利な状況に直面した場合、「断臂求生(腕を切り落としてでも生き残る)」、つまり抜本的な改革を行い、ブランドの再定義を行うべきだと提言しています。

マークス&スペンサーの中国市場撤退は、EC化が進む現代において、グローバル展開を志す企業がいかに現地市場の文化や消費者の嗜好を深く理解し、柔軟に適応できるかが成功の鍵を握るかを浮き彫りにしています。ブランドの歴史や確固たる品質だけでは、刻々と変化する海外市場で生き残ることは困難です。今回の事例は、日本企業が海外進出を検討する際、または既に進出している市場で事業展開を行う上で、他国の失敗事例から学び、自己分析と戦略の見直しを行う重要性を改めて示唆しています。

元記事: kanshangjie

Photo by Kenneth Surillo on Pexels

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